数は何歳から数えることが出来る?つまずくポイントと、数えるようになるためのポイントを紹介
「何歳から数の勉強を始めたら良いのか」「どれくらいの年齢でどこまで数を理解していれば良いのか」など、子どもの成長とともに気になってくるところだと思います。
数の概念を身につけるとはどういうことか?どんなステップを踏むのか?など知らなければ、最適なサポートができません。逆に言えば、子どもが数を数えられるようになる過程を知ることで、子どもに合わせたアプローチも可能になります。
この記事では、子どもがどのように数の概念を獲得し、どんなところにつまずきやすいかについて詳しく解説します。
数は何歳から数えることが出来るのか
子どもは2、3歳頃になると、「イチ、ニ、サン…」とも数えられる子が出てきます。この頃になると数字への興味を抱くようになり、カレンダーなどで知っている数字を見つけるようなこともあります。
子どもが獲得していく数の概念は、「順序数」と「集合数」という考え方が基本です。そしてこの数の概念の土台となるのが、「数唱(イチ、ニ、サン)」、「数字(1、2、3)」、「数量(1つ、2つ、3つ)」の数の基本です。
この3要素を理解することが、数の概念の理解につながります。
一般的に2・3歳から徐々に数の理解を深めていき、だいたい5歳頃までに基本的な数の概念を獲得すると言われています。子どもによっては5歳ごろに簡単な計算ができるようになることもありますが、これらの発達速度は個人差も大きいです。
その一方、周囲の声掛けや関わり方で、理解をサポートすることもできます。より適切な働きかけをするためにも、子どもはどんな過程を経て数の概念を獲得するのか、どんなところでつまずきやすいのかを知っておきましょう。
数の概念
数の概念を獲得することは、大人が思っている以上に難しい作業です。りんごを見て「りんご」と名前を覚えることとは異なり、数は抽象的な概念であるためです。
数は、「集合数」と「順序数」に分かれます。2つの違いは以下のような点です。
集合数 | ものの順番を示す | 1番目、2番目、3番目 |
順序数 | ものの総数を示す | 1個、2個、3個 |
これらを理解すること=数の概念が身についたと言えます。
集合数
「えんぴつが2本」「りんごが3個」「友達が4人」などの個数を指すときの数字を、「集合数」と言います。では集合数を理解する上でのつまずくポイントを紹介していきます。
たくさんあるものを数えるとき、大人なら当たり前のように1つのものに対して1回カウントします。しかし子どもの場合、1カウントに対して1つのものを対応させることが、難しい場合があります。
口では「イチ、ニ、サン…」と数えているのに、数えている手はそれよりも少なかったり多かったりして、口でのカウントと手の動作が合わないことがあるのです。
集合数は「1、2、……9」と数えたら、最後の数が総数を指します。しかし子どもによっては、「最後の数=全部の数」という理解ができません。例え数を正確に言えていても、答えだけ間違えてしまうことがあります。
いちごが3個・りんごが3個あった場合、どちらも3個で同じ個数です。しかし子どもによってはりんごの方が大きいので「りんごの方が多い」と考えることがあります。
また、おはじきを同じ数ずつ上下に並べ、下の列のおはじきの間隔を広くしてみると、間隔の広いおはじきの方が多いと考える子どももいます。
物の大きさや密度、形に惑わされることは少なくありません。
個人差はありますが、数字の形を認識するのは2~3歳ごろとされています。同時にこの時期は「イチ、ニ、サン…」と言うこともできてきます。
しかし「数を言える」=「数を安定して認識できる」ではありません。「イチ=1=〇」「ニ=2=○○」といった認識が「サン=2?3?=?」のようにあやふやになっているケースもあります。
順序数
「前から2番目」「上から3段目」「後ろから4人目」などの物の順番を表すときの数字は、「順序数」と言います。では順序数を理解する上でのつまずくポイントを紹介していきます。
例えば「3、7、5」の数字のうち、「2番目に大きな数は5」です。このとき「3、7、5」の数字は大小のきまりに基づいて考え、小さい順に並べた結果2番目になるのが5でした。
2の数字は順序を示していますが、他の数字は大きさを表す数字です。この種類の異なる数字に混乱してしまうことがあります。
順序は、一定の決まりに従って並べられたものです。
一列に並んでいるものであれば、順序を理解するのも分かりやすいかもしれません。しかしこれが「クッキーの中で2番目に大きいもの」などとなると、大きい順や多い順などの考え方が難しかったり、うまく並べられないケースがあります。
順序を数える際は、「一番左から」や「一番上から」数えます。大人にとって「どこから数え始めるか」は当たり前ですが、子どもによっては数え始めの位置が理解できていないこともあります。
一番端にあるものを「1」と数える、など子どもと数える際のルールについて確認する必要があります。
子どもが1列に並んだ状態で「前から3番目の人は立ってください」であれば、前から3番目の子どもだけが立ちます。一方「前から3番目まで立ってください」であれば、前から3人が立ちます。この2つの違いを理解できることは非常に大切ですが、この2つがあやふやなことがあります。
順番と集合の違いは、小さい数でできても数が大きくなると理解できなくなるケースも多いです。様子を見て大きな数字で確認してみましょう。
数の基礎(数唱・数字・数量)
数の概念を獲得するために必要なのが、数の基礎(数唱、数字、数量)です。数の基礎がおたがいに関連して数の概念をつくりあげるので、丁寧に身につけさせてあげましょう。
数唱
数唱は「イチ、ニ、サン…」と言うことです。お風呂で「10まで数えて」など自然と生活の中で触れる機会があるでしょう。しかし、「数唱ができる」=「数が数えられている」ことではありません。単に順番に数字を言えるという状態ですが、数字の概念を獲得する基礎になる部分でありとても重要です。
「数唱できる数」は、次の発達段階を目安にしましょう。
年齢 | 3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 |
数唱できる数 | 1~5 | 1~10 | 2桁まで | ~100まで |
では、子どもは数唱を学ぶ上でどんな点がつまずきやすいのでしょうか。
「イチ、ニ、サン..」と言うと大人は「1、2、3」を思い浮かべます。しかし子どもはもしかしたら「イチニサン」と一塊にして考えているかもしれません。この場合10までの数を順番に言えていても、リズムに乗って歌っているだけで数字の意味を理解していないことがあります。
数唱では、数を飛ばしたり同じ数字を繰り返してしまったりすることもあります。とくにつまずきやすいのは、19→20のように9から0にリセットされるところです。この部分のルールを飲み込めてしまえば、比較的スムーズに数唱ができるようになります。
数字
数字は「1」「2」「3」の文字のことです。カレンダーや絵本、時計など、数字自体の意味を理解していなくても日常のさまざまな場所で目にすることがあります。
それぞれの数字を識別できるようになる年齢は、次の発達段階を目安にしましょう。
年齢 | 3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 |
数字の識別 | 興味を持つ | 1~10 | ~2桁 | ~100 |
では、子どもは数字を識別する上でどんな点がつまずきやすいのでしょうか。
「1=イチ」「2=ニ」「10=ジュウ」と数字と読み方を結びつけることができないケースがあります。10以上の数になると「14=ジュウヨン?ヨンジュウイチ?」と混乱することもあります。
「6と9」「1と7」など子どもにとっては混同しやすい記号です。生活の中の数字や歌に出てくる数字などをきっかけに、それぞれの違いについて認識を深めていけると良いです。
順調に数えているように見えてもときどき数字の順番が変わってしまったり、ひとつの数字への理解が安定しない(5=ゴ?ロク?)こともあります。
まだ数字を「イチニサンシゴロク…」と塊の中で理解していて、個々の数字を完全に独立して理解していないこともあります。「1、2、3、4、5、6」と示す中で「3はどれ?」などときどき確認してみると、つまずいているポイントが分かるかもしれません。
数字を書くことを難しく感じるケースもあります。曲線の多い数字は子どもにとってバランスが難しいです。
また、幼児の場合まだえんぴつそのものの扱いに慣れていません。書くこと自体に慣れていない場合は、まずえんぴつで線を書く練習から始めても良いでしょう。
数量
数量は「1個、2個…」といったものの個数を表す数のことです。「クッキーを3枚食べた」など日常会話の中でも触れやすいところです。
それぞれの数量を把握できるようになる年齢は、次の発達段階を目安にしましょう。
年齢 | 3歳 | 4歳 | 5歳 | 6歳 |
数量の理解 | 3個 | 4個 | 8個 | 10個以上 |
では、子どもは数量の理解をする上でどんな点がつまずきやすいのでしょうか。
数は大小を示す記号です。「1=〇」と「2=〇〇」なら「2の方が多い」ですが、数字を単純な記号として捉えてしまっているとこの大小の感覚が理解できません。
数を数えるようになるためのポイント
数を数えられるようになるには、子どものつまずいているポイントを押さえたアプローチが必要です。下記で紹介するアプローチは「数を数えられるようになるため」にご家庭で手軽に実践しやすいものをまとめています。出来るものはぜひ実践してみましょう。
日常の実体験から数にふれる(おもちゃの数や食べ物の数)
日常生活の中には数字が至る所にあります。
などは、実体験として具体的な数に触れる機会です。
またカレンダーや時計を見ると、文字としての数字に触れられます。これは数字の形を知る機会にもなりますし、数字の順番を目で見て覚える機会にもなります。
知育玩具で遊ばせる
数に関する知育玩具も多くあります。
知育玩具は見て聞くだけでなく、手で触れたり、自分で動かしたりできるのが良いところです。自分でパズルをはめたり、ビーズを動かしたりすることで指先を使う練習にもなります。また、長さや量と対応させて数字を学べたり、同時に色分けや仲間分けの学習になったりと、色々な側面をからめて数の理解を深められるところも嬉しいポイントです。
絵本を読み聞かせる(数の本)
数に関する絵本も多くあります。絵本で繰り返し数字に触れることは、視覚的に「〇〇〇=3」など瞬時に理解することにもつながります。数字にあまり興味がない子どもでも、お話の中で「おたまじゃくしが1匹ずついなくなった」など、ストーリーに絡むことで自然と数字に親しむことができます。
繰り返しの重要性
数の理解は複雑で、抽象的な概念は一度の説明で理解できるものではありません。そのため、子どもが数の概念を正確に理解するまでは時間がかかります。理解できるまでは数唱・数字・数量といった要素を意識しながら、繰り返し伝えましょう。
ICT教材を体験する
教育系のアプリや動画なども数の理解に役立ちます。ICT教材は音声や動画を用いた学習ができるので、子ども自身も楽しんで取り組みやすいです。紙教材と異なり、問題を解いたらすぐに正誤判定ができるので、間違ったままで覚えにくいところもうれしいポイントです。
数を数えられないのは発達障害を疑うべき?
「いつまでも数を数えることができない」と、お子様の特徴から発達障害の可能性を考えることがあるかもしれません。一概にどちらとは言えませんが、覚えておきたいのは「数を数える能力には個人差がある」ということです。
能力を得るまでの過程は、家庭環境や経験に左右されます。お子様がつまずいているところを見つけて支援できれば、案外すんなり数を数えられるようになるかもしれません。子どもの特性に合った方法で、無理をさせず楽しく数を学ぶ場を用意してあげましょう。また数の概念は多角的で、色々な角度からの理解が必要です。それを全て大人のように理解するには長い時間がかかります。「数の学びは長いプロセス」と理解し、長期的な目線でサポートしてあげてください。
とは言え、なかなか数を数えられないと焦ってしまう気持ちも分かります。けれど焦って無理に理解させようとしても、子どもが数を嫌いになってしまい逆効果になる可能性もあります。子どもが自然な形で数に親しめることが最も深い理解につながるので、子どものペースを尊重することが重要です。
上記のポイントを踏まえて、数が数えられない=発達障害と判断するのは早いです。しかし、気になる場合は、下記の場所で相談してみても良いでしょう。
ここまでご紹介したとおり「子どもに数を理解させる」ためには
などが大事だと説明しました。
しかし、家事・育児・仕事などもあるし、それにプラスして色々なことを追加していくのは大変、、、
分かった気がしてもポイントをおさえながら実際にするのは大変そう、、、
などのお悩みをかかえていませんか?
子どもも楽しみながら数を理解させてあげれればなぁ、、、
と。
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幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
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