保健室登校とは?メリットや注意点を把握し、教室復帰が最良の選択かを判断しよう!
何らかの理由によって、教室に登校したり教室で授業を受けたりすることが難しくなったお子様には、勉強を進めるため、学校に行く習慣を無くさないためにも、いくつかの選択肢があります。
例えば、最近よく耳にする「保健室登校」は、無理のない時間に学校に登校し、保健室で過ごすという登校方法です。学校側にとっても家庭側にとっても最も負担が少ない対応策なので、近年保健室登校をするお子様も増えています。
そこで今回は、学校からも提案されやすい対応策のひとつ「保健室登校」について詳しく解説していきます。メリット・注意点はもちろんのこと、お子様のためにできるアプローチなどについてもまとめていきますので、ぜひ最後までご覧ください。
保健室登校とは
公益財団法人 日本学校保健会『保健室利用状況に関する調査報告書 平成28年度調査結果』によれば、保健室登校とは「常時保健室にいるか、特定の授業は出席できても、学校にいる間は主として保健室にいる状態の児童生徒」のことを指すとしています。
つまり、学校に登校した児童生徒が、学校生活の半分以上を保健室で過ごしている場合、“保健室登校をしている”ということになります。
保健室登校をする子どもの割合
保健室登校をしている児童生徒がいる学校の割合は、下記の通りとなっています。
(単位:%)
保健室登校の児童がいる | 保健室登校の児童がいない | |
小学校 | 32.4 | 67.6 |
中学校 | 36.5 | 63.5 |
高校 | 36.8 | 63.2 |
全体 | 34.0 | 66.0 |
また、「保健室登校をしている児童生徒がいる」と答えた学校に調査を行った結果、保健室登校をしている年間の平均人数は、小学生が約2名、中高生が約3名とのこと。つまり、保健室登校をしている児童生徒が1つの学校に複数名いる計算になります。
保健室登校は出席扱いされる?
義務教育期間(小学校〜中学校)の間は、保健室登校をすると出席扱いになります。
しかし、成績評価(通信簿や内申点など)はテストや授業態度などが評価に大きく影響するため、あくまでも保健室登校は“出席扱い”という点のみ評価されるかたちになります。つまり、成績を上げたい場合はテストを受けたり、授業態度を評価されたりする必要があるのです。
そして、高校生の場合は義務教育期間が終了しているため、通学校により対応が異なります。そのため、通学中の学校に出席扱いになるのかどうかを確認する必要があります。また、成績評価(評定平均値)をどのように行うのか、事前に学校に確認するのもおすすめです。
保健室登校の目的
保健室登校の目的は、大きく分けると「一時的に避難する場所」と「不登校から復学にむけて準備する場所」の2つになります。より詳しくお伝えするために、項目ごとに分けて説明していきます。
一時的に避難する場所
保健室登校を選択する理由のひとつに「一時的に避難する場所を確保する」という目的があります。
教室に登校するのが辛くなった際に保健室登校をすることで、心の元気を取り戻せる可能性があります。心が元気になるといつものように教室に登校できるようになる場合があるので、心身への負担が少ない保健室に一時的に登校する手段は理にかなっている対応といえるのです。また、学校に登校することで、欠席するよりもお子様自身も罪悪感を感じにくくなります。生活のリズムも保てるので、教室復帰がしやすい点も大きなメリットといえるでしょう。
不登校から復学にむけて準備する場所
保健室登校を選択する理由には「不登校から復学にむけて準備する場所」という目的もあります。
欠席が続いた場合、通常通り登校して1日中教室で過ごすという取り組みはお子様にとって負担が大きい場合があります。しかし保健室登校を挟むことによって、生活リズムを取り戻したり学校の雰囲気に慣れたりすることができるので、お子様の負担を軽減することができるでしょう。
保健室での過ごし方
保健室登校をした児童生徒は、保健室で下記のような過ごし方をしています。
・養護教諭と話をする
悩み相談はもちろんのこと、何気ない会話を楽しんで心をリフレッシュさせます。
・自習をする
担任からもらったプリントや自宅から持ってきたワークなどに自主的に取り組みます。
・読書をする
図書室から借りた本や自宅から持ってきた本などを読んで穏やかに過ごします。
・勉強を教えてもらう
養護教諭の仕事が落ち着いているときは、勉強を教えてもらえることがあります。
・先生の手伝いをする
保健室から発信するポスターの制作や職員室への配達など、養護教諭のお手伝いをします。
・給食を食べる
養護教諭と一緒に給食を食べます。“保健室で給食を食べる”ことを目標に登校する児童生徒もいます。
上記はあくまで一例です。学校によっては上記以外のことも行ってもらえたり、上記以下の対応になったりすることもあります。どのような取り組みをしているのか気になる場合は、通学中の学校に確認するといいでしょう。
保健室登校以外の選択肢
保健室登校の基礎知識や保健室登校の目的を理解できたところで、不登校に悩むお子様に選択肢として与えることができる「保健室登校」以外の3つの方法もご紹介します。下記の方法も参考にして、お子様により多くの選択肢を提示できるようにしましょう。
別室登校
保健室ではない他の教室に登校する「別室登校」という登校方法があります。保健室は他の児童生徒も利用する場所なので、人目が気になることがあるでしょう。そのため、保健室以外の教室を利用して過ごすという対策をとっている学校も増えています。教室の空き状況や、教師の人数により対応できない学校もあるので、通学中の学校に確認するようにしましょう。
放課後登校
他の児童生徒が下校した後に登校する「放課後登校」という登校方法もあります。放課後に登校し、その日の配布物やプリントを受け取ったり、担任や養護教諭と会話をしたりします。学校によっては15〜30分程度、勉強をみてくれる学校もあるようです。ただ、教諭の多忙化が進んでいるので、あまり時間を設けられない学校も多いのが現状です。放課後登校を希望する場合は、通学中の学校に取り組みの詳細を確認するのがおすすめです。
適応指導教室
学校に行くこと自体が辛いとお悩みのお子様には、教育委員会が運営している施設「適応指導教室」を利用するという選択肢もあります。
適応指導教室は教育委員会が運営しているため、学校同様に出席扱いになります。また、民間の施設であれば「フリースクール」などの利用もおすすめです。ただ、フリースクールの場合は出席扱いにならない施設もあるので、通学中の学校に確認してから利用をスタートさせるようにしましょう。
通信教育
家にいながら学ぶことが出来るデジタル教材も最近では増えています。
不登校には様々な理由がありますが、投稿したくない理由が上記のような理由の場合は、通信教材がおすすめです。人から直接教わることはできませんが、さまざまな算数などの数や図形の問題はデジタル教材が理解しやすいケースもあります。ゲーム感覚で取り組めるアプリなども充実しているため、学習への苦手意識も軽減されやすいでしょう。
保健室登校のメリットと注意点
保健室登校について理解が深まったところで、次に保健室登校のメリットと注意点についてまとめていきます。メリット・注意点どちらも理解ができるとより理想的な対応ができるようになるので、ぜひ下記の内容もしっかりと把握するようにしましょう。
保健室登校のメリット
はじめに、保健室登校のメリットについてご紹介していきます。今回ご紹介するメリットは
の5つです。ではさっそくみていきましょう。
1対1で勉強を教えてもらえる
通常学級での授業とは違い、1対1で勉強を教えてもらうことができます。ただ、養護教諭の手が空いたときのみの対応となる場合がほとんどなので、1日中勉強を教えてもらうことは難しいのが現状です。しかし、1対1の指導は理解がしやすいので、お子様にとって貴重な学習時間になるでしょう。
相談相手という存在が出来る
友人でもなく、家族でもない。そして担任でもない第三者の相手(養護教諭)にいつでも相談ができる環境は、お子様の心の支えになることでしょう。また、養護教諭は成績をつけたりする必要がないので、ひとりの人間として向き合いやすい立場といえるでしょう。そのため会話がしやすく、友人のような存在にもなりやすいといわれています。
孤立することを防ぐ
共働き家庭が増えていることもあり、家で留守番をする不登校児の場合、1日中ひとりで過ごすケースが少なくありません。また、家族との関わりは社会的な関わりとは異なるので、ときに孤独感を感じることもあるでしょう。しかし保健室登校をすることで養護教諭やその他の先生、また廊下などで友人と顔を合わせることができます。そのため、孤立したり、孤独を感じたりする機会を少なくすることができます。
生活習慣を保てる
学校に登校しないと、好きな時間に寝て起きる生活になりやすいといわれています。また、1日の過ごし方もメリハリがなくなり、ゲームだけをして終わってしまうというケースもあるでしょう。しかし保健室登校をすることで起床時間や就寝時間が整いますし、日中も程よい緊張感を感じて過ごすことができます。
学校との接点を持ち続けられる
学校に登校する機会がないと電話上だけでのつながりになり、関係性が希薄になる場合があります。しかし保健室登校をすることで学校と接点を持ち続けられるようになるので、お子様も保護者も学校とのつながりを維持することができます。例えば、学校の様子や季節のイベントを保健室からなんとなく感じるだけでもお子様はつながりを感じることができるでしょう。また、保護者もお子様を通して接点が持てるので、学校に相談などがしやすい環境を保つことができます。
保健室登校の注意点
次に、保健室登校の注意点についてご紹介していきます。今回ご紹介する注意点は
の3つです。ではこちらも、さっそく詳しくみていきましょう。
再登校しづらくなる
保健室登校にはメリットも多いですが、保健室登校に慣れてしまった場合通常学級に復帰するのが難しくなることがあります。教室での生活は「集団行動」や「協調性」など、保健室登校では必要のなかった取り組みがいくつもあるので、保健室登校に「心地よさ」や「楽さ」を感じてしまった場合、復帰が遠のいてしまうことがあるでしょう。
人の目が気になる
保健室は他の児童や生徒も出入りする場所なので、人の目が気になったり、常に緊張感を感じたりすることがあります。そのため、さらに心の負担が増え、疲弊してしまうことがあるでしょう。しかし一方で、「友達の目が気になるからがんばって教室に行こう」と考えるお子様もいるようです。お子様がどちらのタイプなのか、学校とも相談しながら的確に判断するようにしましょう。
成績が下がる可能性がある
担任から渡されたプリントなどに取り組んだとしても、通常学級の学習進度に追いつけない場合があります。そして、学習習得に遅れがある場合教室に復帰ができたとしても、また心が折れてしまうことがあるでしょう。そうならないためにも、ドリルや通信教育、タブレット学習などを利用して、学力が下がらないサポートをすることが大切です。タブレット学習ならばお子様ひとりで楽しく取り組めるようにシステム化されているので、自習教材として保健室に持ち込んでいいか尋ねてみるのもいいでしょう。
保健室登校から教室復帰を目指すために親がすること
教室に登校ができず「保健室登校」などの選択をしたお子様は、今できることに精一杯取り組んでいる“がんばり屋さんのお子様”といえるでしょう。そんなお子様の努力を無駄にしないためにも、親ができるサポートをしっかり行い、教室復帰の手助けをするようにしましょう。
保健室登校をしているお子様にすべきサポートは、大きく分けると6つになります。ではさっそく、保健室登校から教室復帰を目指すために親がすべきサポートをみていきましょう。
コミュニケーションを取ること
保健室登校をしているお子様は、通常学級に通うお子様に比べて人との関わりが少ない傾向があります。だからこそ、保護者の方はお子様と積極的にコミュニケーションを取るようにしましょう。
保健室で過ごす時間や家庭で過ごす時間が楽しいものであれば、お子様の心は少しずつ元気になり、人との関わりをポジティブに考えることができるようになります。そのため、保護者の方はお子様に優しく寄り添い、お子様の不安や悲しみが吹き飛ぶように笑顔で関わるようにするといいでしょう。
自己肯定感を高めてあげること
保健室登校をしているお子様は、辛い思いをしているからそのような状況になったと考えられます。
本来であれば心身を休める必要があるのですが、保健室登校をしているお子様は「みんなと同じことができない」「自分はダメな人間だ」とさらに自分自身を傷つけ悩んでしまうことがあります。そのため、保護者の方はお子様のがんばりをしっかりと評価し、たくさん褒めてあげるようにしましょう。また、ありのままのお子様を受け入れ愛情表現も行い、自己肯定感を高めてあげるように心がけましょう。
保健室登校・不登校の理由を追求しないこと
どのような理由があって教室に登校できなくなったのか、保護者ならば気になるのが当然でしょう。
しかし、理由をお子様に尋ねることで、お子様の心の負担や傷が大きくなってしまうことがあります。お子様が自ら話してくれるまで、いったん理由や原因は考えないようにすることが大切です。お子様の心が元気になったらあまり大きな原因ではなかったということもあるかもしれません。ネガティブなイメージに固着しないためにも、お子様への理由追及は極力控えるようにしましょう。
目標を持たせること
目標を達成すると、心地よい達成感を味わえたり、自己肯定感を向上させたりすることができます。そのため、自信を失っているお子様に対して、達成できる目標を持たせることはとても重要なポイントになります。「会った先生に挨拶をしてみる」や「給食を完食する」など、さほど難易度の高くない、かつ達成感も感じられる目標を親子で一緒に考えるようにしましょう。
目標に沿った計画を立てること
目標をみつけることができたら、目標を達成するための計画を立てるようにしましょう。大きな目標をひとつみつけるよりも、たくさんの目標をみつけてたくさんの計画を立てることが大切です。
計画を達成することで日々が充実するだけでなく、ひとつずつスモールステップでクリアしていけるようになるので、より多くの成功体験を重ねることができます。お子様が目標を達成できるように計画を立て、目標達成の過程や経過もしっかり評価するようにしましょう。
計画通り実行出来たらご褒美を
目標達成の際はもちろんのこと、計画通りにがんばれたらしっかり褒めてあげるようにしましょう。またときにはご褒美をプレゼントし、モチベーションを高めるのもいいでしょう。頻繁に大きなご褒美をあげているとご褒美慣れをしてしまうこともありますが、ときどきならば意欲を引き出す手段として最適です。お子様ががんばるきっかけになることもあるでしょう。
「おやつのアイスをワンランク上の商品にして一緒に食べる」
「週末ピクニックに行く」
など親子一緒に笑顔になれるご褒美をプレゼントするのもおすすめです。
ここまでご紹介したとおり、不登校の場合、
を理解することが大事だとお伝えしました。また、出席日数の問題を解決するためには
などの方法があることもお伝えしました。
しかし、どんな方法を選んでも方法が合わなければ、成績が下がってしまうし、、、
何が子どもの性格に合っているのか見極めるのが難しい、、、
などのお悩みをかかえていませんか?
もっと手軽に、負担なく、子どもの勉強をサポートできる方法があったらなあ、、、
不登校の子どもでも成績UPを手軽に実感。
さらに先取り学習にて自信をつけてあげることもできる。
そんな方法があったら試してみたくはありませんか?
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不登校に悩む子供への対応はひとりひとり異なったアプローチ方法があります。
お子様にとって自信をつけてあげれる対応策をみつけるようにしましょう。