不登校になりやすい家庭環境とは?その原因と効果のある改善策を紹介します

こども家庭庁「令和5年度 我が国におけるこどもをめぐる状況及び政府が講じたこども施策の実施状況」の調査によると、2022年における小・中学校の不登校児童・生徒数は過去最多となっています。ひと昔前に比べて、「不登校」と聞いても珍しいと感じなくなっているのではないでしょうか。1990年前半の不登校の小学生の割合は1%未満でしたが、2022年では1.7%の小学生が学校に通っていないという状況です。

現代において珍しいことではないと思えど、実際に自分の子どもが不登校になると、少なからず焦りや後ろめたさを感じることもあるでしょう。

学校に行かなくなった理由がわからない
ひょっとして家庭環境に原因があるのかもしれない

と考えてみるけれど、どう行動したらよいのかわからず悩んでいるという保護者の方もいるかもしれません。不登校は様々な要因が複雑に絡んでおり、原因の特定は難しいのですが、家庭環境が影響していることも考えられます。今回は不登校になりやすい家庭環境や、効果のある改善策について紹介していきます。お子様の不登校で悩まれている方はぜひ参考にしてみてください。

目次

不登校の原因は「家庭環境」が全体の14%

文部科学省は、不登校の要因を「学校に係るもの」「家庭に係るもの」「本人に係るもの」「その他」に区分しています。不登校であった小学生を対象に、不登校の原因について調査を行ったところ、全体のおよそ14%の子どもが「家庭環境が原因」と答えました(「令和2年度不登校児童生徒の実態調査」より)。年齢が低いほど親と子どもの関わりが密接なので、中学生に比べて小学生の方が、親子関係や家庭環境が良くも悪くも学校生活に大きな影響を及ぼすと考えられています。

子どもが不登校になりやすい家庭環境とは

子どもが不登校になりやすい家庭環境とは

文部科学省の調査では、不登校の要因になりうる家庭環境を、次の3つに分けています。

・家庭を取り巻く環境が落ち着かない
・夫婦関係の不和
・親子関係の悪化

上記の3つの要因について、詳しくみていきましょう。

家庭を取り巻く環境が落ち着かない

両親の別居や離婚、近親者の死亡など、子どもにとって身近な人との別れは大きなストレスになります。また、引越しによって友達に会えなくなってしまったり、新しい学校に馴染めなかったりということもストレスに繋がります。親の転職やリストラなど、大人の不安やストレスが伝わり、間接的に子どものストレスになることも。生活環境が落ち着かないと、ストレスから気分の落ち込みや不登校に繋がる可能性があります。

夫婦関係の不和

親子関係に目立った問題がなくても、不登校に繋がることがあります。親と子どもの関係が良くても、両親や祖父母、兄弟間など、家族内の不和を感じ取った子どもは、家庭が安心できる場所ではないと思い始めるようになります。家族間の不和のストレスから、学校にいくことにも無気力になり、不登校に繋がる可能性も考えられます。

親子関係の悪化

親と子どもの関係は、子どもの気持ちに大きな影響を与えやすいです。普段から子どもとのコミュニケーションに悩む保護者の方は少なくないのではないでしょうか。虐待などの歪んだ関係はもちろんですが、心配なのでつい手を出してしまったり、逆に放っておきすぎていたり、親が先回りしてしまったりという行動が、子どものストレスになったり、自立心の妨げになり、不登校に繋がってしまうことも考えられます。

不登校の原因になりやすい親の特徴

不登校の原因になりやすい親の特徴

必ずしも親の行動が不登校に直結するわけではありませんが、子どもの性格や特性によっては、親の行動が精神的な負担になってしまう恐れもあります。ここでは子どもの不登校の原因になりやすい、注意すべき親の特徴をみていきましょう。

子どもに関心を持たない

子どもに無関心な家庭で育った結果、子どもが無気力になり不登校に繋がる可能性があります。「親が仕事忙しい」「過度な放任主義」などで子どものことを気にかけてあげられない環境は要注意です。ごはんは子どもだけで食べる、学校の行事に親が参加できない、テストで良い点をとったりコンクールで賞をとっても親の反応が薄い、などの経験から孤独感が募り、悩みごとがあっても親に話をしにくいと感じるようになります。話を聞いてもらえなかったり褒めてもらえなかったりという経験が積み重なると、子どもの承認欲求が満たされず、だんだんとやる気が低下して無気力な子どもになる恐れがあります。

コミュニケーションが不足している

親が仕事や家事で忙しく、子どもとコミュニケーションをとる時間が確保できないという方は少なくないでしょう。しかし、極端に家族同士が笑い合ったり、会話したりする時間が少ない家庭だと、子どもは自分の思ったことを表現しにくくなります。親が子どもとの関わりを怠ってしまうと、親との絆や自身の存在価値を十分に感じられず、心の安定を得ることが難しくなり、不登校に繋がる可能性があります。

過保護・過干渉である

過度に子どもをリスクや困難から回避させようとする「過保護」、子どもの希望を聞かずに親の意思を押し付けて選択の自由を奪ってしまう「過干渉」。どちらの場合も親が過剰に手を出してしまったり、口出しをしてしまうことで、子どもが問題に直面した時に自分で解決する能力が育ちにくくなります。学校では、子ども自身で問題を解決しなくてはならない場面が出てきます。問題解決能力が不十分で親がいないと何もできない子どもは、学校生活が嫌になってしまい、不登校の原因になることもあります。

心配性で不安を与えている

心配性は子どもの行動を心配するあまり、失敗しないように親が先回りして行動してしまうことを指します。失敗する道を選ばせたくない、危ないことはさせたくないという気持ちはある種の親心ともいえます。しかし、親が危機回避をして子どもの失敗経験が減ってしまうことで、失敗することに免疫のない、挫折しやすい子どもになってしまうことになりかねません。困難にぶつかったときに過度に失敗を恐れてしまったり、挫折したときに立ち直れなくなり、学校に行くことが嫌になってしまうということもあります。

感情的に怒ったり否定している

失敗や間違いに対して、過度に感情的に怒ったり、否定する親のもとで育つと、子どもは恐怖や不安から萎縮してしまい、自分の意見を言えなくなってしまいます。感情的に怒られ続けることで、子どもは自身の評価を下げてしまい、「自分はダメな人間なんだ」と感じるようになってしまう危険も。その結果他者とのコミュニケーションにも積極的になることができなくなり、学校でも自分の意見を言えなかったり、友達との関係作りが難しいと思うようになり、不登校に繋がる可能性があります。

過度なプレッシャーをかけている

親が子どもに対して行き過ぎた期待やプレッシャーをかけていると、子どものストレスや不安に繋がることがあります。親の期待が大きすぎると、思うような成績が出せなかったとき、

親の期待に応えられなかった
怒られてしまう

とストレスを抱えてしまい、自己肯定感が下がってしまうことも。親の過度な期待やプレッシャーは、子どもの心の負担や不登校に繋がる可能性があります。

教育熱心である

子どもの教育に力を入れる親は珍しくありませんが、教育熱心もやりすぎには注意が必要です。勉強の目標を高く設定したり、厳しく管理したりといった親の行動も、子どもにとっては自己肯定感を低下させる原因になりかねません。また、「勉強ができたら褒める」「テストの点が悪いと怒る」という対応をしていると、子どもは親からの評価に依存してしまうだけでなく、親の期待に応えないといけないというプレッシャーからストレスを感じてしまいます。こうした環境から、学校での評価にも過敏になり、失敗を必要以上に失敗を怖がるようになるのです。

家庭環境を改善させるために親ができること

家庭環境を改善させるために親ができること

安心して過ごせるように家庭環境を整え、子どものストレスや無気力感を和らげることで、状況がよくなる可能性は十分にあります。ここでは家庭環境を改善させるための子どもとの接し方や、親ができることを紹介します。

適切なコミュニケーションをとる

子どもに無関心な家庭環境も、過干渉や過保護な家庭環境も不登校の原因になる可能性があります。子どもの話に興味や共感をもって耳を傾けてあげてください。子どもから話したがらないときは無理強いせず、笑顔で声をかけていくとよいですよ。親が自分の味方でいてくれるとわかれば安心し、子どもから「話してみようかな」という気持ちになってきます。また、子どもを指示通りに動かす声かけや、先回りする行動は避けてください。適度に責任を与え、自分で考えて行動する機会を与えてみましょう。親と子ども、適切な距離感を保つことが大切です。

子どもの気持ちに寄り添う

子どもの話に耳を傾け、共感や理解を示してあげましょう。子どもの話を聞き流したり、頭ごなしに否定したりすると、子どもはどうせ話したって聞いてもらえないと感じて話をしてくれなくなることもあります。子どもの気持ちに寄り添い、真剣に向き合ってあげる姿勢をみせることで、子どもの心の安定につながり、親子の信頼関係がより良いものとなります。

子どものストレスを気に掛ける

他者の目から見て些細に感じることでも、子どもは想像以上に悩んでいたり、ストレスを感じていたりすることがあります。不登校はそういったストレスなどの影響で「心のエネルギー」が低下している状態と言えます。普段の生活の中で子どもの様子を注意深く観察し、子どもの話に耳を傾ける姿勢が大切です。普段から子どもの様子を気にかけていると、心のエネルギーが低下し始めていることに早く気づくことができます。子どもの様子が心配な時や、違和感を感じたときには医療機関の受診や専門機関への相談も検討してください。

安心できる環境を作る

家庭が安心できる場所になるように環境を整えます。子どもがストレスを感じないように、関係の悪い家族がいるようならばしっかりと話し合いを行い改善するなどして、意識して雰囲気をよくするようにしましょう。親の不安やストレスが、間接的に子どものストレスになることもあります。悩みごとを専門機関に相談して緩和したり、親が外出や趣味を楽しんでストレスを発散することも大切です。

自己肯定感を高めてあげる

子どもに成功体験を積んでもらうことで自己肯定感を高めることも大切です。自己肯定感とは「ありのままの自分でいいんだ」と認めてあげる感覚のことです。自己肯定感が高まると、物事を前向きに考えられるようになり、問題にぶつかったときに挫折しにくくなります。何かに取り組んで成功し、達成感を味わうことで、また挑戦しようという気持ちが芽生えてきます。普段の生活の中で、努力したことや出来たことを褒めてあげましょう。褒められることで、親への信頼感も高まることでしょう。

子どもの自主性を尊重する

日々生活する中で、壁にぶつかることは数多くあります。自ら考えて行動し、問題解決に向けてチャレンジする力をつけていく必要があります。親が心配する気持ちから、つい子どもに手を貸したくなりますが、子どもが挑戦する機会を奪ってしまうことになりかねません。子どもが助けを求めるまでは、手を出したくなる気持ちをぐっと我慢して見守ってあげましょう。子どもが自分で考えて行動する機会を大切にしましょう。

学習意欲を高めてあげる

皆さんが子どもの頃に、勉強する意味が分からなかったり、勉強が面白くないと考えたことはありませんか。特に小学生くらいの子どもは、こうした気持ちが学習の遅れや無気力感につながり、学校に行きたくないという気持ちになってしまうことも。こうした場合、親が子どもの学習意欲を引き出してあげる手伝いをしてあげるとよいでしょう。学校の勉強にとらわれることなく、映画鑑賞や自然観察など、子どもの好奇心や関心のあることに耳を傾け、一緒に学ぶ場を作ることが大切です。親が一緒に楽しむことで、子どもの好奇心が刺激され、もっと学びたいという気持ちを持つようになります。学ぶ楽しさを感じることができれば、学校や勉強にも関心を持つようになるでしょう。

子どもの将来の選択肢を増やすために

お子様の気持ちが少し落ち着いたら、学校に行かなくてもいいけど将来のことを考えて勉強を進めてもいいかもしれません。勉強がお子様の心を癒すきっかけになることもよくあります。

また、進路のことも考えて家で学習するなら、「出席扱いされる」という条件は必須ですよね。フリースクールや不登校特例校などはもちろん、通信教材の中にも「家から出ずに出席を認める」教材があります。

すべてのICT教材が「出席したと認められる」わけではありません。「不登校を出席扱いにする制度」の条件を満たすICT教材を選ぶ必要があります。

「天神」は​文科省が定める「不登校を出席扱いにする制度」の条件を満たしています

天神は不登校児の学習実績や発達障害のある子の学習支援が評価され、日本e-Learning大賞(グランプリ)を受賞しました。「天神」小学生版は「教科書準拠(お子様が通う学校でお使いの教科書通りの問題)」設定で学びやすく、問題・ヒント・解説の音声読み上げ機能をご用意していますので、文章を読むことが苦手で、勉強がはかどらなかったお子様の強い味方になります。また、類題を豊富に取り揃えていますので、反復学習する事で身につけた学力をしっかり定着させることのできる教育ツールです。

もし「気になる」と思われましたら、お気軽に資料をご請求ください。早く始められるほどコスパよくご利用いただけます。

通信教材「天神」の特徴

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25年間、常に最新の学習指導要領に対応!常に最新の学習指導要領に対応しています。「天神」は全国の小学校の教科書に準拠しているため、お使いの教科書の内容と同じように進めていくことができます。また、教科書の範囲を超えた、応用・発展・入試対策問題も多く収録されています。

スモールステップで丁寧に、順番に、少しずつ。

動画型授業(レクチャー)でザックリ学習、ポイントで要点をおさえ、問題を解く。少しずつ、着実に学習が進められます。また、動画型授業(レクチャー)では、テキスト表示しながら音声を読み上げてくれ、巻き戻しもできますので、お子様は自分が理解できるまで誰にも気兼ねすることなく学習できます。

類題が豊富で反復学習に強い!

一度だけの学習は「勉強したことがある」だけで不十分。何度も反復して「定着」させることが重要です。類題も含めほぼすべての問題で丁寧なヒント・解説付き。塾などの先生にも驚かれるクオリティです。

「不登校を出席扱いにする制度」の条件を満たしたICT教材の導入をご検討の親御さま、ぜひ、天神のご利用をご検討ください。

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