不登校の子どもの居場所・参加できるコミュニティとは。居場所づくりが大切な理由と、選ぶ基準を紹介
不登校になると、1日のほとんどを自宅で過ごすことが多いのではないでしょうか。そのため、自宅以外にも居場所を作り、お子様の幸福度を上げたいと考える保護者の方も多いようです。
そこで今回は、不登校になった子どもの居場所、そして参加できるコミュニティについて紹介していきます。居場所づくりが大切な理由はもちろん、選ぶ基準についても詳しく解説していきます。不登校に悩む親子に役立つ情報をまとめていますので、ぜひ本記事を“居場所づくり”の参考にしてください。
不登校になった子どもの居場所づくりが大切な理由
まずはじめに、“不登校になったお子様に居場所が必要な理由”を解説します。居場所づくりが必要な理由を把握することは、お子様にとって大切な、重要な要素に気づくきっかけになるでしょう。ここでは、特に大切な4つの理由をご紹介します。
社会とのつながりを作ることができる
子ども期の主な居場所は、家や学校、地域や習い事になります。しかし、学校に登校できなくなると家にいる時間が長くなるので、社会とのつながりが薄れてしまう場合がほとんどです。
社会とのつながりや家以外の居場所づくりは、お子様の自信の向上や、アイデンティティの確立に必要な大切な要素になります。そのため、家で心地よく過ごせているとしても、家以外の居場所づくりが不可欠なのです。
また、お子様の居場所が家のみになると、保護者のみで責任や不安に対応する必要が出てくるかもしれません。そうすると、家族全員が疲弊してしまうなど、悪循環に陥る可能性が高くなります。社会とのつながりを作ることは、お子様にとっても保護者にとっても大きなメリットといえるでしょう。
人と話すことで気持ちが楽になる
家族はお子様の辛さや悩みを理解する、大切な存在です。しかし、お子様を思うあまり、心配しすぎたりいいすぎてしまったりすることがあるでしょう。
しかし、第三者と関われる居場所を作ることで、お子様と素直に共感し合える存在と出会える場合があります。
例えば、お子様の「辛い」という思いに、「辛いよね。自分もだよ。」と共感できる友人と出会えれば心はきっと軽くなるでしょう。また、不登校の専門家達の助言やサポートも、お子様にとっての安心材料や勇気になるでしょう。
このように、理想的なコミュニケーションは、気持ちを楽にする貴重な機会になります。新たな居場所づくりは、この観点から見ても非常に重要な役割を担うのです。
学力を維持することができる
学校に登校しなくなると、勉強時間を確保するのが難しくなります。また、学習習慣が崩れてしまい、学力が低下してしまうこともあるでしょう。
しかし、“勉強”を意識する時間があることで、学習習慣を維持しやすくなります。また、不登校の専門機関は学習指導も併せて行うケースがほとんどなので、学力を維持するのにも最適です。
ただ、不登校の専門機関は子どもの心の負担にならない関わりを重視しています。そのため、基礎基本レベルの学習など、学習の土台部分だけの指導となることも多いようです。必要であれば、お子様に合った学習をプラスするのがおすすめです。
不登校を解決できる
不登校になった子どもの居場所づくりの最も大きなメリットになる要素は、不登校を解決できる可能性が高まることです。
というのも、専門機関には不登校の専門家がいるため、プロの意見を聞く機会が自然と多くなります。また、子ども自身も、出会いやサポートを通して成功体験を多く重ねていけるようになるので、自信や元気を取り戻しやすく、学校復帰を実現できる可能性が高くなるのです。
ただ、学校復帰を意識しすぎないように注意しましょう。学校復帰は、喜べる体験や成功体験を重ねることで自然とできるようになるものです。復帰ができたら嬉しいという心構え程度にしておくことが大切です。
不登校の子どもが通う居場所・コミュニティとは
不登校の子どもにとって居場所づくりが大切な理由を理解できたところで、次に、不登校の子どもが通う居場所・コミュニティを具体的に紹介していきます。お子様に合う居場所が見つけやすいように、12種類の居場所をご紹介します。どの居場所がお子様に合いそうかイメージしながら、それぞれの居場所を確認していきましょう。
家
不登校の子どもにとって要となる居場所は、やはり家になります。不登校になった際は、心身の休養が最も重要になるからです。お子様が「安心する」「心地いい」と思えるような、あたたかい雰囲気で過ごせる環境になるように整えることが大切です。
学習塾
学校で学ぶべき勉強に取り組む居場所になるのが、学習塾です。心身が元気になり学校復帰ができたとしても、学力が追いついていないと、再び学校に行きたくなくなることがあります。そのため、不登校の場合でも最低限の学力は維持しておくことが大切です。
不登校のお子様の中には、普段は通信教育などで基礎的な学習に取り組み、ブラッシュアップは学習塾で行うなどして、高成績を維持している子もいるようです。無理をする必要はありませんが、ご家庭に合った学習計画を立て、学校復帰に備えるようにしましょう。
フリースクール
民間が運営元の不登校専門機関といえば、フリースクールといえるでしょう。公的な機関とは異なり、民間の機関は団体ごとの特徴・メリットを前面に押し出せるのがメリットです。そのため、よりお子様が喜ぶ空間(居場所)を提供できるケースが多くなります。
ただ、きめ細かなサービスを重視するフリースクールの場合は料金が割高になるといったデメリットもあります。ご家庭の予算と合わせて、最適なフリースクールを選択することが大切です。
学校(保健室・図書室など)
不登校の専門機関はお子様にとってメリットが多いですが、送迎や保護者の都合を考慮すると、やはり学校に登校させるほうが保護者の負担は軽減できるでしょう。そのため、保護者の予定が調整できない場合などは、保健室登校や図書室登校を選択するご家庭も多いようです。
また、学校に通うことで、学校との関わりを維持しつづけることができるようになります。もしもお子様が学校登校に否定的でない場合は、保健室登校や図書室登校など、学校のサポートを活用するのもいいでしょう。
教育相談所
教育相談所は、教育委員会が自治体などに設置している機関のひとつです。教育に関わる全ての相談に対応する機関なので、不登校の悩みはもちろん、子育てに関わる悩みにも対応することができます。
教育相談所ならば、多様なアドバイス・サポートが受けられるので、保護者の悩みや負担も軽減できる可能性が高くなります。必要であれば、カウンセリングなどを受けることも可能です。
児童相談所
児童相談所とは、児童福祉法に基づいて設置されている行政の機関のことです。児童相談所は、児童に関わる全ての相談に対応できる機関です。そのため、不登校の相談はもちろん、親子間の悩みや子育ての悩みなど、幅広い相談に対応できます。
例えば、お子様の不登校によって、家庭内がギクシャクしているといった悩みがある場合は児童相談所がおすすめです。どこに相談するか悩んだときは、まずは児童相談所に相談してみるのもいいでしょう。
教育支援センター(適応指導教室)
教育支援センター(適応指導教室)とは、教育委員会が設置する公的な機関です。学習指導や心のケア、そして、集団での生活に再び適応できるように必要なサポートを行うのがこの機関の特徴です。また、教育支援センター(適応指導教室)は市町村が設置している機関なので、教室数が多いというメリットもあります。
ただ、義務教育期間(小学生・中学生)のみを対象としている市町村も多いので、サポートを受けたいお子様が対象となっているかどうかを事前に確認する必要があります。
引きこもり地域支援センター
引きこもり地域支援センターは、厚生労働省が設置している相談機関のひとつです。不登校に限らず、引きこもりにかかわる全ての相談に対応する機関なので、引きこもりがちになっているお子様に悩む保護者は、この機関を活用するといいでしょう。
また、引きこもり地域支援センターは電話相談にも対応しています。匿名相談も可能なので、名前などを公表せずに気軽に相談したいご家庭などは、こちらのサポート機関を利用するといいでしょう。
不登校特例校
不登校特例校とは、不登校の子どもに合わせて学習カリキュラムを作成し、サポートする学校です。登校頻度や登校時間を子どもに合わせたり、無学年式学習法を採用したり、通常の学校に比べ自由度が高い点が不登校特例校の最大の特徴といえるでしょう。
また、不登校特例校は通常の学校と同様の扱いなので、出席扱いになるのも嬉しいポイントです。そして卒業時には、公的な卒業証書も受け取れるので、お子様の達成感や充実度を高めるのにも最適です。ただ、不登校特例校はまだまだ学校数が少ない点がデメリットになります。首都圏ではない地域に住むご家族は、不登校特例校を選択肢に加えることができない場合があるでしょう。
通信制の学校
単位制やスクーリング制で勉強を学ぶ通信制の学校も、不登校児の居場所づくりとして最適です。
通学制の学校に比べて通信制の学校は登校頻度が少ないため、お子様の負担を軽減することができます。また、無理なく学びつづけられるように工夫されている学校がほとんどなので、学力の維持や学習習慣の定着を目的とするご家庭にも有効な選択肢といえるでしょう。
習い事、サークル、地域のコミュニティ
学校と聞くと勉強をする場所と考える方も多いかもしれませんが、学校は人との関わりを学ぶ場所でもあります。そのため、人との関わりを学ぶための場所として、習い事やサークル、地域のコミュニティを利用するのもおすすめです。
実際に、学校には行けないけれどスポーツ少年団には通いつづけているといったお子様も多いようです。このような人とのつながりが学校復帰のきっかけとなるケースもあるので、学習面だけを重視するのではなく、人とのつながりも意識するといいでしょう。
オンラインのコミュニティ
SNSやオンラインゲーム、そしてインターネット上など、現代にはさまざまなコミュニティが存在します。そのため、必要であれば適切なオンラインコミュニティで、人とのつながりを体験するのもおすすめです。
ただ、オンライン上での関りには注意点や危険点も多く発生します。そのため、あまり深入りしすぎないことや、保護者の前で取り組ませるなど、お子様に合ったルールを設定することが大切です。時間を制限したり、日々の生活の息抜きや楽しみ程度にとどめたりするなど、生活の中心にならないように注意しましょう。
不登校の子どもの居場所は何を優先して選ぶべきか
不登校になった子どもの居場所や参加できるコミュニティを把握できたところで、次に、居場所の選び方について解説していきます。
子育てシーンでは大人の経験をもとに選択をすることが多いですが、不登校になった子どもにとって優先すべき事項は、主に下記の5つです。ぜひ、下記のポイントを考慮して、お子様にとって最適な居場所づくりをするようにしましょう。
子どもが納得している場所
保護者が満足する居場所だとしても、お子様が納得していない場合は最適な居場所ではないおそれがあります。そのため、お子様が納得している居場所であるかどうか、意識することが大切です。
例えば、“どこの機関に行ってみたいか”や“今行っている場所では心地よく過ごせるか”など、お子様に尋ねてみるといいでしょう。居場所を見つける際はもちろん、居場所ができてからも、定期的に確認するのがおすすめです。
安心して過ごせる場所
心地よく過ごせる場所は、子どもにとって安心できる居場所になります。具体的には、信頼関係が築かれていたり、ありのままの自分を受け入れてもらえたりする場所です。
「のびのび過ごせる」「無理をしないでも認めてもらえる」という感情は、子どもにとって「自分はここにいていいんだ!」と思えるきっかけになります。まずは、“家(家庭)”が安心して過ごせる場所になるように心がけるようにしましょう。
自己肯定感が育つ環境
不登校の子どもは自己肯定感が低下していることが多く、「自分は素晴らしい」「自分はかけがえのない存在」と考えることが難しい場合がほとんどです。そのため、自己肯定感が再び育める場所であることが非常に大切です。
辛さを受け入れてもらい、努力を認めてもらえた子どもは、また勇気がわいてくることでしょう。そのうえで、たっぷり褒めたり、自信を持たせたりすることが大切です。お子様のいいところや努力をしっかり評価できる場所であるか、確認するようにしましょう。
自分の意思が尊重される環境
自分の意思が尊重されない場所は「自分を大切に扱ってくれていないんじゃないか」とお子様が不安になる場合があるので、注意が必要です。
私達大人も自分の意見に耳を傾けてもらえないと、”自分は尊重されていないのではないか”と感じますよね?この思いは子どもであっても同様なのです。そのため、お子様の思いが尊重される場所であることが非常に大切です。
しかし、意思の尊重とわがままの受け入れは大きく異なります。他者と折り合いをつけながら互いを尊重し合うことで、理想的な他社との関われるようになるからです。保護者は、お子様の一番の理解者であるとともに、その点を客観的に判断することも大切です。
人に気を使う必要がない環境
人に気を遣ったり、優しさを分け与えたりするのは、自分の心が満たされているときだけで十分です。というのも、自分の心が満たされていないのに他者を気遣っていると、心がどんどん疲れてしまうからです。
そのため、不登校になり心の元気が不足している状態の子どもにとって、気を遣う環境は不適切といえます。まずは心のエネルギーが満タンになるような、お子様が愛されたり気遣ってもらえたりする環境が必要なのです。
居場所を見つけるために保護者がするべきこと
最後に、不登校のお子様にとって有益な居場所を見つけるために、保護者がすべき4つのフォローをご紹介します。下記のポイントをおろそかにしてしまうと、せっかく居場所づくりをしても、お子様の心身が回復しない恐れがあります。ぜひ、下記のポイントも意識するようにしましょう。
子どもと話して居場所を決める
不登校の子どもの居場所づくりは、当事者(子ども)の意見があってはじめて選択できるものです。自分で探し、自分が選択し、自分で選択した機関に通うという責任のある行動は、子どもの主体性を育むうえでも大切なことです。
また、保護者のみで居場所づくりをすると、口コミや一般的な評価を参考に選んでしまうケースが多くなります。しかし、お子様と共に居場所づくりをすれば、お子様本人が「ここなら通いたい」と感じられる“本当の居場所”がみつかりやすくなります。
居場所は一つじゃないことを教える
大人に比べて、子どもは属する社会(集団)が狭く少ない傾向があります。具体的には、家族や学校、多くても習い事といったところでしょうか。そのため、現在の学校のみが子どもにとっての世界(居場所)となることも少なくありません。
しかし、居場所は無限に増やすことができます。また、10の居場所があれば10の特徴があります。ですから、保護者は新たな居場所は心地よい安心できる楽しい居場所になるかもしれないと、常にポジティブに伝えていくことが大切です。
過度なプレッシャーを与えない
不登校になった子どもは、心も身体も疲れていることがほとんどでしょう。しかしそれでも、心身がいくらか回復すれば、新たな居場所に通うことができるようになるかもしれません。
ただ、そこで保護者が「今度こそしっかり通ってほしい」「休まないでほしい」「成績も上げてほしい」といったように理想を高く設定してしまうと、お子様は再びプレッシャーを感じ、心身が疲弊してしまうおそれがあります。
お子様が生まれたときは、元気に笑顔で過ごしてくれさえすればいいと願ったのではないでしょうか。不登校期は子育ての初心を思い出し、お子様のありのままを受け入れられるよう心がけましょう。
復学することを目標としない
不登校にネガティブなイメージがあると、通常の学校に通常通りに通ってほしいと感じることもあるでしょう。しかし、お子様が笑顔で過ごせていれば、それでいいのではないでしょうか。
進級の際や進学の際に、復学したいかどうか尋ねる程度なら構いませんが、保護者が復学を意識しすぎると子どもは“親の願い”に気づき、負担に感じてしまうことがあります。
「自分は今の居場所が好きだけど、お母さんは嫌なのかな?自分は期待に応えられていないのかな?」といったように、再びお子様がネガティブな感情でいっぱいになったら本末転倒です。
復学は“時が来たら”そして“お子様が願うならば来るもの”と理解しておくといいでしょう。
子どもの将来の選択肢を増やすために
お子様の気持ちが少し落ち着いたら、学校に行かなくてもいいけど将来のことを考えて勉強を進めてもいいかもしれません。勉強がお子様の心を癒すきっかけになることもよくあります。
また、進路のことも考えて家で学習するなら、「出席扱いされる」という条件は必須ですよね。フリースクールや不登校特例校などはもちろん、通信教材の中にも「家から出ずに出席を認める」教材があります。
すべてのICT教材が「出席したと認められる」わけではありません。「不登校を出席扱いにする制度」の条件を満たすICT教材を選ぶ必要があります。
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