幼児のための「図形模写」練習法!運筆力を向上させて小学校受験に自信をつけよう
「図形模写」は、お子様が苦手意識を持ちやすく、難易度も高い分野であるにもかかわらず、小学校受験でよく登場するという特徴があります。今回は、小学校受験における「図形模写」に関する問題と、その対策について解説していきます。ぜひ、最後までご覧ください。
図形模写とは
マスの中に示されたお手本を見ながら、横(または下など)の解答欄に、お手本と同じ大きさ・形の図を描いていくものです。小学校受験でも頻出の分野の一つです。
「図形模写」の問題例と解説
一般に「図形模写」と呼ばれるため、正方形やひし形などの図形が出題されるとイメージしがちですが、実際のお受験では、線の複雑な組み合わせや、生き物や家のような図柄が出題されることもあります。
【図①】
【図②】
【図③】
(ここでは、上の【図②】や【図③】のような、名前のついた図形ではないものも含めて、以降、「図形」と呼ぶことにします。)
図形模写で小学校は何を見ているのか
「図形模写」の問題を通して、小学校はお子様の次のような力を見ようとしています。
詳しく見ていきましょう。
注意力・観察力
お手本に示された図形の全体や細部を注意深く観察する力のことです。
空間認識力
お手本を見たとき、
- 「それぞれの線が、マスの中のどこから始まっているのか。」
- 「それぞれの線はどの方向へ引かれていて、どれだけの長さなのか。」
- 「図形全体ではどれくらいの大きさなのか。」
- 「それぞれの線はどのような位置関係になっているのか。」
ということをお子様自身がしっかりと掴む力のことです。
運筆力
鉛筆などを動かして、描こうとするものを思いのままに描くことができる力のことです。ここでは、空間認識力を通して掴んだ内容を解答欄に正確に反映する力を指します。
図形模写が子どもにとって難しいポイント
お受験の「図形模写」に登場する図形は、大人であれば比較的容易に描けるものも多いため、「子どもでも割と簡単に描けるようになるのでは?」と思われるかもしれません。
ところが「図形模写」は、お子様にとって大変難しい分野の一つです。それは次のような理由があるためです。
点図形(点つなぎ)と違い、ガイドがない
「図形模写」に取り組む前には、多くの場合、「点図形」の分野に取り組まれることと思います。
【図④】
そして、「図形模写」と「点図形」との大きな違いは、何よりもまず「ガイドとなる点があるかないか」、ということです。
「点図形」にはガイドの点がありますので、お子様はこの点を手掛かりにして、
- 「(解答欄の中の)どの点から描き始めるのか。」
- 「それぞれの線は、どの点に向かって引けばいいのか。」
ということが分かります。
しかし、「図形模写」では、「線をどこから描き始めるのか」ということや、「それぞれの線をどの方向に、どれだけの長さ引くのか」ということをお子様自身で決定しなければなりません。そのため、「図形模写」はお子様にとって難しい分野となります。
形の特徴を描くことが難しい
例えば、シンプルな形の長方形や正方形でも、お子様にとっては正確に描くことが難しいですが、三角形やひし形、六角形になると、難易度がさらに上がります。というのは、三角形などは斜めの線を含むという特徴を持っているからです。
お子様が、縦、横の線に加えて斜めの線を上手く引くことができるようになるには、繰り返し練習することが必要ですので、このことも、お子様が「図形模写」を難しいと感じるポイントとなります。
図形模写が上達するためのポイント
「図形模写」が上手くできるようになるには、次の点に意識して取り組みましょう。
形の特徴を掴む
例えば、ひし形を描くとき、大人であれば「向かい合う辺が平行で、四つすべての辺の長さが同じになるように四角を描けばいい」というように、特徴を考えながら描くと、描きやすくなります。
お受験の準備の際には、お子様がこのような特徴を言葉で覚えておく必要はありません。ただ、図形ごとの特徴を感覚的に掴んでおくと、きれいな図形を描くことに役立ちます。ひし形なら、「四角の仲間で、それぞれの線は同じ長さで、反対にある線はだいたい同じ向き」というくらいで構いません。
そのため、普段の生活の中で、実際にその形をしたものに触れ、お子様に特徴を掴んでもらえるようにしましょう。
図形の例
ひし形 | トランプのダイヤのマーク、杏仁豆腐やひしもちなど |
五角形 | サッカーボールの模様(黒色の部分)など |
六角形 | サッカーボールの模様(白色の部分)、ハチの巣穴など |
平行四辺形 | カッターの刃、段ボールを斜めにつぶした形など |
実際に触れることができれば一番良いですが、本や図鑑などで見ることでも効果があります。また、このことにより、お子様の空間認識力が高まります。
描き順を決める
描き順を決めると描きやすくなる上に、お子様の運筆力も向上します。
- 縦の線:「上から下に引く。」
- 横の線:「(右利きの場合)左から右に引く。」
また、特定の図形については次のようなルールを決めます。
①頂点から左下に斜め線を引く。
②頂点に戻り、今度は右下に線を引く。
③最後に下の線を引く。
下から時計回りに線を引く。
ルールを決めることで、お子様は図形を描き始めるポイントを見つけやすくなります。
また、ルールが身に付くと、漢字を正しい書き順で書くと整った字が書きやすいのと同じように、整った形の図形を描くことができるようになります。
最後まで描ききる
「図形模写」に取り組む際、線が上手く引けなかったり、図形がバランス良く描けなかったりすると、そのことがお子様にも視覚的に分かってきます。すると、どうしても意欲が下がってしまい、途中で「図形模写」をあきらめてしまうことがあります。
ただ、お子様にとっては、線をしっかりと引くこと自体がそもそも難易度の高いことです。そこで、上手く引けない線については、何回もチャレンジし、最終的に全体を描ききるよう、保護者様に導いていただきたいと思います。最後まで描ききる習慣を身に付けることで、お子様の「あきらめない気持ち」や「持久力」・「忍耐力」も伸びていきます。
なお、「図形模写」に一日に何十分も取り組むと、お子様が飽きてしまったり、苦手意識を持ってしまったりする場合があります。そこで、一日に取り組む時間は10分くらいまでを目途にするのが良いでしょう。
運筆力を向上させる遊び
運筆力は、「図形模写」にとって欠かせない力です。そこで、運筆力を上げるために、普段の生活の中でもできる遊びをご紹介します。
お絵描き(なぞり描き)
お子様にとって、楽しみながら運筆力を上げることができるものとして、お絵描きは大変有効です。たくさんお絵描きをすることで、お子様は鉛筆の正しい持ち方に早く慣れ、筆圧の入れ方も分かるようになっていきます。
もし、お子様がお絵描きをあまり好きではない場合は、好きなキャラクターの絵の上に半透明の紙を置いてなぞったり、なぞり描き用の市販の練習帳に取り組んだりしても良いでしょう。
迷路
迷路も、お子様の運筆力を上げることにとても役立ちます。
その際は、ゴールに無事たどり着くことに加えて、保護者様から「途中の壁のどこにもぶつからないようにしてみようよ!」などとお声掛けいただくと、運筆力が上がるうえに、お子様にもさらに集中して取り組んでいただけると思います。
点図形と図形模写
最後に、「点図形」と「図形模写」との関係についてご説明します。「点図形」はガイドとなる点があるので、それらが無い「図形模写」の方が、より難易度が高いというお話をしました。
ただ、「点図形」は「図形模写」と非常に強く結びついており、「点図形」が得意になれば、「図形模写」も早く得意になりやすい傾向にあります。
また、「点図形」が得意なお子様は、「図形模写」にも意欲的に取り組んでくれるようになります。
そこで、「点図形」を通して、空間認識力を鍛え、お手本通りに描くということに慣れておくことがとても重要です。
小学校が「図形模写」を通して見ようとしているお子様の力も、まずは「点図形」でしっかりと土台を固めておくようにしましょう。
まとめ
お受験における「図形模写」の問題がどのようなものかということと、取り組む際に意識する点についてご紹介しました。「図形模写」では、お子様がお手本を細部まで観察し、それを正確に再現していく必要があります。そのため、根気強く、何度も繰り返し練習することが大切です。
上手くいかないときには、お子様が少々大変に感じるかもしれません。しかしその分、高いレベルで多くの力が身に付きますので、ぜひ、習得を目指して取り組んでいただきたい分野です。
「図形模写」の練習のコツはわかったけれど、実際に取り組むのは大変そう・・・と感じられた方へ
「図形模写」をご家庭で練習する際には、
・形の特徴を掴む(「空間認識力」を身に付ける)
・描き順を決める(「運筆力」を向上させる)
・最後まで描ききる(「あきらめない気持ち」などを身に付ける)
といった点が大切だとご紹介しました。
また、「図形模写」の土台を固めるために、「点図形」にもしっかり取り組む必要があることもご紹介しました。
とはいえ、いずれについても、お子様には時間を掛けて、じっくりと取り組んでいただく必要があるため、家事、育児、仕事などをしながらだとなかなか難しいかもしれません。
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なお、今回解説した「図形模写」の土台となる「点図形」の問題は190問収録しています。
まずは「点図形」にしっかり取り組んでいただき、その後、「点図形」に登場する問題を白紙に描くことに挑戦いただくと、「図形模写」の練習になります。
その際は、まずはお子様が取り組みやすいものから始めていただくことをオススメします。
収録問題数 190問
なんと収録問題数は190問!たくさんの問題に触れられるので「点図形」の問題に慣れることができます。
スモールステップで問題を解く力を養う
「天神」幼児版タブレットに収録されている「点図形」は、①~⑤まで難易度が設定されています。最初は線や記号を書く易しい問題から始まり、最後はお受験レベルの難しい問題まで出題されます。解説したように、簡単な問題から徐々に難易度を上げていくことが上達のコツですので、「天神」を使えば、自然とスモールステップでの学習をすることができ、着実に問題を解く力を養うことができます。
「点図形(点つなぎ)」に必要な力を養うコンテンツも充実
「天神」には運筆力の向上を図るコンテンツも搭載しています。例えば、「めいろ」の問題に取り組むことで、楽しみながら運筆力の向上を図ることができます。ぜひ、これらのコンテンツも同時にご活用ください。
「点図形」に登場する図形は大変複雑なものもありますが、それらを一つずつクリアして、しっかり再現できるようになると、「図形模写」のお受験対策となります。ぜひ、「天神」幼児タブレット版のご利用をご検討ください。
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