【小学校受験】「指示行動」を得意にするために「聞き取り」のスキルを身につけよう
小学校受験では、「指示行動」という課題が出題されることがあります。一般的なペーパーテストとはやや異なる形式で行われるテストのため、名前だけでは、何を目的にしたどんな試験なのかイメージしにくいとお思いの方もいらっしゃるかと思います。
「指示行動」は、小学校に入学してからの生活にも大きく関わる分野です。この課題を重視している小学校も少なくありません。今回は、この「指示行動」で問われる能力や、家庭でもできる対策方法について、詳しく解説していきます。
小学校受験における課題「指示行動」とは?
まず、「指示行動」とはどのような問題なのか簡単に説明します。様々な形式がありますが、共通しているのは、試験官からある指示が出され、子どもは試験官の指示通りに言われたことをこなす問題であるということです。この「指示行動」の問題を通して、お子様のどのような能力を見ようとしているのでしょうか。
「指示行動」で小学校側が見るポイント
「指示行動」では、試験官の指示をきちんと聞けているか、そしてその指示に従って行動できるかが重点的に評価されます。また、課された指示について自分でしっかり考えることができるか、意欲的に取り組んでいるかといった部分もチェックされます。
これは、小学校に入ってから、学校生活を送る上で非常に重要な能力だといえます。
たとえば、授業中は先生の話をよく聞くことが求められます。仮に授業の内容をすでに理解していて、話を聞かなくても問題が解けるような場合でもです。また、遠足などで学校の外に出た時、立ち入ってはいけない場所や危険な場所についての先生の言いつけをきちんと理解して、それに従って行動するのも、円滑な活動を進めるうえで大事なことです。
学習やさまざまな活動を円滑に進める環境を整えるために、学校は、先生の話を聞いて行動する能力が備わっている子どもを欲しがっています。学校の中で集団として行動できるかどうか、「指示をよく聞いて、その指示に従って行動する」という能力を通して見られているということです。
「指示行動」の課題の取り組み方
では、「指示行動」の試験では、どのような課題が出されるのでしょうか。ここからは、具体的な例を通してその内容を説明していきます。
先生の指示を聞き、取り組む
まず課題の形式について説明します。これは、「先生の指示を聞き、取り組む」ものが一般的です。
この場合、先生がいくつかのルールや、とってほしい行動について説明します。多くの場合、この指示は一度しか行われませんから、しっかり集中してお話を聞く必要があります。「このお話は、一度できちんと聞かなければならない」ということを子どもがきちんと理解するのは簡単なことではありません。普段から一度でしっかりとお話を聞くという習慣をつけておくことが推奨されます。
画面に表示された指示を見て取り組む
また、「画面に表示された指示を見て取り組む」という形のものもあります。テレビに映された指示を見たり聞いたりして、その指示の通りに行動したり、折り紙などの制作物を作ったりするというものです。こちらについても、先生の話を直接聞くわけではありませんが、テレビの画面とそこから流れる指示にしっかりと集中する必要があります。
「指示行動」で出題される課題例
指示が出される形式についてご紹介しました。続いて、どのような指示が出されるのかについてご紹介します。
典型的なものには、最初にいくつかのルールが提示され、そのルールに従って体を動かすことが求められるものがあります。たとえば以下のような課題です。
生徒それぞれが新聞紙の上に立ち、先生とじゃんけんをして負けた人は足元の新聞紙を半分に折ります。じゃんけんを続けて、乗れなくなったら新聞を指示された場所に置きます。そしてまだ乗るスペースがある参加者に声をかけて、一緒に乗せてもらいます。
このようなルールが説明されて、それに従ってゲームを進行するというものです。
ゲームのような形式のもの以外にも、試験官の指示に従って、折り紙などの制作物を作ることが求められるものなどもあります。ここでは、高い運動能力や、美しい作品を作る器用さが大事というわけではありません。もちろん運動能力や器用さも合わせて評価されますが、それよりも「指示をきちんと聞いて、従っているか」が大事です。
ここまで、学校側が何を求めているのか、そしてその力を測るために、「指示行動」の試験でどのような課題が出されるのかについて解説しました。
では、これらの試験で良い成績を残すには、どのような能力を鍛えればよいのでしょうか。
「指示行動」で重要な「聞く力」
ここで重視してほしいのが、「聞く力」です。
というのも、これまで見てきたように、仮に高い運動能力や美しい作品を作る器用さがあったとしても、指示を正しく聞くことができなければ、指示通りの行動がとれず、良い成績につながらないからです。そのため、この「聞く力」を普段から意識して育てることは「指示行動」の問題において最も重要なことの一つだといえるでしょう。
聞き取りが苦手な子どもの、聞く力を伸ばす方法
しかし、「指示行動」に「聞く力」が大事なことは分かったけれど、お子様の様子について「指示を聞いてもすぐに忘れてしまう」「一回で指示を聞き取ることがなかなかできない」といった悩みを持つ保護者様もいらっしゃるかと思います。
この「聞く力」を育むためにご家庭でも取り組める対策を、いくつかご紹介いたします。
日常生活の会話の中に、指示を取り入れる
「聞く力」は、出題パターンを覚えれば一朝一夕に身につけられるという類のものではありません。普段の生活の中で、「指示を聞く」ことを習慣づけておくことが望ましいです。 例えば、ご飯を食べる前に、「ご飯を食べ終わったら、お皿をキッチンまで持ってきてね。」というような指示を先に伝えておきます。そして、食べ終わった時に、「何をしてと言っていたかな?」と促すようにしてみましょう。
また、行動を指示するようなものだけでなく、外に出かけているときに、「あっちにある階段の上に見える看板は、どんな色かな?」などと声をかけるのも、よい練習になります。こういった話にきちんと返事をするためには、話を聞こうという姿勢が大事になりますので、コミュニケーションを通じて「聞く」ことを練習することができます。
まずはこの「話を聞こうという姿勢」をとるのが当たり前になることを目標としましょう。
親からの指示で行動が出来たときは褒める
先ほど、日常生活の中に「指示」を加えることで、普段から話を聞こうとする姿勢を育むという方法をお伝えしました。さらに、お子様が指示をうまく受け取って、指示通りの行動をとることができたときには、わかりやすく褒めてあげましょう。
お手伝いに近い形になることもありますから、「頼んだ通りにできているね! 助かったよ!」などと褒めるようにすると、「話を聞いてうまくコミュニケーションを取れたことが嬉しい」「次からもよく聞こう」という動機になります。
目をつむらせて指示を聞かせる
お子様によっては、普段から視覚に頼って生活していることが、耳から入って来る情報にあまり注意を向けられない原因になっているという場合もあります。
言葉を聞き取るよりも、絵や図をもとにして物事をとらえるのが得意なお子様の場合は、指示を聞き取る練習をするときには目をつむったりアイマスクを付けたりして練習するといった工夫がおすすめできます。
視覚が封じられることで、耳からの情報に注意を向けなければならなくなるので、「聞く力」を重点的に育てることができます。
指示をわかりやすく伝える
「あっちにある階段の上に見える看板は、どんな色かな?」という長くつながった文をいきなり聞かされても、すぐには理解できないという場合もあるかと思います。そんなとき、「あっちに階段があるね」「階段の上に看板が見えているね」「見えている看板は、どんな色かな?」と、複数の文に分けて声かけをしてみましょう。
内容を区切って伝えるようにすると、お子様にとって理解しやすい形になりますので、お子様がまだ複雑な内容を聞き取ることに慣れていない間の練習におすすめです。
どんどん長い文や複雑な指示を聞かせたくなるかもしれませんが、お子様が「自分にはこれはできないんだ」といった苦手意識やプレッシャーを感じてしまうのは望ましくありませんから、焦らず、お子様の反応を見て判断するようにしましょう。
指示を出すスピードに注意する
お子様が指示をうまく聞き取れていない場面が目立つ場合、指示を与えるときのスピードを工夫することで改善することもあります。
大人にとって自然なスピードですらすらと話しすぎてしまうと、どの部分が大事なのか考えながら頭の中で整理していくスピードよりも速く話が流れて行ってしまい、お子様を置いてけぼりにしてしまう可能性があります。 保育園・幼稚園の先生の話し方や、子ども向け番組のナレーションのスピードを参考にしたり、指示の中でも注意してほしいところを強調して読んだりといった工夫をすると、聞き取る練習の手助けになります。
遊びを取り入れる
また、遊びを取り入れるのもよい方法です。楽しいと感じているときには頭が活発に働くようになりますし、つまらないと思いながら練習したことよりも楽しみながら練習したことの方が身につきやすいものです。 簡単な遊びとして、「旗揚げゲーム」がおすすめです。これは、「赤上げて、白下げて」などといったかけ声に合わせて、両手に持っている赤と白の旗を上げ下げするというゲームです。聞いたことがあるという人や、やったことがあるという人もいらっしゃるのではないでしょうか。
このゲームは、耳で聞いた情報を即座に理解して、体の運動につなげる必要がありますから、「聞く力」を育むのに適しています。
問題の理解度は「聞く力」が土台にあってこそ
これまでに見てきたように、「指示行動」の問題を理解するためには、「聞く力」が必要です。しかし、「聞く力」が求められるのは 「指示行動」の課題だけではありません。
小学校受験の問題は、基本的に読み上げられた指示に従って解いていくことになります。そのため、語彙力や思考力、運動能力や手先を器用に動かす力が高かったとしても、「聞く力」が備わっていないと、せっかくの高い能力がうまく発揮できません。
しっかりと問題を理解するためにも、まずは「聞く力」をつけること、そのために「聞こうとする姿勢」を身につけることが肝心です。
まとめ
ここまで、小学校受験で問われる「指示行動」の問題の出題形式や問われる能力、そしてご家庭でできる対策方法についてご紹介いたしました。
この課題は、決して簡単な課題ではありません。集中して、聞いて、理解して、実行するという、高度な能力が要求されます。ペーパーテストは得意だけれど「指示行動」の課題は苦手といったお子様も珍しくありませんから、この分野を得意にできれば大きな武器となります。
もちろん受験で好成績を残すことだけにとどまらず、しっかりと話を聞き、指示の内容を正しく理解してスムーズに実行するという能力は様々な場面で役に立つはずです。
普段からのコミュニケーションに「しっかり聞くべき話」の場面を作り、「聞く力」を育みましょう。
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「聞く力」を育てるために天神ができること
プロのナレーターによる問題の読み上げを聞いて問題に挑戦する形式になっていますので、ご家庭で指示行動を意識した「しっかり聞く」ことの練習にも役立ちます。
「読み聞かせ」コンテンツも充実
家では母親や父親の聴きなれた声で練習を重ねることが出来ますが、試験で指示を出すのは母親や父親ではありません。第三者の声をしっかり聴きとるためにもさまざまな声、指示内容を聞き取る練習が必要です。「天神」には「読み聞かせ」のコンテンツを40作品以上収録!こちらもプロのナレーターが、やさしく読み聞かせてくれるので、指示行動の練習にもピッタリです。
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