小学校受験で出題される四方図(四方観察)を理解するための効果的な方法と空間認識能力を鍛える遊び
小学校受験に「四方図」や「四方観察」といわれる問題があります。苦手に感じてしまう子どもも多く、事前の対策が必要な問題です。
今回は、そんな四方図の問題例や、効果的な練習方法をご紹介していきます。
「四方図」問題とは
「四方図」や「四方観察」は、どのような問題でしょうか。
「四方」といっても、4つの方向から何かを見るというわけではありません。ある立体の図と、それを見る方向を提示されて、「こちらから見るとどのように見えるか」ということを問う問題です。実際の図を使って、もう少し詳しくみていきましょう。
「四方図」の問題例と解説
問題①
立方体の積み木が積まれた図形を矢印の方から見たとき、積み木はどのように見えるかを選ぶ問題です。
この問題の場合、矢印の方から見て左の列は、手前が2段で、その奥に3段が続いているため、左列は「3段」に見えます。矢印の方から見て中央の列は、手前の2段によって奥に続く1段が隠れるため、中央の列は「2段」に見えます。右列は「1段」に見えるため、答えは選択肢の中の1番右のものになります。
このように、各列の最も高い段数にのみ注目することで、解くことができます。
問題②
こちらも、矢印の方からどのように見えるかを答える問題です。 三角柱の積み木がある問題では、斜線の向きや、奥に見える形についても考えなければいけません。
この問題の場合は、矢印の方から見ると、正方形が3つ見えます。このとき、右上の三角柱の積み木も正方形に見えることに注意しなければいけません。また、左下については手前に三角柱があるため、右上から左下に向かう斜め線が見えます。したがって、答えは選択肢の中の1番左のものになります。
「四方図」の問題を解くためのポイント
こちらの問題を見て、なかなか難しそうだとお思いの方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際、子どもが四方図の問題を解くのは、容易なことではありません。紙に描かれた図から立体を頭の中に浮かべ、さらに角度を変えたときの見え方を想像する必要があり、なかなか難しいものです。
この、頭の中で立体や空間について考える力を「空間認識能力」ということがあります。空間認識能力は、持って生まれてくる特別な能力だというイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、空間認識能力は、練習を重ねることで鍛えられます。
子どもも同様です。意識的に練習することで、空間認識能力を高めることができます。ここからは、四方図を解くための力、すなわち空間認識能力をどのように高めていくと良いか、ご紹介していきます。
身の回りの立体を観察する
ペーパーの問題を解く前に、まずは立体をよく見るようにしましょう。身近にある物を、あらゆる方向から観察してみてください。
空き缶は、上から見ると円、横から見ると長方形に見えます。サンドウィッチは見る角度によって、三角形にも長方形にも見えます。同じ物でも、見る角度によって見え方が違うということに気付くことが、四方図の力を伸ばすための第一歩です。
積み木を積み上げて観察する
次は、積み木を自由に積み上げて、観察してみましょう。見る角度によって全体の輪郭が変わるということだけでなく、どこに置いた積み木が見えているのか、あるいはどこに置いた積み木が見えていないのか、ということにも注目してみてください。
市販の積み木には、一定の形の積み木がセットになっているものや、色々な色や形がセットになっているものなどがありますが、どのような種類でも構いません。あるいは、ブロックやお菓子の空箱などを使っていただいても良いでしょう。
スマートフォンなどを使って撮影して確認する
十分に身の回りの物や積み木を観察したあとは、写真に撮って確認してみましょう。目の前に立体物として存在していた空き缶や積み木などの物体を、平面的に見ることになります。立体と平面の見え方の違いを感じつつ、お子様に「これ、上から見たらどんな形だったっけ?」と、問いかけてみてください。写真を見ながら、違う角度からの見え方を想像させることで、実際の問題を解くのと近い状況をつくることができます。
問題集に取り組む
最後に、必ず問題を解く練習をするようにしましょう。 身の回りの物は、子どもも立体で見たことがあり、別の角度から見た姿もイメージしやすいものです。
しかし、問題で出てくるのはシンプルな線で描かれた図です。その図から、立体を想像しなければいけません。また、上でご紹介した問題例の図は、面によって影の色が異なっていましたが、全ての面が真っ白に描かれる場合もあります。 色を手掛かりにすることができなくなるので、頭の中でイメージするのがさらに難しくなります。
まずは簡単な問題からで構いません。線で描かれた図を解く練習を通して、小学校受験に向けた力をつけていきましょう。
「四方図」の問題を理解するために必要な空間認識能力を鍛える遊び
さて、ここまで四方図の問題を解く力を段階的に身につける方法を解説してきました。このほかにも空間認識能力を鍛える方法は色々あります。
ここからは、空間認識能力を鍛えることができる遊びについて、いくつかご紹介します。
ジグソーパズル
立体の回転をイメージする前の段階として、平面の回転をイメージすることも、四方図の問題を解く練習になります。ジグソーパズルを完成させるためには、ピースの形や絵を頼りに、ピースを回転させながら当てはまる場所を探すことになります。この作業が、四方図を解くのに必要な「角度を変えて物を見る力」を育みます。また、お子様が好きなキャラクターのものを用意することで、楽しく力をつけていくことができますので、おすすめの遊びといえます。
折り紙
折り紙は、子どもの頭の中で、平面と立体を繋ぐ役割を果たしてくれます。
自分の手で平面から立体をつくりあげることは、細かく指を動かす練習にもなります。また、折り方のお手本を見る場合は、動画を見たり、保護者の方がやって見せたりするだけでなく、図を頼りに、本だけを見て折り紙を折ることにも挑戦してみてください。平面に描かれた絵から実際に立体をつくりあげていくことで、より平面と立体が繋がりやすくなります。
絵を描く
絵を描くということも、空間認識能力を鍛えるのに役立ちます。
その際、四方図の問題で出てくるような積み木の絵ばかりを描く必要はありません。まずは家族や動物など、お子様の描きたいものから始めてみましょう。また、四方図の問題とかけ離れていると思われるかもしれませんが、風景を描いてみるのも良いでしょう。 風景の絵を描くときは、「遠くに山が見える」「近くの道を人が歩いている」のように位置関係や奥行きなど、空間を意識することになります。大まかな位置関係を意識することができれば、細かな遠近法などにこだわらなくても構いません。
対象をよく観察しながら楽しく絵を描くことが、空間認識能力の向上に繋がります。
まとめ
四方図の問題の内容や解き方、四方図を解くのに必要な力、空間認識能力を鍛える方法についてご紹介してきました。
四方図を解く力は、ご紹介したような方法でないと伸びないわけではありません。様々な要因で力は伸びていきます。普段の生活の中でも、平面と立体の繋がりを考えるようにしたり、見る角度を変えてみたりするなど、少し意識的に観察してみることが、空間認識の練習になります。
四方図を難しいと感じる子どもは少なくありません。しかし、そういう問題ほど、できたときの達成感も大きいものです。スモールステップで、楽しみながら学習してみてください。
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