子どもの自尊心を育てるために親がするべき実践的な子育てとは?
大切なわが子には、自信をもって、のびのびと生きてほしいものですよね。また、自分を愛し、自分を大切にして生きてもらうことも保護者にとって当然の願いなのではないでしょうか。
しかし、理想的なお子様の心理を保つには非認知能力の一つである “自尊心の働き”が重要になるので、子どもに対して親がすべきアプローチ方法を事前に理解しておくことが鉄則です。今回は、自尊心に関わる説明や、お子様の自尊心を高めるための保護者の関り・控えたい関りなどについて詳しくまとめていきます。ぜひ最後までご覧ください。
自尊心・自尊感情とは
自尊心とは、「自分に関する総合的な評価」のことです。そのため、自尊心が低い場合は、自分のことを肯定的に受け入れられなくなります。また、「この部分は受け入れられるけれど、この部分は受け入れられない」といった場合も、自尊心が高い状態とはいいがたいといえるでしょう。
また、自尊感情とは「自分に対する肯定的な感情」のことです。自尊心は、自分のどんな部分も含めた“総合的な評価”を指しますが、自尊感情は“自分のいい面のみの評価”を指し、自信や優越感などといった感覚と深い関わりがあるものです。
自尊心が低い子どもの特徴
自尊心や自尊感情の概念を理解したところで、自尊心が低い子どもにはどのような特徴があるのか説明していきます。今回説明する特徴は下記の5つです。
- 物事をネガティブに考えがちである
- コミュニケーションが得意ではない
- 新しいことにチャレンジしない
- 常に人の目を気にしている
- 怒られると自分を責め、落ち込む
自尊心が低い場合、お子様の可能性を狭めててしまう可能性があります。項目ごとに詳しく説明していきますので、特徴をしっかりと把握しましょう。
物事をネガティブに考えがちである
物事をネガティブに考える癖がある場合、自分のいい面でさえ肯定的にとらえられなくなることがあります。そうすると、物事に挑戦する勇気が失われ、成功体験が減ってしまう悪循環に陥ることがあるでしょう。お子様が何かに挑戦するときや、お子様が失敗してしまったときは、保護者もポジティブな発言をするように心がけるといいでしょう。
コミュニケーションが得意ではない
自尊心が低い場合、コミュニケーションを図るシーンでも自信がわかないことがあります。「自分の発言は正しいかな?」「自分の発言は迷惑にならないかな?」など、発言前からネガティブになっているため、結果的にコミュニケーションが苦手になってしまう傾向にあります。
コミュニケーション・スキルに関する諸因子を階層構造に統合することを試みた結果、自己統制(感情のコントロール)・表現力(言動で表現する力)・解読力(相手の言動から真意を読み取る力)・自己主張(自分の主張)・他者受容(相手の言動を受け入れる)・関係調整(関係を良好にする)の6カテゴリーが得られた。
コミュニケーション・スキルに関する諸因子の階層構造への統合の試み 藤本 学、大坊 郁夫
これらのスキルを磨くためには経験を重ねることが大切ですが、自尊心が低い場合“経験をする勇気・自信”が低下しているので、悪循環を招いてしまうことになるでしょう。
新しいことにチャレンジしない
前述した内容からも読み取れるように、自尊心が低いお子様は新しいことにチャレンジする勇気・意欲が低下している傾向にあります。その背景には、「成功よりも失敗する可能性が高い」と考える思考癖や、「失敗すると嫌だ」といった恐怖に似た感情が隠されています。
一方、自尊心が高いお子様の場合は、「成功の可能性」を信じ、「失敗は成功のもと」とポジティブに考えられるので、新たな挑戦にも臆することがありません。
常に人の目を気にしている
自尊心が低いお子様は、自分をありのままに受け入れ、肯定することが苦手です。そのため、「自分は嫌われないかな?」「自分が行う言動は否定されないかな?」など、常に他者の目を気にするようになります。
また、自分を肯定できないお子様は、他者の評価に重きを置く傾向も。そのため、自分がしたいことではなく、他者の評価が得られることを選択しやすくなるので、心が満たされにくくなるでしょう。
怒られると自分を責め、落ち込む
自尊心が低いお子様は、怒られると必要以上に自分を責め、過度に落ち込んでしまうことがあります。自尊心が高いお子様の場合は、「ここがダメだったけれど、次はこうしよう!」や「次は成功させよう!」など、ポジティブに考えることができます。
成長するうえで“反省・後悔”は必要な感情ですが、過度の反省や後悔は可能性を狭めてしまう場合があるでしょう。お子様を注意した後は、まずは保護者がポジティブな考えに切り替えるための声掛け・関わりを心がけてくださいね。
子どもの自尊心が低い原因
自尊心が低い状態が理想的でないことがわかったところで、子どもの自尊心が低い原因について説明していきます。今回ご紹介する自尊心が低下する原因は、下記の5つです。
- 否定されることが多かった
- 褒め・認められることが少なかった
- 自分自身で選択することが少なかった
- 親に甘える環境が無かった
- 親とコミュニケーションが取れなかった
上記の原因は、心がけ次第で改善することができます。自尊心が低下する原因を理解して、日々の子育ての参考にしてくださいね。ではさっそく、みていきましょう!
否定されることが多かった
精一杯考えて発した言葉を否定されたり、一生懸命取り組んだ物事を認められなかったりすると、お子様の自尊心がみるみる低くなります。
大人と比べると、お子様の知識や経験は非常に未熟です。しかし、その時点で備わっている知識・経験を活かして言動を選択している“お子様の努力”を認めることが大切になります。
褒め・認められることが少なかった
意見や努力を認められず、褒められもしなかったお子様は、自尊心が低くなることがあるでしょう。意見を否定され続けていると、「自分の意見には価値がない=自分は価値がない」といったように、ネガティブな感情が生まれやすくなります。
また、挑戦すること自体が素晴らしいにも関わらず、結果にばかりこだわり、努力を認めないでいると、お子様はいずれ挑戦に怯えるようになるでしょう。
自分自身で選択することが少なかった
子どもに比べると、大人は知識・経験が豊富なので、失敗を回避する能力にたけています。そのため、保護者がなんでも決めてしまい、保護者の選択・判断をお子様に押し付けてしまうことがあるでしょう。時と場合によっては、保護者が主導権を握ることも必要不可欠です。しかし、お子様の選択や判断、意思なども尊重するようにしましょう。
親に甘える環境が無かった
幼いころに親に甘える機会がなかった子どもは、甘えるため・愛させるために“いい子”“役に立つ子”になるように心がける傾向にあります。
他者が求める いい子 でいると、自分の意思ではない選択を選んでしまったり、無理をしてしまったりするので、いずれ不満や我慢が爆発してしまうことがあるでしょう。また、他者評価を軸とした考え方になるので、自尊心も育ちにくくなるといったデメリットも生じます。
親とコミュニケーションが取れなかった
文部科学省の『教育基本法 第十一条』に「幼児期の教育は、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なもの」と明記されていますが、お子様が小さいころは家庭で過ごす時間が大半を占めています。
そのため、保護者の関わりが重要になると考察できます。保護者が日々お子様の存在を肯定していれば、お子様も愛されている実感がわき自尊心が育ちやすくなりますが、否定的な場合は自尊心の育ちが困難になるでしょう。
子どもの自尊心を高めるために親ができること
今回の記事を通して、お子様の自尊心を高めたいと感じた保護者様が多いのではないでしょうか。そこで、お子様の自尊心を高めるために保護者の皆様ができる心がけを6つご紹介します。
- 子どもの感情を受け止めて、認めること
- 大きな期待をかけないこと
- 人と比べないこと
- 「早く」と急かさないこと
- 失敗を叱らずに肯定すること
- 上記項目を継続すること
上記の取り組みは、今すぐにはじめられるものばかりです。下記の詳細を参考にしながら、自尊心が高まる取り組みを実践しましょう!
子どもの感情を受け止めて、認めること
日頃から、お子様の感情を受け止め、認めるように心がけましょう。
失敗をしたり、悲しい出来事に直面したりすると、失敗経験が少ない子どもは大人以上に傷つき怯えることがあるでしょう。しかし、そのようなシーンで感情を否定されてしまうと、不安感が消えないだけでなく、自分の感情は間違っていると自分を否定してしまう恐れがあります。
保護者は、どんな場面でもお子様の感情を受けとめ、認めてあげるといいでしょう。そして、お子様が落ち着いてから、指示やアドバイスをするのが理想的です。
大きな期待をかけないこと
お子様の可能性を信じたり、お子様の努力を応援したりすることは決して悪いことではありません。しかし、これらの想いが強くなりすぎると、過剰な期待となって、お子様を苦しめてしまうことがあります。
また、期待が大きすぎると、お子様がクリアしなければいけない課題も結果的に大きなものになります。そのため、課題がクリアできず、残念な思いをする確率が高くなるでしょう。
せっかくの愛情でお子様を傷つけてしまわないためにも、期待は“ほどほど”にするようにしてくださいね。
人と比べないこと
お子様の言動や努力、そして結果や評価を人と比べないようにしましょう。
お子様のやる気を向上させるために、「〇〇くんは△△もできるんだって」などといって、お子様のお手本・目標になる人物と比較してしまうことがあるのではないでしょうか。
このような言葉による誘導はやる気を向上させる場合もありますが、「自分は劣っている」と自分の評価をさげるきっかけにもなります。誰かと比べるのではなく、お子様のありのままを評価するようにしましょう。
「早く」と急かさないこと
核家族化が進んでいる現代。時間に追われている保護者の皆様も多いのではないでしょうか。
しかし、「早く寝ないといけない」「早くごはんを食べてもらいたい」など、お子様をせかしてばかりいると、お子様のペースを否定していることになるので、結果として「自分のペースを無視されている」とお子様が感じてしまうことも。時間にゆとりがあるときはせかすのをやめたり、「たっぷり寝ると元気になれるからそろそろ寝ようね」と優しい声掛けにしたりするように心がけるといいでしょう。
失敗を叱らずに肯定すること
「成功したら子どもも嬉しかっただろうな」「成功して喜んでほしかったな」といった保護者の愛情や悲しみが、失敗を責める言動になる場合があります。しかし、失敗をしたときに叱られたり責められたりすると、お子様の自尊心はひどく傷つくでしょう。
お子様が失敗してしまったときは、「次は成功するといいね」「成功するにはどうしたらいいかな」などポジティブな声掛けを意識し、悲しみに寄り添う姿勢を心がけるようにしましょう。
上記項目を継続すること
子どもの自尊心を高めるために親ができる5つのポイントを紹介してきましたが、これらの取り組みは継続してこそ効果を発揮します。というのも、保護者の対応がポジティブ・ネガティブに揺れる場合、お子様はどちらの感覚で物事をとらえるのが正解なのかわからなくなることがあるでしょう。
そのため、保護者は日頃からポジティブな言動を継続する必要があるといえるのです。
保護者もがポジティブでいられない日もあるかもしれませんが、ポジティブに接する時間が増えるように心がけるだけでも、お子様のためになるでしょう。
まとめ
今回の記事では、「お子様の自尊心に関わる説明」や「お子様の自尊心を育てるために親がすべきこと」について紹介してきました。自尊心は、お子様が今後生きていくうえでとても大切になるものです。自尊心が高ければ、お子様の可能性も大きく広がるので、ぜひお子様の自尊心が高まる過ごし方を日々に取り入れてみましょう。
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「天神」が大切にしているのも、自尊心や自己肯定感をはじめとした非認知能力を育成することです。
幼児の知育タブレット教材では、そのための仕組みをご用意しています。
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- 豊かな感性を育てる仕組み
- 子どもの主体性を尊重した仕組み
- 親子で一緒に学習できる仕組み
- 目標達成力を高める仕組み
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など、非認知能力を高めるための仕組みを取り入れています。
「天神」は、主体的に取り組み、達成し満足感を得て「できる!」という自己肯定感を育むことができます。そして、その繰り返しによって学習習慣を身に付けながら、就学時(小学校入学時)までに必要な能力を獲得していきます。こうした学習サイクル・学習習慣を身に付けていれば、その後の人生におけるあらゆる「学習」の機会で、新しい知識や考え方・技術などを身に付けやすくなります。
「天神」幼児版は、約10,000の問題を収録し、お子様の学習状況に応じてカリキュラムを自動調整しながら反復学習を促します。また、お子様自ら自由に学習内容を選んで学ぶこともできます。実質的に数万問の問題に楽しく触れることで、就学時までに必要な能力、学習習慣や学習サイクルを身に付けます。お子さんの自尊心や主体性を伸ばしたいと考える親御さまは、下記より無料の資料請求、体験してください。