【子どもとの外遊びが苦手な親向け】幼児期の外遊びの重要性と外遊びの楽しみ方
公園で子どもと外遊びをする親子をよく目にしますよね。もうすぐ出産を控えているお母さんの中には、
「子どもが生まれたら、外遊びさせた方がいいのかな」
「外に出るのは苦手なんだけど公園へ連れていくべき?」
と悩む人も少なくありません。今回は、外遊びに対して何かしらのネガティブな感情を抱いているお母さんのために、外遊びの大切さと、外遊びの悩み・解決策をまとめました。外遊びに悩めるお母さんの一助になりますように。
子どもの外遊び・自然体験が減っている理由
上田女子短期大学の発表した「幼児期における外遊びの経験が学童期の活動性に及ぼす影響」によると、子どもの外遊びや自然に触れ合う時間が減っている理由としては、都市化や少子化が進んだことで、社会環境や私たちの生活スタイルが大きく変わったからと言われています。このことが遊ぶ場所や遊ぶ仲間、遊ぶ時間を減少させました。
また、子どもが被害者になる事故や事件が連日のように報道されているのを見た保護者が心配し、屋内遊びを増やしたことも理由の一つだと言えます。事故や事件を恐れて外遊びの機会を減らすのではなく、交通事故に遭わないように交通ルールをしっかりと教える、犯罪を未然に防ぐために防犯ブザーや防犯の心得を教えるといった準備を行うことで、安全に楽しく外遊びができます。
子どもを外で遊ばせることで得られる効果
子どもを外で遊ばせることで嬉しい効果はたくさんあります。まず、子どもの発育・発達における様々なバランスよく養うことができます。また、健康な体や心、脳の発達には、創造力、前に踏み出す力、最後までやりぬく力、意欲といった生きる力も育むことができます。一概に外遊びといっても、このようにさまざまな効果をもたらしてくれるのです。ここでは「身体の発達について」「心の発達について」「健康について」に分け、より細かく紹介していきます。
身体の発達について | ①基礎体力・運動能力が向上する |
心の発達について | ②自己肯定感が高まる ③社会性が身につく ④積極性が育まれる ⑤想像力や創造力が発達する ⑥コミュニケーション能力が発達する ⓻学習能力が向上する |
健康について | ⑧近視の発症予防になる ⑨骨の発育が向上する ⑩自律神経機能が発達する |
①基礎体力・運動能力が向上する
幼児期は脳や神経機能が急成長するため、習慣的に外遊びや運動を生活に取り入れることで、生涯必要となる多くの運動の基礎となる動きを獲得することができます。幼児期に外遊びなど運動する習慣を身につけると、生涯、健康的で活動的な生活を送れる可能性が高く、肥満や痩身が防げて、生活習慣病の予防にもなります。下記の表は幼児期に獲得しておきたい基本的な動き(表1)と、年齢とともにさまざまな動きができるようになり、またそれらの動きを上手にこなせるようになったこと(体の巧緻性)で得られる能力についてまとめたものです。
体のバランスをとる動き | 立つ、座る、寝転ぶ、起きる、回る、転がる、渡る、ぶら下がるなど |
体を移動する動き | 歩く、走る、はねる、跳ぶ、登る、下りる、這う、よける、滑るなど |
用具などを操作する動き | 持つ運ぶ、投げる、捕る、転がす、蹴る、積む、漕ぐ、掘る、押す、引くなど |
筋力 | 筋肉が収縮することで生まれる能力 |
瞬発力 | 瞬間的に動く筋肉の力。瞬間的に出る手足にバネ |
持久力 | 全身運動を長時間継続して行う体力や粘り強さのこと |
協応性 | 体の動作に伴うたくさんの神経や筋肉群を同時に、2つ以上使うことができる機能 |
平衡性 | 不安定な場所や高いところなどで体のバランスを保つ能力 |
敏捷性 | 体の向きを急に変えたり、刺激や変化に素早く反応する能力 |
巧緻性 | 体を器用に動かすことができる能力。目的に合わせて正しく、速やかに動かす能力 |
柔軟性 | 筋肉と腱が伸びる能力。 |
②自己肯定感が高まる
上田女子短期大学が2021年に発表した論文(※)によると、
「自然体験が豊富な青少年ほど自己肯定感が高い傾向にあり、~略~ 幼児期に外で遊んだ経験が多い子どもほど、自己肯定感の中でも身体的な活動性に対する肯定感が高くなる傾向が明らかになった」
幼児期における外遊びの経験が学童期の活動性に及ぼす影響 – 上田女子短期大学 (著者/酒井真由子、西朋子、山口美和)-
と述べています。反対に、平日にテレビゲームや携帯ゲームをする子どもは、運動などの活動に対して苦手意識を持っていること、学校生活への意欲や人との関わりに対する積極性も低い傾向があります。このことから、外で遊ぶということは体を動かすことをはじめ、子どもにさまざまな経験をさせる重要な活動であることが分かります。
③社会性が身につく
外遊びを通して、異年齢の子や学校、保育園、幼稚園が違う子など、さまざまな子どもと出会い、関わり、そして一緒に遊びます。子どもは子どもなりにコミュニケーションをとるようになり、しだいに社会性が身についていきます。
④積極性が育まれる
外での遊びは室内遊びとは異なり自由度が高いので、
と、子ども自身が考えて行動する場面が多く登場します。そのため、子どもの積極性がより育まれていくのです。また、ほかの子どもたちの遊びをみて真似をしたり、一緒に遊んだりする機会にも豊富に恵まれます。そのため、周りからもたくさんの刺激を受けて、積極的に考えて行動する力が培われていくのです。
⑤想像力や創造力が発達する
外遊びは、子どもの想像力によって遊び方が無限に広がっていきます。子どもは、その場その場で遊びに合わせてルールを変えたり、新しい遊び方を考え、作りだしたりします。そうしていくことで、子どもの豊かな想像力・創造力の発達が促されていきます。
⑥コミュニケーション能力が発達する
③の社会性と似ているところもありますが、外で遊ぶと普段のテリトリーでは出会わないようなさまざまな子どもと会う機会がたくさんあります。子どもはたくさんの人と接し、関わり、遊ぶことで人と接することを学んでいきます。このように、多くの人との出会いが子どものコミュニケーション能力を向上させていきます。
⓻学習能力が向上する
思いっきり体を動かすことで、脳の前頭前野が活発になります。前頭前野は意志や集中力、我慢する力を担う場所です。幼児期に前頭前野を活発に働かせることで、精神的な落ち着きや集中力につながり、それが学習能力の向上へと発展していきます。
⑧近視の発症予防になる
近年、パソコンやスマートフォン、タブレットなどのデジタルデバイスの登場、普及により、屋内ですごすことが増え、外遊びが減少傾向にあります。そこで懸念されているのが、近視の若年化です。慶應義塾大学・医学部眼科学教室・特任講師の四倉絵里沙先生が2017年、東京都内の小中学生1500名を対象に近視の状態を調べたところ、小学生の76.5%、中学生の97.9%が近視であることを報告しました。
また、医療法人社団済安堂・井上眼科病院・院長の井上賢治先生は、下記の様に述べています。
「近視は一度発症すると元には戻らず、進行が著しいと強度近視へ移行します。 ~略~ 近視は将来、様々な眼疾患をひきおこす可能性があり、注意が必要です。」
近視がもつリスクと子どもの目を守るための外あそび推進 – 公益社団法人日本眼科医学会常任理事/井上眼科病院長 井上賢治先生 –
と述べています。白内障、近視性黄斑症、網膜剥離などを発症するリスクが、近視が強度なほど高いことも明らかになっています。親は、近視にさせない、近視になっても進行させないということを心にとどめておかなければいけません。
怖い話ばかりしましたが、近視の発症は予防することができます。それが、外遊びです。日中、外ですごす時間を長くとることは、近視を抑制するためにとても重要です。屋外活動を1日2時間以上できれば、たとえ両親が近視であっても子どもの近視発症リスクを下げることができるとの報告もあります。今やデジタルデバイスと距離をとることは難しくなってしまいました。その分、外遊びの時間を確保し、これからの子どもの目の健康を守ってあげましょう。
⑨骨の発育が向上する
骨の発育に必要となってくる栄養素はビタミンDです。ビタミンDは、太陽光に当たることで生成され、タンパク質の働きを促し、骨や歯のもとになるカルシウムの吸収率を高めるために必要な栄養素です。ビタミンDが不足すると骨の形成が悪くなる可能性があります。近年、新型コロナウイルス感染症の影響で室内遊びが増えたり、日焼け止めの多用で太陽光を十分に浴びられず、ビタミンD不足の子どもたちが増えています。日焼け止めを塗る際、20~30分くらいは塗らない時間を作ったり、外遊びをしたりして、たくさんの太陽光を浴びて骨を強くしていきましょう。
⑩自律神経機能が発達する
自律神経機能とは、その名の通り体が勝手に(自律的に)働いてくれる神経のことを言います。例えば、体温や血圧の調整機能、脳・神経系の働きなどです。これら自律神経機能は、外遊びをすることで向上します。外遊びをすることで体を動かし、汗をかくと脳の視床下部の働きが活発になります。遊ぶ→のどが渇くので水分補給→また遊びを始める…ということをくり返すことによって、体の水分代謝が活発になるとともに自律神経の働きが高まり、脳も活発に働くようになります。また、屋外で暑い・寒いという気温の変化や風などを感じることも、自律神経機能の向上につながっています。
外遊びが辛いという親の悩みとその解決策
外遊びが子どもにいいと分かっていても、もともとインドアだったり、人付き合いが苦手だったりする保護者の方には、外遊びに付き合うこと自体がつらいと思う人も多いと思います。ここでは、「子どもと一緒に外遊びした!でも…」と悩む方向けに、その悩みと解決策をお伝えしていきます。
よその子どもの対応
公園で遊んでいると、我が子に絡んでくるよその子どもの扱いに困ってしまうことってありますよね。我が子や、我が子が遊んでいるおもちゃが楽しそうと、ほかの子どもが寄ってくることはあります。もちろん子どもに悪気はなく、純粋に小さい我が子が可愛くてかまってくれているのかもしれません。しかし、親としてはトラブル(ぶつかったり、おもちゃを壊されたり壊したりなど)にならないかヒヤヒヤするものです。では、我が子に絡んでくるよその子どもは、どう扱うといいのでしょうか?
人がいない公園、人がいない時間帯に公園に行くのがおすすめです。平日、幼稚園児や保育園児、小学生は園や小学校に行っているため、公園にはいません。イレギュラーな日(運動会の振替休日など)もあるので、平日に必ずいないわけではありませんが、イレギュラーな日は年に数回程度です。それに、まだ歩き始めた赤ちゃんと、幼稚園児や保育園児、小学生では遊ぶ内容も違いますし、パワーも違います。そんな子どもたちが同じ場所で遊ぶことで、親御さんがヒヤヒヤしたりするくらいなら、思い切って別の公園へ行ったり、
「あっちの公園に行ってみない?」
「電車、見に行く?」
「絵本を見に行こうか?」
など、ほかの遊びを我が子に提案してみましょう。
よその子どもの親との付き合い
子どもと公園に行ったとき、よその親との関わり方について悩む親御さんはたくさんいらっしゃいます。
などです。どうすることで、うまくその場を乗り切れるのでしょうか?
ほかに人がいて話さなければいけない状況になっても、子どもは常に動き回っているもの。「こんにちは。」と挨拶だけでも大丈夫です。相手も自分の子どもに目を配ることで精一杯です。話しかけられたら答える程度で十分ではないでしょうか。必要以上に気をつかう必要はありません。それよりも、子どもとの貴重な時間を存分に楽しんでください。
体力が続かない
子どもの体力は本当に底なしですよね。午前中にたくさん遊び、昼寝したらまた復活!親としては子どもが昼寝をしているときに一緒に寝れたらラッキーですが、子どもが寝ている間に夕飯の準備やそのほかの家事をすませたいと思うと、一緒に寝ている暇もありません。そして、また午後から公園へ。親の体力はもうなく、エンプティーマークがチカチカ点灯してもおかしくありません。子どもの底なしの体力に、親はどう対応したらいいのでしょうか?
ここまで、さんざん外遊びを推奨してきましたが、外遊びだけが子どもにとってベストな遊びではありません。外遊びしない日があってもいいと割り切り、子どもと一緒に室内遊びを楽しみましょう。工作をしてみたり、好きなアニメを見たり、夏になるとベランダや庭先で水遊びなんかもおすすめです。
また、一時保育を利用するのもひとつの手です。子どもはいつもと違うおもちゃや遊具に興奮し、意外と楽しんで行ってくれるはずです。また、スイミングスクールなどの運動教室に通ってもいいでしょう。習い事に運動系を加えることで、技術を習得することができるうえ、子どもは思いっきり体を動かせて満足感も得られます。保護者の皆さんは、完璧な育児をしようとせず、周りの手を借りれるだけ借りて、肩の力を抜いて子育てを楽しみましょう。
ここまでご紹介したとおり「子どもを外で遊ばせる」ことで
等のメリットがあります。
しかし、常に外に連れて行ってあげれる暇があるわけでもないし、
外で遊ばせる重要性は分かるけど、なかなか足が向かない、、、、
などのお悩みをかかえていませんか?
もっと手軽に、負担なく、「自己肯定感や積極性」を伸ばしてあげれたらなぁ、、、
と。
外遊びをしなくても非認知能力を鍛えることはできます。
さらに幼児期に学ぶ内容をまるっと学習できる。
そんな方法があったら試してみたくはありませんか?
などに加え、
さらにママ・パパは幼児教育の知識やスキルも身に付けられる。
そんなツールが「天神」幼児タブレット版です。
今なら自宅にタブレットが届く無料体験も受付していますので、ぜひ試してみてください。
幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
「幼児教育はまだ早い」と思われている方ほど、早めの取り組みをおすすめします。