小学校受験の「置き換え問題」は、解き方のステップを理解して、「お店屋さんごっこ」で楽しく学ぶ

「置き換え問題」は、小学校受験でよく問われる問題です。正解にたどり着くまでに複雑な手順を踏まなくてはならない発展的な内容の出題も多く、なかなかうまく解けないというお子様も珍しくありません。また、保護者様がお子様のレベルに合わせて解き方を教えるのが難しいという声もあります。

今回は、そんな「置き換え問題」について、問題の特徴や解き方、おすすめの対策をお伝えします。

目次

「置き換え問題」の例と解説

小学校受験で問われる「置き換え問題」とは、特定のものを一定の比率で交換していき、交換したあとのものの個数を問うような問題のことです。少しイメージしにくいので、具体的な例を挙げて見てみましょう。

問題

〇一つは、△二つと交換してもらえます。△一つは、□三つと交換してもらえます。〇二つは、□いくつと交換してもらえますか。その数だけ、下の枠の中に□を書きましょう

このような出題です。

〇二つは△四つ、そしてそれらをすべて□に換えれば、□十二個と交換できますね。小学校に上がってから習う掛け算や割り算に近い考え方をすることになります。

さらに、「□一つは、☆三つと交換してもらえます」と、出てくるものの種類や条件を追加したり、「〇一つは、△と□一つずつと交換してもらえます」というように、状況を複雑にしたりすることで、さらに難しい問題を出すこともできます。

難易度を上げやすい問題ですので、パターンを暗記するだけでなく、きちんと法則について理解する力をつけることが重要です。

「置き換え問題」が子どもにとって難しい理由

「置き換え問題」が子どもにとって難しい理由

「置き換え問題」には、お子様がつまずきやすいポイントがいくつか存在します。どんなところでつまずきやすいのか、二つ紹介します。

作業迷子になりやすい

まずは、「今、自分が何をしていて、次に何をするべきか、分からなくなってしまう」こと、つまり、作業が迷子になってしまいやすいことが挙げられます。

たとえば、上でご紹介した「〇二個を□に交換するといくつになるか」という問題について考えてみましょう。

〇を直接□に交換することはできませんから、いったん△に交換することになります。
仮に、〇に斜線を引くことで「もう使った」ということが分かるようにして、その下に対応する数の△をメモすることにします。このとき、きちんと「〇一つにつき、△を二つ書く」という、問題に与えられた条件を覚えておく必要があります。

また、そのあとの手順のことを考えてみましょう。〇が二個なので、その下に△四つを書き込むことになります。それが終わったときには、「今度はどんな作業をしなければいけないのか」を思い出す必要があります。

ここで△を数えるのか、それとも、その△に斜線を引いて、〇に交換するのか、□に交換するのか……といったように、次にするべき作業が分からなくなってしまいやすいのです。

いわば、正解に向かって歩いていきたいのに、どっちへ向かえばいいのか分からなくなっている、迷子のような状態です。いくつもの手順をこなしつつも、「そもそも、最終的にどうなっていればいいのか」を見失わないようにしなければならないのが、第一の難しいポイントです。

集中力が切れやすい

もう一つの難しいポイントは、「集中力が切れやすい」ということです。

同じく、〇二つを□に交換する問題を考えてみましょう。

やはり〇を直接□に交換することはできませんから、いったん△に交換することになります。ここでも、〇に斜線を引いて、その下に、△を対応する数だけ書いてメモすることにします。△を四つ書いて、これで「〇二つが、△四つに交換できた」ことになります。

ここで、大きな作業を終えたことに安心して、集中力が切れてしまうことがあります。集中力が切れると、次にやるべきことを忘れてしまったり、簡単なミスをしてしまったりすることがあります。

このように、いくつかの作業を順番に行っていく必要があるとき、その途中で集中力が切れてしまうことで、正しい答えにたどり着けなくなってしまうのです。これが、もう一つの難しいポイントです。

「置き換え問題」を解くためのステップ

ここまで、子どもにとって「置き換え問題」が難しく感じられる理由を解説しました。では、実際に「置き換え問題」を考えるにあたって、どのように考えると解けるようになるのでしょうか。このような問題は、いくつかの段階に分けて理解すると理解しやすいです。

①交換のルールを覚える

まずは、交換のルールをしっかりと覚えることです。「一つと二つで交換」「一つと三つで交換」が同じ問題の中に出てくることもあります。「〇一つと△二つ」を「〇二つと△一つ」のように勘違いしてしまうこともあるので、気をつける必要があります。何と何を、どの比率で交換することができるのか、常に気にしておくことが大事です。

②置き換える道を見つける

もう一つの大事なポイントは、正解に向かうための見通しを最初に立てておくことです。「実際に何個になるかはわからないけれど、まずは〇を△に換えて、そして□に換えるんだな」という道筋のイメージができるかどうかが、この問題を正解できるかどうかに大きく関わります。

「集中力」と「忍耐力」が重要

「置き換え問題」を解くためには、いくつかの段階に分けて理解するとよいということをご紹介しました。また、解き方のポイントを押さえるだけではなく、「集中力」と「忍耐力」を育むのも、「置き換え問題」を解くために大事なことです。

先ほどもお伝えした通り、この問題は複数の手順を順番にこなしていくことが求められます。手順の途中で集中が切れてしまうことのないように、問題の最後までどのようにすればたどり着けるのか忘れてしまうことのないように、集中して取り組むことが求められます。

また、この形の出題は「〇を直接□に交換することはできない」といった条件を考えて、いったん別のものを経由する問題が多いです。きちんと手順を踏まないと、正しい答えを出すことができません。

「最後に□の数を数えて答える」ということは分かっているのに、それを我慢して、「△に交換する」という手順を選ぶということですので、忍耐力が必要になります。

掛け算的な考え方と割り算的な考え方が必要

「置き換え問題」は、たとえば、「〇一つが△二つになる。〇二つなら、△四つになる」というような、掛け算の考え方と、「△二つが〇一つになる。△四つなら、〇二つになる」というような割り算の考え方の、両方が必要になります。

出てくる要素や数字は変わらなくても、方向が変わると操作も変わりますので、混乱してしまいがちです。今、どちらの向きに向かって交換しようとしているのか、注意を払うようにしましょう。

「置き換え問題」を楽しく覚えるコツ

ここまで、「置き換え問題」の解き方や、つまずきやすいポイントについて解説してきました。では、そんな「置き換え問題」を覚えるために役立つ方法を、ここからご紹介します。

お店屋さんごっこ

お店屋さんごっこ

おすすめしたいのは、「お店屋さんごっこ」を通じて交換の法則に慣れることです。

というのも、この問題を解くためには、まずは「交換」の概念を理解することが必要不可欠なのです。

「△二つに交換してもらうために使った〇は、もうそれ以上使えない」といった法則は、最初から自然に身についているとは限りません。頭の中で考えているのですから、なおさらです。

普段の生活の中で、この「交換」の概念に触れる最も身近な機会は「買い物」です。いくらかのお金を商品と交換するという光景は、子どもにとってもイメージしやすいものです。

「〇一つと△二つ」というような抽象的な言い回しではピンと来にくいということもあると思います。また、実際にものやお金・コインを触ったほうが、「交換する」という作業に親しみやすいですし、何より楽しんで覚えることができますので、まずは「お店屋さんごっこ」を通じて、「交換」によって何が起こるのかを覚えるようにしましょう。

たとえば、「コイン二個で、お菓子が一つ買えるよ。コインが六個あったら、お菓子は何個買えるかな?」と聞きながら、実際にお子様の手でコインとお菓子を交換してもらう、というような方法で進めると分かりやすいです。

このように、イメージしやすい状況を扱うことで、「置き換える」という手順も理解しやすくなります。また、実際に交換するという行動を経験していると、「置き換える」という手順が実体験にもとづいたものとなり、より考えやすくなります。

なお、ここでは必ずしも細かな金額まで決めなくても構いません。コインの枚数に対応した数のお菓子が交換できる、という交換の仕組みに集中して練習しましょう。

まずは単純な交換の反復練習

「交換」することの意味が分かってきたときに気を付けていただきたいことが、すぐに複雑な問題を解こうとしないことです。

まずは単純な交換の手順を何度も繰り返して、定着させるようにしましょう。今回なら「コインとお菓子の交換」のように、最初は出てくるものを二つだけに限定するのが大事です。

「コイン二個で、お菓子が一つ買えるよ。コインが六個あったら、お菓子は何個買えるかな?」という質問に、お子様が「三個」とうまく答えられた場合、「じゃあ、今度はコインが十個あるよ。今度は何個買えるかな?」と聞くようにするということです。

単純な交換が簡単に思えるまで身についていれば、一つ一つの交換に気を取られすぎずに、問題を解く手順全体について考える余裕も生まれます。

小学校以降の算数でも、単純な手順を完璧に身につけていることが重要になる場面は少なくありません。例えば、ほとんどの場合、二桁のかけ算の問題は、筆算を使って、九九を組み合わせる形で解いていくことになります。二桁のかけ算という複雑な問題を解くためには、単純な形に区切られた九九という手順が、素早く、正確に、できるようになっていることが重要なのです。

そしてこれと同じように、一つ一つの交換が簡単に感じるくらいまで身についていることで、全体の解き方にも目を向ける余裕が生まれます。そのため、先ほど紹介した「作業迷子」に陥る可能性を小さくすることができるのです。

ですから、複雑な応用問題や実際の過去問などに早く取り組んでもらおうとするのではなく、単純な交換の手順を繰り返して身に着けてもらうようにしましょう。

できるようになったら「つりあい」にチャレンジ!

さて、この「置き換え問題」は、同じく小学校受験でよく問われる「つりあい」の問題にも考え方を応用できることがあります。実際の問題を見てみましょう。

問題

すいか一個はりんご三個とつり合います。りんご一個はみかん二個とつり合います。下のシーソーの右側に置いたとき、つり合うものに〇をつけましょう

少しややこしい問題に見えますが、「置き換え問題」とほとんど同じ考え方で解くことにお気付きでしょうか。

左側は、すいか一個、りんご一個、みかん一個が乗っています。これをすべてみかんに置き換えてみましょう。りんご一個は、みかん二個ぶんになります。すいか一個はりんご三個ぶん、これをみかんに置き換えると六個ぶんになります。つまり、左側はみかん九個の重さと等しいことになります。

では、選択肢を見てみましょう。こちらも全てみかんに置き換えてみます。

①は八個ぶん
②は十二個ぶん
③は九個ぶん

となるので、右側には③を乗せるとつりあうことになりますね。このように、「つりあい」の問題の中には、同じ単位で揃えてから比べる問題があり、これは「置き換え問題」とよく似た手順で解くことになります。今回は「みかん何個ぶん」という単位に置き換えて解く問題でした。

この分野の問題は「置き換え問題」の考え方が応用できますので、「置き換え問題」に慣れてきて、実際の過去問も解けるようになってきたら、今度は「つりあい」の問題にチャレンジしてみるのも良いでしょう。

ただし、「つりあい」の難しい問題をいきなり解かせようとするのは避けるのが無難です。「難しいから自分にはできない」とお子様が思ってしまうと逆効果ですので、「置き換え問題」で十分正解できるようになってからチャレンジするのがおすすめです。

まとめ

今回は、「置き換え問題」の解き方や難しいポイント、そして解けるようになるための力をつける方法について解説しました。複数の手順を間違えずに進めていく必要があり、つまずきやすいポイントの多い問題であることがおわかりいただけたかと思います。

しかし、「ある物を一つと、ある物を二つで交換する」というような一つ一つの手順は、必ずしも難しいことではありません。

「お店屋さんごっこ」を通して実際に交換することを体験して、ぜひ「置き換え問題」を得意ジャンルとしていただければと思います。

お店屋さんごっこ「だけ」では不十分だと感じる保護者様へ

置き換え問題は「お店屋さんごっこ」という遊びを通して学んでもらうのが子どもにとって楽しく覚える方法のひとつだとお伝えしました。とはいえ、丸一日「お店屋さんごっこ」に時間を費やすわけにもいきませんし、そのほか家事、育児、仕事を抱えている状態だと新しい学習スタイルを取り入れるのは難しいかもしれません。

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