【積み木を使った知育遊び】ニキーチン教育とは?取り入れるべきメリットと注意点

お子様が2歳になり、「そろそろ保育園、幼稚園を探さないと!」とお考えの方もいらっしゃるでしょう。しかし保育園、幼稚園の教育内容は様々です。せっかくなら子どもに合った教育方針を持った園に入れてあげたいですよね。

今回は幼児教育のひとつであるニキーチン教育について紹介します。幼児教育で取り入れている園は少ないかもしれませんが、ご家庭でも取り入れやすい教育法です。メリットと注意点を紹介していきますので、お子様やご家庭に合う教育と思われる場合、ぜひ取り入れてみてください。

目次

ニキーチン教育とは

ニキーチン教育とは、ロシアのニキーチン夫妻(夫:ボリス・P・ニキーチン、妻:レーナ・A・ニキーチン)が子育ての中で発案した子どもの「創造力」を育む教育法です。

ニキーチン教育において、創造力とは「自分で課題や問題を見つけ出し、問題解決をする力」とされています。この創造力を育むためには、「比較力」「分析力」「洞察力」「判断力」「実行力」の5つの能力を総合的に伸ばすことが重要です。

また、ニキーチン教育では、身体を動かすための遊具やさまざまな知育おもちゃが揃う環境を用意をする必要があります。子どもが自主的に遊べるようにすることで、前述した5つの能力を総合的に伸ばし、創造力を育む狙いがあります。

ニキーチン夫妻と7人の子どもについて

ボリス・P・ニキーチンはロシアの教育学者であり、教育学科アカデミーに勤務していました。のちに中学校教師のレーナと出会い、結婚、そして7人の子どもに恵まれました。

ニキーチン夫妻は子育てをしている中で「子どもたちはさまざまな可能性を持っている」と気付き、運動器具や知育おもちゃに幼少期の早い段階から触れさせたり、室内における危険をあえて取り除かないようにしたりするなど、常識にとらわれない子育てを実践しました。当時は多くの批判を受けたようですが、この教育を受けた7人の子どもが医者やエンジニアなどの専門職に就くような優秀な人物に成長したため、ニキーチン教育は評価されるようになりました。

ニキーチン教育の特徴

ニキーチン教育には、子どもの創造力を育む、さまざまな特徴があります。この章では、ニキーチン教育の特徴について詳しくご説明します。

危険をあえて遠ざけない

子どもの周囲には多くの危険が潜んでいます。そのため、子どもが怪我をしそうになると、子どもを気づかって怪我をしないように手を出したくなる親も多いでしょう。

しかし、ニキーチン教育では、「どうしたら危険を回避できるか」ということを理解させるため、危険をあえて遠ざけないようにします。そうすることで子どもは自ら危険を理解し、怪我を防ぐための方法を考えるようになります。ただし、子どもは事前に危険を察知する能力が十分ではないため、大きな怪我に繋がりそうな際は声かけを行ってください。

自宅で教育を行う

ニキーチン夫妻は自宅に体操室を作ったり、本や大量の知育おもちゃを子どもが触れられるところに用意する等、自宅を子どもの好奇心を刺激するような環境に整えました。そうすることで、子どもが主体的に関心を持ったおもちゃや遊具に集中して取り組むことができ、創造力の発展に繋がったとされています。ニキーチン教育において、「集団ではなく自宅で教育を行う」という点が特徴の一つと言えます。

難しいことにチャレンジさせる

難しい課題は、子どもにとって創造力を育む絶好のチャンスです。ニキーチン教育では、お子様が年齢に合わない難しい課題にチャレンジしようとする際、それを止めることはありません。

難しい課題に直面することで、どうすればその課題を解決できるか試行錯誤をし、創造力を育むとされているからです。もしお子様が難しいことにチャレンジをしようとしている際は、見守るようにしてください。

早く取り入れる

ニキーチン教育は、「赤ちゃんは多くの可能性を秘めている」という考えを基に、子どもの年齢に合わないことでも早く取り入れ、子どもに慣れさせることを目的としています。そうすることで、子どもは直面する課題を解決する力を身につけることができます。

例えば、ニキーチンの自宅には子どもが遊べるようにロープで作られた吊り輪や、鉄や木材でつくられた組み立て式の玩具等が用意されていました。また、ロープや木材等の材料は、製作材料として使えるように子どもの遊び場に置いてあったようです。これらは乳幼児にとって怪我に繋がりかねない危険なものでもありますが、なるべく早い段階で身体を使った遊びや危険を感じるような経験をすることで、子どもは創造力を発達させていくことができます。

子どもに自ら挑戦させる

ニキーチン教育は子どもの主体性を重んじています。そのためには、まず子どもが関心のあることに自ら挑戦できる環境を整える必要があります。

家の中に本や知育おもちゃ、余裕があれば体を動かせるようなスペースや遊具を準備するなど、子どもが常に何かに関心を持てるような環境整備を行いましょう。また、保護者はお子様が何に関心を持っているかをみつけ、すぐに挑戦できるように寄り添ってあげてください。そうすることで、お子様は自主性や実行力を身につけることができます。

口を出さずに、親は見守る

前項目でもお伝えしましたがニキーチン教育では、子どもが自主的に遊べるように自由を与え、遊び、学ぶことで子どもの創造力を育むことができるという考え方があります。そのため、保護者はお子様のもつ能力を信じ、見守ることが必要です。

たとえ、子どもに何か教えたい場面があったとしても、ニキーチン教育では子どもの思いのまま過ごせるよう口を出さずに見守るようにします。ただ、何も手出ししないというわけではなく、お子様の要求に応じて簡単な手助けを行い、基本的にはお子様自身の行動と判断を見守っていきます。

ニキーチン教育のメリット

ニキーチン教育のメリット

ニキーチン教育は、子ども自身のさまざまな可能性を引き出すことができます。この章では、ニキーチン教育のメリットについて紹介します。

自立心が育まれる

ニキーチン教育は、どんなことをさせるにも子どもの自主性を大切にしています。そのため、お子様が何かを「やってみたい」と関心を示したことは、体験させてみるようにします。このような経験を繰り返すことで、子どもは自らの体験からさまざまなことを学ぶ事ができます。そしてその学びは自立心を育むことに繋がります。

危機管理能力が育まれる

ニキーチン教育では、あえて子どもの周りから危険なものを外さず、子どもが自ら経験して危険を学ぶようにしています。そうすることにより、子どもは「これを触ると危ない」と危険を理解し、危険な目に遭わないためにどうするべきか考えるようになります。この思考力をつけることにより危機管理能力が生まれ、子どもが自ら身を守ることができるようになります。

創造力が育まれる

ニキーチン教育は、子どもの創造力を育むことを理念としているほど、「創造力」を大切にしています。この創造力を育むためには、子どもの自由を尊重することが重要です。そのために、まずは子どもが自由に遊びを選択できる環境を用意します。

また、多少危険があったとしても子ども自身の力に任せ、自ら取り組んだり問題を解決したりできるよう、親は「見守る力」が必要になります。そうすることで、子どもは遊びの中で創造力を育むことができます。

論理的思考が育まれる

後述する「ニキーチンの積み木」では、比較力や分析力、物事の法則等を学ぶ問題が用意されています。そのため、子どもが自ら解決方法を見つけ出すための論理的思考が求められてきます。保護者はお子様と関わりつつも、問題に取り組む姿を見守り、お子様の創造力を尊重し、論理的思考を身につけられるようにしましょう。

ニキーチン教育の注意点

二チーキン教育は、子どもの自主性を尊重し、経験を通して創造力を育むことができるというメリットがあります。一方で、子どもにニキーチン教育を教えるのであれば教育方針を理解しておく必要もあるでしょう。

ここでは、ニキーチン教育における注意点についてご紹介します。

コミュニケーション能力が育ちにくい

ニキーチン教育の考え方として、教育は家庭で行うことになっています。そのため、身近な大人や子どもとの関わりが中心となり、それ以外の関係性が築きにくい面もあります。外部からの刺激が少なく、子どものコミュニケーション能力が育ちにくい恐れがあります。

子どもが怪我をするリスクがある

ニキーチン教育では、危険なことも経験させることで子どもの危機管理能力を育む考え方がありますが、怪我をするリスクもあります。多少の怪我は危険を学ぶ上で必要ですが、場合によっては大怪我につながる危険性もあるため、時には見守りだけでなくサポートがいることを理解しておく必要があります。

ニキーチンの積み木

ニキーチン教育において代表的な知育おもちゃは、「ニキーチンの積み木」です。

ニキーチンは、積み木遊びで育つ力について、「科学的な考え方だけでなく、人生で起こるさまざまな問題を解決していくのになくてはならないもの」としています。つまり、問題解決能力である「創造力」を育むために作られた知育おもちゃといえます。この章では、ニキーチン教育における「模様づくり」「ユニキューブ」「レンガつみ」「みんなの積み木」など、家庭でも取り入れやすい4種類の積み木遊びをご紹介します。

模様づくり

模様づくりは、1歳から取り入れられる簡単な積み木遊びです。

模様づくり

遊び方

同じ大きさの立方体の積み木が16個あり、並べた積み木が上から見て「模様づくりパターンカード」という完成図の通りになるよう、積み木と完成図の模様を見ながら積み木を並べていきます。この立方体の積み木は赤色・青色・黄色・白色の4色が6面に塗られており、1面が1色のものもあれば2色になっているものもあります。完成図の通りになるように並べてもいいですが、子どもが自分で作りたいものをイメージしながら並べてもいいでしょう。

この遊びでは、分析力と比較力が育まれます。また、形を見て何かの絵を作ることで、組み合わせる力も伸びるでしょう。模様づくりは取り組みやすく、難易度も低いことから、ニキーチンの積み木の中で最初に取り入れられることが多いです。

ユニキューブ

ユニキューブは、面の色の塗り方がそれぞれ異なるパターンの27個の積み木です。

遊び方

どの積み木も1個に6つの面があり、色は赤色・青色・黄色の3色で塗られていますが、塗られ方は全て異なります。それぞれパターンの異なる模様の積み木を並べたり積んだり、同じ色の面を集めて模様を作って遊んでみたり等、遊び方はさまざまで子どもの自由な発想力を育むことができます。

空間認知能力を育むために適した積み木で、規則性を発見しながら、観察力や集中力、思考力を高めることができます。また、物事を正確に判断し、注意して課題に取り組む力も鍛えることができます。

レンガ積み

レンガ積み

レンガ積みは、1:2:4の細長い無着色の木製アイテムを使用する積み木遊びです。

遊び方

立方体の積み木と違い、面によって幅や高さ等が違うため、積み木の特徴を捉えて積み重ねる力が必要になります。最初は細長い積み木を置き、見る角度によって形が異なることを理解させます。その次に、図案を見ながら積み木を積み重ねる遊びにとりかかります。積み木をどのように積めばどの角度から見ても図面通りになるかを考え、図面と比較しながら積み木を積み重ねたり組み合わせたりしていきます。

さまざまな難易度の図案があり、立体パズルのような感覚でできる積み木のため、洞察力や判断力が育まれます。

みんなの積み木

みんなの積み木

単色で形がそれぞれ異なる7つの積み木を組み合わせて遊びます。

「ニキーチンの積み木」の中で難易度が高い積み木遊びです。

遊び方

色と形の違う7つの積木を使って、試行錯誤しながら、いろいろな形を作ることで、たくさんの発見をすることができます。それぞれ異なる形をした積み木を7つ使い立方体や図案通りの形に組み合わせ、色々な形を作ります。

これらの積み木を単に積み重ねるだけでなく、並べたり、組み合わせたりすることで構成力が育まれ、また、器用さや身体能力につながる空間認識能力も育むことができます。

まとめ

積み木で有名なニキーチン教育ですが、それ以外にも子どもに完全な自由を与え、子どもが全力を尽くして遊べるようにするなど様々な特徴があります。ニキーチン教育は、危険を理解させる体験をさせたり、子どもの好奇心をくすぐるような知育おもちゃや遊具のある環境を与えることで、子どもが自らさまざまなことを学ぶことができ、創造力を育むことが目的の教育法です。ニキーチン教育についてしっかり理解した上で取り入れることができれば、必ずお子様の今後の成長に繋がるでしょう。

ご家庭での教育を考えている方は、ぜひ子育ての参考にしてください。

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