乳幼児教育の重要性とは?メリットや注意点、取り組み方を解説
お子様を育てる上で、乳幼児教育の必要性や進め方は気になるポイントではないでしょうか。ただ、その種類は非常に豊富です。この記事では、乳幼児教育の理解を深め、実際の取り組みに生かせるよう、詳しい内容やメリットや注意点を解説します。
- 乳幼児教育について(幼児教育との違い)
- 乳幼児教育を行うメリット
- 乳幼児教育の代表的な種類
- 乳幼児期の教育で保護者が注意すべきこと
乳幼児教育の基礎知識
そもそも乳幼児教育とは、何でしょうか。「乳幼児教育」と「幼児教育」の違いはあるのでしょうか。ここでは、乳幼児の教育に取り組むうえでの基礎知識をご紹介していきます。
乳幼児教育とは?幼児教育との違いは?
そもそも乳幼児とは、乳児と幼児を合わせた呼び名です。乳児は児童福祉法では、生後0日から満1歳未満までの子をいい、幼児は、満1歳から小学校就学までの子どものことを指します。乳児教育では、声を出したり、目で追ったり、手で掴んだりして与えられた刺激に対しての理解を深め、積極的に反応することで脳の発達が促されることを重視しています。
一方、幼児教育とは、乳児期を過ぎた1歳から小学校入学前の6歳までの子どもたちに対して行われる教育のことです。幼児教育では、生涯にわたる「生きる力」の基礎を作ること、つまり、思考力や判断力、表現力の基礎を養うこと、また社会性や健康な身体を育てることを重要視しています。
人間の脳は3歳までに80%ができあがる
0歳~3歳時の脳は、驚異的な吸収力を発揮できる黄金期にあると言われており、3歳までに80%、6歳までに90%ができあがります。この時期に脳に積極的に働きかけをするかどうかが、お子様の将来に大きな影響を及ぼすと言ってもよいでしょう。いかに日常のなかで多くの刺激を与え、脳の機能を高められるかが大切なポイントとなるでしょう。
乳幼児教育を行うメリット
乳幼児教育の必要性を耳にする機会が増えつつありますが、どれほど重要なのか、どのような効果があるのかよくわからない人もいるでしょう。ここでは、乳幼児教育のメリットについてご紹介します。
乳幼児期の教育は効果が高い
子どもの教育に関する説はさまざまなものがありますが、現在、ノーベル賞受賞者のジェームズ・ヘックマン教授による乳幼児教育に関する研究が注目されています。ヘックマン氏の提唱する説では、就学前教育は後の人生に大きな影響を与えること、また幼少期に非認知能力を高めることの重要性が主張されています。
非認知能力とは、意欲、協調性、粘り強さ、忍耐力、計画性、自制心、創造性、コミュニケーション能力といった、IQのように数値で測定できない能力全般を指し、学力などの認知能力と対照的に用いられる言葉です。この主張をきっかけに、世界的に非認知能力が注目されるようになりました。
幼児期は、知的な発達・心の発達・社会性(人間関係)の発達において、物事を最も効率よく吸収できる時期です。したがって、幼児期における教育が、その後の人間としての生き方を大きく左右する重要なものであることをより深く認識し、子どもの教育について常に関心を持つことが必要なのです。
記憶力が養われる
乳幼児期の子どもの脳は、さまざまな環境の変化に適応できるように柔軟な状態にあります。非常に好奇心が旺盛で、さまざまなことに関心を示すのもこの時期の特徴です。興味を引かれた事柄に関してはどんどん吸収していきます。文字や数字も、幼児期に接するほど学習効果が高い傾向があります。乳幼児期は脳が著しく発達する時期でもあり、適切な働きかけをすることで記憶力を養うことができます。
好奇心や探求心が育つ
子どもはさまざまな情報に触れ体験することで、好奇心が生まれやすくなります。小さい子どもの好奇心を引き出すためには、新しい経験や物事に接するきっかけを、保護者様が提供することが重要です。思いもよらないものに興味を持つ場合もあり、お子様の可能性を広げることにつながるでしょう。
親子のコミュニケーションが深まる
乳幼児期は、保護者様がお子様に話しかけたり、一緒に遊んだりすることが特に大切です。お子様にたくさん話しかけたり、体に触れたりしてスキンシップを取ることは、親子の絆を深め、お子様の自己肯定感を高めることにつながります。
乳幼児教育の代表的な種類
乳幼児教育には、日本で生み出された教育法や外国で生み出された教育法など、様々な種類の教育法があります。以下、乳幼児教育の代表的なメソッド(教育方法)を3つご紹介していきます。
モンテッソーリ教育
モンテッソーリ教育とは、イタリア人医師であるマリア・モンテッソーリによって考案された教育法です。モンテッソーリ教育の特徴は、子どもの自主性を尊重し育てることです。子どもが自発的に学ぶ手助けとして、おもちゃと教材を組み合わせていることでも有名です。将棋で有名な藤井聡太氏も受けていたことで一気に知名度が高まりました。
シュタイナー教育
シュタイナー教育とは、オーストリア人哲学者であるルドルフ・シュタイナーによって考案された教育方法で、一人ひとりの個性を尊重し、個人の能力を最大限に引き出すことを目的としています。シュタイナー教育の核になっているのは、「安心感のある静かな環境」です。そのため、教育現場が自然に囲まれているケースも少なくありません。また、シュタイナー教育では規則正しい生活リズムを非常に重視しています。
石井式教育法
石井式教育法は、日本人教育学博士である石井勲によって考案された教育方法で、心の教育を大切にし、奉仕の心を持ち自らがリーダーシップを取れる人間に育てることを目的としています。石井式教育法では、絵本やカードを学習に用いることで、言葉や文字をしっかりと記憶させていきます。このメソッドでは言語能力を中心に、分析力や判断力も養えるのが特長です。
乳幼児期の教育で保護者が注意すべきこと
乳幼児期は人間性や情緒性、学力などに必要な土台作りを行えます。次は、乳幼児期を行う際の注意点についてご紹介します。
お子様の自主性を尊重する
お子様が「やりたい」という意思を持ち始めたら、お子様自身を主役として取り組むことが乳幼児教育を成功させるポイントです。
お子様の意見を認め、それを踏まえて一緒に考え、大人が意図する方向に強制や誘導しないようにしましょう。保護者様が効果的と思われることでも、無理強いはよくありません。お子様が意思表示をするようなったら、お子様自身が興味を持った物事をサポートするスタンスが大切です。
乳幼児期だからこそ、保護者様が楽しんで取り組む
0歳や1歳の頃には、教育内容に対してお子様が大きく反応を示さないこともあります。これはお子様が意思表示をするほどの情報量を持ち合わせていないからです。お子様が「好き」「楽しい」などの反応をしないときには、保護者様がとことん楽しむことが重要です。
意思表示ができるようになったら、お子様の意思を尊重しながら、親子で一緒に楽しみましょう。
保育園などの施設だけでなく、家庭で過ごす中でも、お子様は自然にたくさんのことを学んでいます。絵本の読み聞かせやお絵かき、ボール遊びなども立派な幼児教育です。お片付けなどの簡単なお手伝いを頼むのも良いでしょう。一緒に取り組むことでお子様はより楽しさや喜びを感じますし、親から褒められる経験は関心事を増やしたり意欲を高めたりすることにもつながるでしょう。
まとめ
幼児教育には様々な種類があり、それぞれに特徴や教育内容の違いがあります。「うちの子にはどの教育方法が良いのか・・・」と悩みすぎる必要はありません。
ここで紹介した教育方法以外にも様々なものがあり、それぞれに特徴があります。
大切なことは、お子様だけでなく保護者様も一緒に楽しんで取り組むことです。お子様が幼いうちは意思表示できませんので、まずは保護者様が良いと感じられる教育メソッドを試してみてはいかがでしょうか。