幼児期からの学びの基盤を築く「反復学習」「インターリーブ学習」という効果的な勉強法

小学校での学習につまずかないために、幼児期から学びの基盤を築くのは大切なことです。

子どもが楽しく学習できるような学びの土台を作るために、今回は幼児期の学習方法として効果的と言われている「反復学習」のメリットとデメリットをまとめました。「飽きやすい」「答えを覚えてしまう」など反復学習のデメリットを解消してくれる「インターリーブ学習」についても紹介しますので、気になる方は最後まで読んでみてくださいね。

目次

幼児期における反復学習とは

反復学習とは、同じ内容を繰り返して学ぶことで知識を定着させる学習方法です。

平仮名や漢字、数字の数え方や形、色などを反復して学習することにより、知識を長期的に覚えておけるようになります。幼児期における反復学習では、食事の準備を一緒にしながら食材や調理器具の名前を何度も伝えることや、「今日は青色のズボンにしようか」などと服や靴の色を声に出すことを日々のルーティーンに取り入れると、より効果的になります。

知識や情報が何度も脳を通り、その回数が多いほど「重要なもの」と判断されるので、記憶が定着しやすくなるのです。

反復学習は楽しく好きなことを中心に行う

反復学習は楽しく好きなことを中心に行う

漢字を書いたり計算が好きな子は反復学習が苦にならず、楽しく行えるので脳の活動量が増えます。脳がたくさん活動することにより記憶も定着していくと言われているので、反復学習の効果を実感しやすいでしょう。

しかし「この勉強は嫌だな・・・」と思いながら行うと、脳が情報を処理する効率が落ちるため、幼児期の反復学習は「楽しく好きなことを中心に行う」のがポイントです。

嫌いな学習に取り組む場合はゲーム性を取り入れて

小学校の学習では、2年生で学ぶ「九九」でつまずく子どもが多いといわれています。親は子どものためと思って反復練習を必死にやらせたくなりますが、かえって子どもを勉強嫌いにさせているかもしれません。

子どもが「苦手だな」「嫌いだな」と感じている様子があるなら、ランダムに出題してゲーム感覚で解くようにするのがおすすめです。

もしくは、苦手な学習を好きなことに置き換えてみる方法もあります。

例えば、足し算の数字の概念がなかなか掴めないようなら「バスが2台あって、タクシーが3台やってきたよ。全部で何台あるかな?」など子どもが好きなことや興味のあることをテーマにすると、一所懸命に考えて答えようとしてくれます。一緒に公園へ行って、落ち葉や木の枝を拾いながら遊びの中で簡単な計算をしてみるのも良いでしょう。

モンテッソーリ教育に見る「繰り返す」ことの重要性

モンテッソーリ教育では、幼児期の子どもたちにとって「繰り返す」ことはとても重要なことだと考えており、子どもがある事柄に強く興味を持ち、同じことを繰り返す特定の時期のことを敏感期と定義づけています。

ひたすら石を集めたり、同じすべり台で何度も遊ぶなど、子どもが同じことを繰り返している姿はよく見る光景ですよね。

大人からすれば「違う遊びもしてみたらどう?」「他のことにも興味を持って欲しい」と思いますが、3~6歳の幼児期の子どもたちにとっては、この同じ動作を繰り返すということが大切なのです。自分で選んだものを繰り返し行っているときはとても集中しています。

そして、達成感があればやめるというサイクルの中で、色々な方法を試行錯誤したり、物事をよく見ることや、何度も粘り強く行うなどたくさんのことを学んでいるのです。

反復学習を行うメリット

幼児期から反復学習を行うと、どんなメリットがあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

記憶が定着する

記憶が定着する

人の脳は、必要だと感じていない情報はすぐに忘れてしまいます。

学習したことも、一日経つとほとんど忘れてしまうため、記憶し続けるためには、学習したことを脳が覚えるまで何度も反復しなければなりません。新しい知識や情報はまだ弱く半人前の状態です。

学校の授業を受けた後に復習をすることが大事と言われるのも、学習したことを思い出すという作業を何度も行うことで記憶に定着させているからです。子どもにとって学習ドリルによる反復練習は、漢字や計算を繰り返し解くことで言葉や計算式を身につけるために効果的と言われています。

東京医科歯科大学「脳統合機能研究センター」特任教授の朝田隆先生が監修の記事では、

目や耳などの感覚器から入ってきた情報は、脳の奥深くにある「海馬」という部位で一時的に保管されますが、そのほとんどは消え去ります(忘却)。しかし、くり返し思い浮かべたり口に出したりすることによってかたちづくられた情報だけが、大脳皮質へ送られ、そこに刻みこまれるのです。

もの忘れの教室|解明!記憶のメカニズム|記憶に深くかかわる「海馬」- エーザイ

と説明されています。

自信がつく

苦手なことでも好きなものに置き換えて考えたり、ゲームのように楽しみながら学習することが大切です。

そうした学習の中で、苦手な学習内容を理解できるようになったり、得意なことが増えたりすると、子どもたちにとっては大きな自信につながります。

「前はなかなか上手く書けなかった漢字が、何度も練習しているうちにキレイに書けるようになった」という達成感は、たった1文字の漢字だとしても子どもにとっては大きな自信になるでしょう。保護者は、子どもが苦手なものも自然に克服できるように手助けをしてあげましょう。小さな成長もたくさん褒めて、時には優しく励ましながら、学習意欲を高めていけると良いですね。

理解が深まる

反復学習で何度も同じドリルを解いたり、教科書を読むことでより理解が深まっていきます。そして何度も同じ学習をしているうちに、自分が苦手とする部分もはっきりしてくるのです。

苦手な部分を意識することで、学習方法は自然と変わってきます。間違いやすい問題を重点的に解いたり、きちんと理解できるまで教科書を読み込むようになるでしょう。すると、全体的な理解がより深まっていくのです。

応用力がつく

全体的な理解が深まっていくと、学習すること自体も楽しくなってくるでしょう。

「こうだった場合はどうかな?」「もっと知りたい!」という気持ちが出てくると、応用力も身に付いてくると言われています。応用問題は、いくつかの基礎問題を組み合わせて作られていることが多い傾向です。ですから、基礎問題を全体的に理解できていれば、応用問題もつまずかずに解いていけるようになるでしょう。

反復学習を行うデメリット

ここまで反復学習のメリットを紹介してきましたが、デメリットはあるのでしょうか。詳しくみていきましょう。

飽きる

飽きる

反復学習は、学習内容が単調になりやすいので、だんだんと興味が薄れてきます。

同じ漢字を何度も書くことや、似たような計算問題を繰り返していると「作業」のように感じてきて、楽しく学習できなくなってしまうことがあります。

「テストで良い点を取りたい」「中学受験のために頑張る」など目標を立てられる年齢なら、目標に向かって少し飽きたと感じながらでも学習を続けられるかもしれません。しかし幼児期の子どもたちに目標設定は難しく、学習自体を「もうやりたくない」「面倒くさい」と嫌になってしまうこともあるでしょう。

同じ問題を解いても答えを覚えていれば意味がない

似たような問題を何度も解いていると慣れてきますから、次第に早く解けるようになってくるでしょう。

しかし、単純な計算や記憶問題に素早く答えられるだけでは、思考力や理解力は身についていきません。

物事を様々な角度から見る力や柔軟な考え方も身につけて欲しいものです。同じ問題を解いて答えを覚えていれば意味がありませんし、「この式なら、この計算で解ける」とワンパターンな考え方で解いていく癖がついてしまったら、応用問題で戸惑ってしまうので気を付けたいところです。

インターリーブ学習とは

インターリーブ学習は、反復学習とよく比較されている学習方法です。同じ内容を繰り返し行う反復学習とは異なり、インターリーブ学習は、ひとつの学習内容に対して様々な方向から学びを深めるものです。

英語の学習を例に見ていきましょう。

単語だけを延々と暗記する方法を反復学習とした場合、インターリーブ学習では、単語だけでなく、文法を学んだりリスニングを行ったりと、変化をつけながら学習していきます。様々な内容の学習を行い、変化をつけることで学習効果が高まるというものです。

幼児期のインターリーブ学習では、絵本の読み聞かせをした後に、物語に登場する人物の絵を描いたり、絵本に描かれている料理を食べるなど関連する活動を行うなどの例があります。絵本の内容と実際の活動を結びつけることで、より理解が深まっていきます。

反復学習にはインターリーブ学習を取り入れながら行う

反復学習とインターリーブ学習のどちらが良いということではなく、両方を取り入れながら学習を進めていけると良いでしょう。

まず基礎となる知識や情報は、反復学習によって身につけていきます。一方で、インターリーブ学習で関連付けた学習を行うことで、子どもたちの理解は深まり、学習への興味も持続しやすくなります。

習いたての漢字をまずはドリルで何度も書いて反復学習を行い、書けるようになってきたら筆で半紙に書いてみてはどうでしょうか。子どもたちはワクワクして筆を持つでしょうし、書いた漢字は経験とともに記憶に残るでしょう。

子どもたちの興味や好きな学習スタイルに合わせて、学習法を柔軟に活用していくことが大切です。

まとめ

今回は、反復学習とインターリーブ学習について詳しく紹介しました。反復学習のデメリットは、インターリーブ学習を取り入れることで解消できます。親としては、子どもが楽しんで学習している姿を見れたら嬉しいですよね。幼児期から取り組める反復学習とインターリーブ学習を取り入れてみてはいかがでしょうか。

「反復学習を、気軽に自宅学習に取り入れたい!」とお考えの親御さま

学習する上で「反復学習」が重要なことは分かったけど、自宅学習に反復学習を取り入れても「同じ問題をやり直す」ことがほとんどで、効率的に取り入れるのはなかなか難しい、、、と悩んでらっしゃいませんか?

それならば、「天神」がお役に立てるかもしれません。

「天神」は、類題を豊富に取り揃えていますので、反復学習する事で身につけた学力をしっかり定着させることのできる教育ツールです。もし「気になる」と思われましたら、お気軽に資料をご請求ください。早く始められるほどコスパよくご利用いただけます。

通信教材「天神」の特徴

豊富な類題と問題数でとことん反復学習

間違えた問題は類題で何度でもやり直す。問題文章や選択肢が変わったり、異なる図形が表示されたり、問題数が多く類題も豊富です。理解できていないまま答えを覚えて先に進んでしまうことがありません。また、テスト学習モードで実践対策も!範囲を選ぶと、問題がシャッフルして出題され、学校でのテストに備えられます。

「天神は」教科書準拠。学校の教科書にそった内容をそのままご家庭で対策!

25年間、常に最新の学習指導要領に対応!常に最新の学習指導要領に対応しています。「天神」は全国の小学校の教科書に準拠しているため、お使いの教科書の内容と同じように進めていくことができます。また、教科書の範囲を超えた、応用・発展・入試対策問題も多く収録されています。

順番に、丁寧に、少しずつ教えてくれるスモールステップ学習

基本の学習スタイルを、レクチャー、ウォーミングアップ、問題解答の3ステップに。 学習開始へのハードルがグググッと下げ、勉強をしやすく、集中力を高め、心地よい学習環境を作りあげています。 他教材での解消しなかった「分からない」「できない」「続かない」を解消しましょう。

「反復学習」を取り入れた通信教材をお探しの親御さま、ぜひ、天神のご利用をご検討ください。

現在、天神では無料体験を実施しています。
毎日楽しみながらゲーム感覚で取り組める問題を10,000問以上収録!
下記バナーから、ぜひ無料の資料請求と体験申込をしてみてください。

Share
目次