小学校受験問題における「お話の記憶」とは 練習方法とそのコツを紹介
今回は、小学校受験問題で頻出の「お話の記憶」と呼ばれる問題について解説します。 どんな問題なのか、というところから、どんな学習をすればこの問題が解けるようになるのかなどを詳しく説明しますので、ぜひご覧ください。
小学校受験問題によく出る「お話の記憶」とは?
小学校受験問題で、一般的に「お話の記憶」と呼ばれる問題は、テープの音声や先生が話すお話を聞き、そのあと、内容について聞かれた質問に答える、という問題です。
実際に、問題を見てみましょう。
「お話の記憶」問題例と解説
以下に示すのは、幼児版「天神」に実際に収録されている問題です。
「今から流れるお話をよく聞いて、そのあとの問題に答えましょう。
おやつの時間です。ライオンさんは、ブドウ。ゴリラさんは、バナナ。パンダさんは、リンゴ。ネズミさんは、ミカンを食べています。」
「お話に出てきた動物を選びましょう。」
答えは、「ゴリラ」ですね。
実際のお受験の問題では、ここで紹介した問題よりも、もっと長いお話が読み上げられることがあります。
また、最後の質問で、登場人物だけなく、出てきたものの数、登場人物の気持ち、お話の中の天気などを問われる場合もあります。 では、このような問題を解くためには、どのような力が必要なのでしょうか。
「お話の記憶」を解くために必要な力
「お話の記憶」を解くためには、以下の4つの力が必要だと考えられます。
- お話を集中して聞く力
- お話を記憶する力(短期記憶)
- お話を想像する力
- お話を理解する力(知識)
1つずつ詳しく見ていきましょう。
お話を集中して聞く力
もし、前述のお話の途中で集中力が切れ、「ゴリラ」の部分を聞き逃してしまったら問題を正解することはできません。
また、最後の部分でどんなことを質問されるかは、お話が終わるまでわかりません。 つまり、できるだけお話の内容を聞き逃さず、覚えておかなければならないので、高い集中力を必要とします。
お話を記憶する力(短期記憶)
お話を聞き取ることができたら、今度はその聞いたことを覚えておく必要があります。
「覚えておく」と言っても、この先ずっと覚えておくのではなく、問題を解くまでの短い時間に覚えておく必要があるので、「短期記憶」の力が大切になります。
お話を理解する力(知識)
当然ですが、お話の中に出てきた言葉(名称)がどういうものか、どんな形や色をしているか、ということを知っている必要があります。
もし、「ゴリラ」や「パンダ」を絵でも写真でも見たことがない、というのであれば、この問題を正解するのは難しくなるでしょう。
お話を想像する力
「お話の記憶」では、イラストや写真などは無く、音声だけでお話が読み上げられます。 そのため、聞いたお話を頭の中でイメージする力があると、問題を解くときに大きな助けとなります。
問題例をもう一度考えてみましょう。
「ライオンさんは、ブドウ。ゴリラさんは、バナナ。…」と聞いて、ライオンがブドウを食べているところや、ゴリラがバナナを食べているところなどを頭の中でイメージできれば、「ライオンさんは、ブドウ。ゴリラさんは、バナナ。」と音声を一言一句覚えておく必要はなくなります。
ここまで、「お話の記憶」の問題例と、それを解くためにどんな力が必要なのかを説明してきました。
ではなぜ、「お話の記憶」が、小学校受験の入試問題として出題されるのでしょうか。
小学校受験において「お話の記憶」が出題される意図
当然ですが、入学後の学校生活でも、お話を集中して聞く・聞いたことを覚える力は大切な力です。
それらの能力が高い子は、授業の内容をスムーズに理解することができたり、クラスメイトと円滑なコミュニケーションをとることができたりと、充実した学校生活を送ることができると考えられますので、学校側には、この問題を通して、その能力がしっかり身についているかを確認する狙いがあります。
また、「お話を理解する力(知識)」を養うには、親子のコミュニケーションが密であることが大切です。
例えば、お子様が「これなあに」と聞いてきたときに、「これは○○だよ」と教えてあげられる関係がきっちりと築けているかなど、お家の方とお子様が良好な関係を築けているか、というところも確認しようとしていると考えられます。
家でできる「お話の記憶」の練習方法
それでは、ここからは、「お話の記憶」の問題が解けるようになるために、前述の4つの力「お話を集中して聞く力」「お話を記憶する力(短期記憶)」「お話を理解する力(知識)」「お話を想像する力」をどのように養っていけばよいのか、ということを紹介します。
読み聞かせ
「お話の記憶」に必要な力を養うには、絵本などの読み聞かせが最も効果的です。 大人でも、小説などを読むときには、「主人公は○○」「△△に行った」「□□に出会った」といった場面の変化を捉え、「短期記憶」の力を使いながら読み進めています。
読み聞かせを聞いているお子様も、場面の変化を理解・記憶しながら読み聞かせを聞いていますので、集中力・記憶力の向上が期待できます。 また、お話の中には、日常生活だけではなかなか触れない言葉が登場することもあるので、お家の方が「○○という言葉を知っているかな?」と質問をして、知識を与えるきっかけにすることもできます。
さらに、絵本の場合、文字で説明されていることが挿絵として描かれていますので、文字や音声と、絵(イメージ)を結びつける練習にもなります。
YouTube
お勉強をするときに「YouTube」を使うのは何だか気が引ける思いもあるかもしれませんが、正しく使えば効果的な学習ツールとなります。 「幼児 読み聞かせ」などと検索をすると、いくつか読み聞かせの動画が出てきますので、お子様に合った動画を選び、お子様と一緒に見て楽しみましょう。
いつもは、お家の方が読み手、お子様が聞き手という役割ですが、「YouTube」を使うことでお家の方も聞き手になることができるので、お子様と「○○というところがおもしろかったね」と、感じたことを共有しやすくなるでしょう。 また、他の人の読み聞かせを聞く機会はなかなかありませんので、抑揚や読むスピードなど、次にお家の方が読むときの参考とすることもできます。
さらに、本番の入試問題では、先生がお話を読み上げる場合もありますが、テープで音声を再生する場合もあります。 「YouTube」を使うことで、色々な方が読み上げた音声を手軽に聞かせることができるので、様々な音声に慣れておける、というメリットがあります。
もちろん、「YouTube」は過激な広告が出たり、次々に動画が始まったりしてしまうので、使用の際には、お家の方がコントロールしてお使いください。
「お話の記憶」を意識した読み聞かせの工夫やコツ
「読み聞かせ」が「お話の記憶」の練習として有効であることがわかりました。
ここでは、ご家庭で「お話の記憶」を意識した読み聞かせを行う際の工夫やコツについて、以下の4つの点をご紹介します。
- 最初は短いお話から取り組む
- 聞き取るポイントを事前に伝える
- 目を瞑らせて、お話のイメージをするように伝える
- 読み聞かせたあとに問題を出す
最初は短いお話から取り組む
「お話の記憶」では、長いお話が問題となることもあるので、長いお話を聞かせておく必要があると思われるかもしれませんが、お子様に無理に長いお話を聞かせて、「読み聞かせは楽しくないもの」と思われてしまっては意味がありません。
お子様が最後まで楽しんで聞くことができているか、という点を気にしながら、少しずつ長いお話に取り組んでいくのがよいでしょう。
聞き取るポイントを事前に伝える
普通、読み聞かせを聞いている子どもは、絵やストーリー全体をなんとなく把握しながら聞いています。
ところが、「お話の記憶」の問題では、登場人物だけでなく、出てきたものの数、登場人物の気持ち、お話の中の天気なども聞かれることがあり、複数の事柄を意識して聞く必要があります。
この対策として、お家で読み聞かせをするときにも「どんな動物が出てくるかな?」「今回は、○○の気持ちを考えながら聞いてみようか」「このお話はお空の様子がきれいだから、一緒に見てみようね」などと声をかけてから読み聞かせをしてみましょう。
いきなりいくつものことを意識しながら聞くことはできないので、1つのお話で意識させるのは1つだけ、というところから始めてください。 読み聞かせが終わったあとには、最初に声をかけたように「どんな動物がいたかな?」「○○は△△のとき、どう思っていたかな?」と聞いて、意識して聞くことができていたかを確認します。
もちろん、最初は、上手く答えられないこともありますが問題ありません。 お子様の頭の中では「このことを意識して聞こう」とがんばっていますので、この取り組みを続けることで「ある事柄を意識して聞く」練習ができます。
目を瞑らせて、お話のイメージをするように伝える
絵本は、子どもにとっては絵を見るのが楽しいということもありますが、「お話の記憶」では、絵が無い状態で場面をイメージする必要があります。 その練習として、「目を瞑って、○○ちゃんの頭の中で絵を描いてみて」と声をかけて読み聞かせをしてみましょう。
この場合も、1冊の絵本の中でずっと目を瞑ってもらうのではなく、「この1ページだけ」や「ここから最後まで」というように、少しずつ始めるのがよいでしょう。
読み聞かせが終わったあとに、頭の中でできたイメージを実際の絵に描いてもらうと、どんなイメージをしていたのかをお家の方が掴むことができるのでオススメです。
読み聞かせたあとに問題を出す
上で紹介した「聞き取るポイントを事前に伝える」の項目と似ていますが、こちらは、読み聞かせ前の声かけはせず、「お話の記憶」の問題と同じように、読み聞かせが終わったあとに問題を出す、という工夫です。
問題は、「○○は、△△をしていたとき、何を持っていたかな?」「□□のときの天気は、どうだったかな?」など、「△△のとき~」と、具体的な場面を示すのがよいでしょう。
最初は、何度も読んだことのある絵本で問題を出して、質問に慣れるようにするのがおすすめです。 いきなり初めて読む本で問題を出して上手く答えられないと、「読み聞かせはイヤ」と感じられてしまうかもしれませんので、お子様の様子を見ながら進めてみてください。
まとめ
「お話の記憶」の問題例と、どのような取り組みをすれば問題が解けるようになるのか、ということを説明しました。
「お話の記憶」は、大人でも難しいと感じる問題です。
練習の工夫・コツの項目でも説明しましたが、初めは、短いお話を使ったり、フォローを多めにしたりしてハードルを下げつつ、お子様がイヤになってしまわないように取り組んでいくのがよいでしょう。 「お話の記憶」の問題に挑戦するときも、短いお話を覚えるものから少しずつ難易度をあげていくのがおすすめです。
そして、「お話の記憶」の練習だけでなく、たくさんの読み聞かせや日ごろの生活を通じて、お子様にたくさんの知識を与えていくことも大切です。 お子様もお家の方も楽しみながら、できることから始めていきましょう。
「お話の記憶」の練習のコツはわかったけれど、実際に取り組むのは大変そう・・・と感じられた方へ
「お話の記憶」をご家庭で練習する際には、
・絵本の読み聞かせで知識をつける
・最初は短いお話から取り組む
といった工夫が大切だとご紹介しました。
とはいえ、お子様に合った良質な絵本を選んだり、「お話の記憶」の簡単な問題集を探したりするのは、家事、育児、仕事などをしながらだとなかなか難しいかもしれません。
「お話の記憶」の対策だけでなく、入試本番に向けて基礎をバランスよく身につけ漏れなくしっかり準備を進めたい、でも忙しい!という方なら、特におすすめです。「天神」幼児タブレット版では、「お話の記憶」だけでなく小学校受験対応の問題を42単元3,800問収録し、保護者様が特別な準備をしなくても、タブレット一つで様々な小学校受験対策ができるツールです。
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なお、今回解説した「お話の記憶」の問題は90問収録しています。
短いお話を覚える易しい問題から、お受験レベルの難しい問題まで用意されているので、スモールステップで問題を解く力を養うことができます。
収録問題数 90問
なんと収録問題数は90問!たくさんの問題に触れられるので「お話の記憶」の問題に慣れることができます。
スモールステップで問題を解く力を養う
天神幼児版タブレットに収録されている「お話の記憶」は、①~⑦まで難易度が設定されています。
最初は短いお話を覚える易しい問題から始まり、最後はお受験レベルの難しい問題まで出題されます。
解説したように、簡単な問題から徐々に難易度を上げていくことが上達のコツですので、天神を使えば、自然とスモールステップでの学習をすることができ、着実に問題を解く力を養うことができます。
「お話の記憶」に必要な力を養う読み聞かせコンテンツも充実
天神には読み聞かせのコンテンツを39作品収録!プロのナレーターが、やさしく読み聞かせてくれます。読み上げている箇所はハイライトされるため、文字と音をつなげて覚えることでき、文字や語彙の獲得につなげられます。
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