【怒る・叱るの違い】子どもの教育における親が叱るべき場面・上手な叱り方・叱る時のルールを紹介します。

子育てをしていると、思い通りにならなかったり上手くいかなかったりする場面がたくさん出てきます。子どもの将来を思うからこそ、大きな声を出したり、キツイ言葉で伝えてみたり、親は色々と試行錯誤して間違いを正そうとするものです。毎日の疲れが重なってくると、誰だってイライラしたりムカムカする瞬間がありますよね。そんな時、お子様に対して感情的に怒ってしまった経験はありませんか?

怒ってばかりいたくはないけれど、愛する子どもが豊かに成長するためには、ダメなことはダメ、と教えなければなりません。厳しく注意する必要も出てきます。そんな時、どうすればいいのでしょうか。効果的な方法はあるのでしょうか。保護者なら、誰でも気になるところですよね。

今回の記事は、怒ること、叱ることを題材に取り上げました。「怒る」と「叱る」、この二つに似たような印象を持たれる保護者は多いかもしれません。

「なんとなく違う気はするけれど、具体的な違いはわからない」

という声も耳にします。まずは、怒る・叱るの違いをしっかりと捉えて理解しましょう。怒ることが、子どもに与える悪影響を知ることも重要です。また、合わせて効果的な叱り方、毎日の生活で気をつけてほしいことや、具体的なテクニック、叱る時のルールまで、すぐに実践できる情報も合わせて紹介します。

目次

怒る・叱るの違いとは

怒る・叱るの違いとは

「怒る」と「叱る」、この二つはどのように違うのでしょうか。

「怒る」と「叱る」の違い

怒るとは、親が子どもに感情をぶつけること。
叱るとは、親が子どもにより良い方法を教えること。

このように考えると、二つの違いがはっきりするのではないでしょうか。怒る目的は、親が感情を発散することです。叱る目的は、子どもに充実した未来を歩んでもらうことです。保護者であれば、上手に叱りたいと思うのは当たり前ですよね。

怒る・叱るの違いには、様々な見方があります。その違いを表にして確認してみましょう。客観的な分析は、自分自身の行動を振り返る時に役立ちます。ぜひ、活用してください。

怒る叱る
言葉が持つ意味感情をぶつけるよりよい方法を教える
目的感情の発散子どもの充実した未来
誰のため親自身子ども
影響脳を傷つける間違いを繰り返さない
その時の感情怒り(感情的)冷静(理性的)
焦点過去(よくない問題)未来(こどもの成長)
「怒る」と「叱る」の違い

また、叱り上手になるためには、怒ることが与える悪影響も知らなくてはいけません。どうして怒ることはいけないのか、子どもにどんなことが起きるのか、を知ることで、叱ることの重要性をさらに深く理解できます。次の項目では、怒ることが子どもに与える深刻な影響を紹介しています。

怒ることで、子どもの脳は傷つけられます

「怒ることって何がいけないの?」
「子どもにどんな影響があるの?」

こんな疑問を持つ保護者は多いと思います。この疑問の答えをはっきり伝えます。

親が感情的に怒ると、子どもの脳は傷つけられます。福井大学子どものこころの発達研究センターの友田明美教授の「体罰や言葉での虐待が脳の発達に与える影響」の研究によって、怒られすぎた子どもの脳に萎縮や肥大が見つかっているのです。また、脳の特定領域が欠損や変形することまで明らかになっています。言語野(言葉の理解や表現を司る脳部位)や聴覚野(声や音を知覚する脳部位)が傷ついてしまったらどうでしょう。子どものコミュニケーションに大きな困難が生じます。それは、お子様の社会的能力の広がりを妨げてしまいます。怒るとは、子どもの見えない部分を傷つけてしまう行為なのです。

実際に怒られている時、子どもの脳は思考が停止している状態なのだといいます。言語処理能力と思考力が低下するため、親の言葉を理解する働きが失われているのです。親が子どものためを思って伝えた言葉だとしても、思考停止した子どもには届きません。そして、怒られ続けた子どもは、表情が乏しくコミュニケーション能力も低下してしまうのです。

これを聞くと、保護者はショックを受けるでしょう。お子様を注意するのが怖くなってしまうかもしれません。しかし、大丈夫です。親は、子どもを怒るのではなく、きちんと叱ればいいのです。そのための情報をこれから紹介していきます。上手に叱るコツを身につけて、怒るのではなく、叱る習慣を自分のものにしていきましょう。

子どもを叱るべき場面

子どもを叱るべき場面

親は子どもに、自由に楽しんでほしい、のびのびと過ごしてほしいと願うものです。なるべく細かいことは言わずに、お子様が自分らしく成長するのを手助けしたいと考える保護者が多いのではないでしょうか。そうは言っても、親として子どもに注意を与える場面は必ず訪れます。では、一体どんな時に叱ればいいのでしょう。

これから、子どもを叱るべき場面を三つ紹介します。こんな時は、子どもの将来のために、しっかりと叱ってあげてくださいね。

人(自分も含め)を傷つける恐れがある時

子供を叱るべき一つ目の場面は、人を傷つける恐れがある時です。熱いお湯が近くにあるのにふざけていたり、刃物を振り回して遊んだり、友達を叩いたり蹴ったりするなど、子ども自身や周囲の人を傷つける恐れがある時は、子供を叱らなければなりません。そうしないと、同じことを繰り返してしまいます。3歳頃までの子どもだと、どんな行為が身の危険に繋がるかを知らないこともあります。叱る時には、どうして危険なのか、その理由もあわせて伝えることが求められます。

モラルや社会のルールから逸脱している時

子どもを叱るべき場面の二つ目は、モラルや社会のルールから逸脱している時です。子どもの道徳意識を育み、社会のルールについて教えるのも親の重要な役割です。遊びに行く公園や近所のスーパー、通っている幼稚園や保育園など、お子様はすでに社会に足を踏み入れています。人のいる場所では静かにしたり、順番をきちんと守ったり、道徳やルールは社会で気持ちよく過ごすために必要不可欠です。親にとって当たり前のことでも、子どもにとっては知らないことばかり。一から始めて、すぐに上手くいくわけではありません。お子様と一緒に、じっくりと時間をかけて取り組んでくださいね。

されたらいやな行為をしている時

子どもを叱るべき場面の最後は、されたらいやな行為をしている時です。嘘をついたり、約束を破ったり、誰かを仲間はずれにしたりなど、こういった行為は子どもの人間関係に影響を及ぼします。より良い人間関係を築くことは、子どもの健やかな成長にとって重要なポイントです。また、子ども自身がされたらいやな行為を考えることで、相手への興味関心や自他の違いについて理解を深めることに繋がります。ただ叱るだけではなく、保護者が一緒に考える機会を増やしていくと、お子様の思いやりが育つのではないでしょうか。

子どもの教育における上手な叱り方

子どもの教育における上手な叱り方

叱るとは、親が子どもにより良い方法を教えることです。教えるからには、効果的に教えたい、正しく教えたい、と考えるのが当然ですよね。ここでは、上手な叱り方をするために押さえておきたい点を紹介します。これを読んで、今までの自分の叱り方をチェックしてみるのもオススメです。毎日の生活に取り入れて、叱り上手へステップアップしてくださいね。

その場ですぐに叱る

叱る時は、その場ですぐに叱りましょう。時間が経つと、子どもは忘れてしまいます。後から言って聞かせても、何のことだかピンとこないのです。これでは、意味がありませんよね。

具体的に理由を説明して叱る

親がどうして叱っているのか、具体的に理由を説明して叱りましょう。「ハサミを振り回すとケガをするから危ない」、「病院で大声を出すと周りの人が迷惑するからいけない」など、理由を簡潔に伝えましょう。いけない行為とその理由が結びつくことで、子どもの理解は深まります。

短く、シンプルに叱る

叱る時に大事なのは、子どもに分かりやすいことです。時間をかけると情報量が増して、子どもが混乱してしまいます。短く、シンプルに叱ることで、親の思いが子どもに伝わりやすくなるのです。きちんと説明すると長くなってしまいそうな時でも、要点を見極めて、最も言いたいことだけを伝えましょう。

目を見て、真剣な表情で叱る

叱る時は、子どもの目を見て、真剣な表情で叱りましょう。子どもの目線に立って、きちんと目を見てください。それは、「あなたに伝えている」ことを示す強いメッセージです。親の真剣な表情を見れば、「これは大切なことだ」と子どもに伝わります。非言語の工夫が、子どもの理解を助けてくれるのです。上手に叱るために、立ち居振る舞いや仕草などにも気を配りたいものですね。低い声で伝える、というのも効果的な工夫の一つです。

ポイントを決めて叱る

叱るのは、いま、ここで起きている行為に対してです。ポイントを決めて叱りましょう。「いまの遊び方は危ない」「ここでうるさくするのはやめよう」など、この瞬間に起きている現象に焦点を絞ることが大切です。以前にあったことや別の行為に話が移ってしまうと、子どもは、何を叱られているのか分からなくなってしまいます。

子どもを叱る時のルール

子どもを叱る時のルール

子育てする時期に、親が子どもを叱るのは一度や二度ではありません。だからこそ、叱ることの質にこだわりたいですよね。その質を保つためには、子どもを叱る時のルールが必要です。叱ることは、一歩間違えてしまうと攻撃や非難になる可能性があります。それでは、子どもの充実した未来に繋がりません。これから紹介するルールに照らし合わせて、自分の叱り方を点検してみましょう。見直すところがあるのなら、叱り上手に成長できるチャンスです。どんどん取り入れてくださいね。

子どもの人格を否定しないこと

叱る時には、子どもの人格を否定しないでください。叱るべきは、問題となる行為のはずです。

「こんなことをして悪い子だ」
「あなたはダメな子だね」

など、子どもの全てを非難するのはやめましょう。全てを否定された子どもは、

「とにかく自分が悪いんだ」
「どうせ私はダメなんだ」

と自信を失ってしまいます。これでは、子どもの充実した未来を目指しているとは言えません。

責任の所在を探すのではなく、どうするべきかを伝えること

叱りたいのは、問題となる行動です。その問題を繰り返さないように、責任の所在を探すのではなく、どうするべきかを伝えることが重要です。責任を追求しすぎると、子どものいけない行為を責め続けることになります。悪いところを踏まえた上で、次はどうしたらいいのか、を子どもが考える手助けをしてあげてください。一緒に対策を考える作戦会議なんていいかもしれません。一生懸命に考えた対策が実を結べば、子どもは自身の成長の手応えをしっかりと感じるはずですよ。

友達や兄弟など人前ではなるべく叱らないこと

友達や兄弟など人前で叱ってはいけません。人前で叱られると、子どもは「恥ずかしい」という気持ちでいっぱいになってしまいます。叱られたことに対する反省よりも羞恥心が大きくなっては意味がありません。また、人前で叱るのは、子どもの持っている自尊心を傷つけて自信を失わせる行為です。なるべく、一対一の環境を整えてあげてください。静かな声で周りに聞こえないように伝えるのも、お子様の自尊心を守る工夫の一つです。

人と比較して叱らないこと

叱る時に、人と比較しないことも大切です。お子様自身をしっかり見てあげてください。

「お兄ちゃんは上手にできたのに」
「あの子はあんなこともできてるのに」

など、兄弟や友達と比べるのはやめましょう。子どもは、傷ついて自信を失ってしまいます。

怒ってしまったときや叱りすぎたときは素直に謝ること

冒頭でも触れたように、子育ては思い通りにならない場面の連続です。毎日の生活で疲れやストレスが溜まってくれば、感情がピリピリするのが当たり前でしょう。誰でも、いけないと分かっていながら、子どもに怒りをぶつけたり、厳しく叱りすぎてしまった経験があるはずです。そんな時は、素直に謝りましょう。時間を空けず、「ごめんね」と伝えましょう。小さなお子様にはスキンシップも有効です。きっと、安心して許してくれます。

それに、親がきちんと謝る姿は、子どもにとって立派なお手本になります。そんなチャンスだと考えて、怒ってしまっても叱りすぎても、あまり落ち込まないでくださいね。

叱るは褒めるとセットで使うこと

叱ることは大事ですが、叱るばかりではいけません。叱るは、褒めるとセットで使うことで効果が高まります。子どもは、叱る前に褒めてあげると、注意の言葉を受け入れやすくなります。そして、叱った後に褒めてあげれば、嬉しい気分で前向きになるでしょう。叱る時には、その前後に褒める​ように意識してください。叱ると褒めるの相乗効果を狙いましょう。

子どもに対しては、褒めるを八割、叱るを二割にするといいとも言われています。普段から、お子様の褒めるところをたくさん探して伝えてあげてくださいね。

ご紹介したとおり、子どもを「叱る」ときは

褒めるとセットで使うこと

が重要です。

しかし、ついつい感情に任せて怒ってしまい、褒めることを忘れたり、
叱りすぎて自己肯定感を高めてあげれていないんじゃないか、、、

などのお悩みをかかえていませんか?

もっと手軽に、負担なく、実生活で「褒める機会」を増やしてあげれたらなぁ、、、

と。

自己肯定感を高めるための要素が盛りだくさん。
さらに幼児期に学ぶ内容をまるっと学習できる。
そんな方法があったら試してみたくはありませんか?

・一問正解するたびに様々な言葉で褒めてくれるので、集中力もやる気も切らしません。
・お子様の「好き」を活かし、自主性、集中力、やる気、学習効率をUPさせます
・幼児が集中できる時間は非常に短いからこそ出題⇒正解⇒ほめるを短時間で!

などに加え、

・約700種類2,000枚以上収録されたフラッシュカード
・遊び感覚で集中しやすい
・読み聞かせは読み上げ箇所をハイライトで語彙を増やします

さらにママ・パパは幼児教育の知識やスキルも身に付けられる。

そんなツールが「天神」幼児タブレット版です。

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幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
「幼児教育はまだ早い」と思われている方ほど、早めの取り組みをおすすめします。

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