ドルトンプラン教育を簡単に解説!メリット・デメリット、日本で実施している学校も紹介します。

ドルトンプラン教育という教育法をご存知でしょうか?オルタナティブ教育のひとつであるドルトンプラン教育は、従来の教育にはない魅力があるとして近年人気が高まっています。

ドルトンプラン教育に関するお悩み

「ドルトンプラン教育に興味があるけれど、具体的にどのような特徴があるの?」
「ドルトンプラン教育を子どもに受けさせると、どのようなメリット・デメリットがあるの?」

このような疑問を持っている保護者の方もいると思います。今回の記事では、ドルトンプラン教育の特徴からメリット・デメリットまでをわかりやすく解説し、日本でドルトンプラン教育を受けられる学校についても紹介していきます。ぜひ最後までご覧いただき、お子さんへ取り入れる教育法の参考にしてみてください。

目次

ドルトンプラン教育とは

ドルトンプラン教育とは、簡単に言うと「クラスの規模が大きくても、個々の子どもに合わせた教育を提供する」教育アプローチです。モンテッソーリ教育などを取り入れて完成されています。

では、考案された背景から概要までを解説していきます。

ドルトンプラン教育が指導・実施された背景

ドルトンプラン教育が指導・実施された背景

ドルトンプラン教育は、1920年代に教育家のヘレン・パーカーストが創案した教育メソッドです。アメリカマサチューセッツ州のドルトンという町で誕生したことからこの名がついています。

当時のアメリカでは、違う学年の子ども達が同じクラスで学ぶ「単級小学校」が普及していました。個別学習の重要性を感じていたヘレン・パーカーストは、学年の異なる生徒一人ひとりに合わせた学習をさせていながらも、教師への負担が重いことを痛感し、よりよい教育法を模索していきます。

そしてイタリアのモンテッソーリ教育からもヒントを得てドルトンプラン教育を完成させていきました。日本でも、大正時代に新教育運動の代表的な実践理論として紹介され、ヘレン・パーカーストが4回にわたり来日講演をしたという記録も残っています。

しかし、日本の軍国主義が進んでいく中で、自由な発想を進めるドルトンプラン教育は衰退していき、1970年代に入るまで日本でドルトンプラン教育が再導入されることはありませんでした。

オルタナティブ教育

日本では文部科学省の定めたルールの中で学校教育法に則って教育施設が設けられており、こうした施設を「一条校」といいます。

一方、オルタナティブ教育は学校教育法に縛られない非正規の教育機関で、独自のアイディアや教育方針の基で教育を行っています。オルタナティブ教育は一条校とは運営制度が異なるので、規定の法律に縛られずに、従来の学校ではできないような独自の新しい取り組みをすることが可能です。モンテッソーリ教育をはじめ、ドルトンプラン教育もオルタナティブ教育の一つです。

対象教育年齢

ドルトンプラン教育は1歳の幼児クラスから18歳の高校生まで、幅広い年齢で受けることができます。それぞれの年齢によって取り入れている教育方法は異なりますが、あくまでも一人ひとりの興味や関心に応じて、個人の能力を引き出せるようなカリキュラムを組んでいくことが特徴です。

ドルトンプラン教育の特徴

ドルトンプラン教育は、2つの原理と3つの柱から成り立っています。それぞれの具体的な特徴を見ていきましょう。

2つの原理

ドルトンプラン教育では、「個別に指導をしながら集団に対して同時に教育を施す」という難しい問題を達成するために、2つの原理を取り入れています。

自由の原理

子ども達が自ら考え行動する力を養うために、生徒一人ひとりがやりたい事や考えた事を出発点として、それを実現できる環境を整備し「自主性」「創造性」を育みます。自由の原理によって、子ども達には以下のような能力を育てることができるといわれています。

・自分で考えて行動するための思考力
・取り組む課題への集中力や持続力
・物事への興味や関心を高める探究心

子ども達の自主性や創造性を育てるために、ドルトンプラン教育では十分な時間を設けて必要な環境を整えることを大切にしています。

協同の原理

年齢の違うさまざまな人々と交流することにより、多様な価値観や立場の違いを理解し「社会性」と「協調性」を身につけます。ドルトンプラン教育では、学校は周りの人との交流から学ぶコミュニティとしており、学年やクラスの垣根なく人と関わることが特徴です。集団の中で多様な価値観や立場に触れることで、他人を思いやる心や柔軟な社会的態度などを養っていく環境が整っています。

3つの柱

ドルトンプラン教育の2つの原理を具体的な教育法に落とし込むためのメソッドとして、3つの柱があります。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

ハウス

ハウスとは、一般的な学校教育での「ホームルーム」のことで、「家庭的な教室」を意味します。

ハウス

異なる年齢の子ども達から構成されるハウスでの交流を通して、考えや価値観が多様化し、さまざまな体験を共有することで社会性を育んでいきます。担任となる先生は「ハウスアドバイザー」と呼ばれ、生徒・保護者・専門の先生達との関係がスムーズに進むようにサポートするコーディネーターでもあります。

アサイメント

アサイメントとは、生徒と先生との間で交わされる約束のことで、子ども達の学習意欲を引き出し、自主性や計画性を養うことを目的としています。

それぞれの年齢や個性に合わせた課題が与えられ、子ども達は期限までに約束を守って実行することが求められます。先生が与えるのはあくまでも指針であり、約束を守るために子ども達は自分自身でゴールを設定して計画を立てていくことで、時間を逆算して活動することや時間を管理する能力などを養っていきます。

ラボラトリー

ラボラトリーとは、「研究室」や「実験室」という意味をもち、子ども達が専門教科を学ぶ場となります。

低年齢のグループではハウスアドバイザーを中心に授業を進めますが、年齢が上がるに従って子ども達は自分の興味や関心から学習課題を設定して研究していくようになります。専門の知識を持つ先生の元からそれぞれ学ぶようになりますが、先生はあくまでもアドバイスをする補佐的な役割を担い、学習していく主体は子ども達です。ラボラトリーでの取り組みによって、専門性や実践力を育んでいくのです。

ドルトンプラン教育のメリット

一般的な学校教育とは違うドルトンプラン教育を受けることで、どのようなメリットがあるのでしょうか。具体的にみていきましょう。

個性が伸びる

子ども達が自分の興味を持った分野を自分のペースで学んでいくことができるため、子どもの個性を伸ばしていくことができます。

ドルトンプラン教育は、人はそれぞれ違って当たり前ということを前提に教育方法が確立されているため、個性を尊重する経験を多く積むことができるのです。自分の個性を認めて伸ばしていくことで、他人の個性も尊重していけるようになります。

自主性・責任感が育まれる

ドルトンプラン教育では、自分で学びたいことを自分で選択していったり、異なる年齢の集団の中でも個を意識して行動する機会が多いため、自主性を育てることができます。

また、アサインメントを遵守したり自由の中でも守るべきことを意識することは、責任感を高めることに繋がります。一人ひとりの個性を大切にした自由な環境の中でも、守るべき責任があるという環境で過ごすことで、子ども達の自立心や責任感を養うことができるのです。

探求心が育まれる

ドルトンプラン教育では、ラボラトリーでの探究など、子ども自身が学びたいと思うことを好きなだけ深堀りしていける仕組みが整っています。

自分の興味のあることにとことん没頭し、知識や経験を深める体験は、新しい価値を創造するためにもとても役立ちます。ドルトンプラン教育を通して、子どもの探究心を育み、没頭して物事を極める力を磨くことができるでしょう。

ドルトンプラン教育のデメリット

さまざまなメリットのあるドルトンプラン教育ですが、知っておきたいデメリットについても紹介していきます。

教師のスキルで授業の質が左右される

教師のスキルで授業の質が左右される

ドルトンプラン教育では、先生が「ハウスアドバイザー」として子どもの学習をサポートしていくため、教師のスキルが授業の質を大きく左右します。

教師が生徒一人ひとりの個性や特性をしっかりと見抜き、その生徒に合ったサポートができるかどうかで子どもの成長が影響されてしまうのです。また、高学年になるにつれて生徒の興味はどんどん専門的になってくるため、教師もその分野のサポートがしっかりとできるだけの専門知識を持っている必要があります。

ドルトンプラン教育の魅力を最大限に活かすためには、教師のスキルがとても重要だといえるでしょう。

日本で学べる学校がほとんどない

日本でドルトン教育が受けられる学校は、2023年時点で東京と名古屋にしかありません。興味を持っていても、近くに通える学校がないといざ子どもを通わせることはハードルが高くなってしまいます。学校数や生徒数が少ないと、実際に学校に通っている生徒の声もなかなか聞くことができないので、学校の様子などがわかりにくいといったデメリットもあるでしょう。

ドルトンプラン教育を受けることのできる日本の学校

ドルトンプラン教育は比較的新しく取り入れられるようになってきた教育法のため、日本で受けられる学校はまだ少ないのが現状です。ここでは、ドルトンプラン教育を受けることのできる日本の学校を2つご紹介します。

ドルトン東京学園 中等部・高等部(東京都調布市)

ドルトン東京学園の理念は「汝自らを求めよ」として、「ありたい自分、あるべき自分を求め、学び続ける人」となるように、生徒の「自由」と「協同」をしっかりと実践していくことが基本方針です。

中等部と高等部の入学が可能で、ドルトンプランとICT教育を融合させていることが特徴です。学校行事にSTEAMフェスがあったり、クラウド上でアサインメントを管理するなどデジタル化が進んでいます。アクティブスペースやラウンジなどの学校内の施設も充実しているので、生徒が自由に自ら学びたいことを探究していける環境が整っています。

ドルトンスクール(東京都渋谷区・愛知県名古屋市)

1976年に河合塾がニューヨークのドルトンスクールと提携して開校したドルトンスクールは、東京と名古屋で展開しています。

文部科学省から一条校としての認可はされていませんが、50年近くの実践ノウハウを蓄積しており、これまでに提携のニューヨーク・ドルトンスクールの元校長をスーパーアドバイザーとして招いたこともあります。週に数回の1・2歳向けプレイグループ、3~5歳児向けの全日制ファーストプログラム、小学生の放課後スクールなどの年代別クラスが用意されています。対象年齢が1歳~12歳なので、幼児期からドルトンプラン教育を経験させたい方はドルトンスクールを検討してみると良いでしょう。

まとめ

この記事では、ドルトンプラン教育の特徴やメリット・デメリットについて解説してきました。

ドルトンプラン教育は、子ども一人ひとりの個性を大切にし、子どもの好奇心や探究心を伸ばす教育方法です。日本で通える学校はまだ少ないですが、世界的に注目されている教育方法であるドルトンプラン教育の理念に共感した方は、お子さんへの教育として検討してみてください。

ドルトンプラン教育のように「個性・自主性を伸ばす教育」をご自宅でも

今回ご紹介した記事を読んで「ドルトンプラン教育」のメリットは理解したけど、受けることのできる学校も少ないし、自宅でどう取り入れていけばいいのかわからない、、、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

「この子の将来のため!」という気持ちがあっても忙しい毎日に追われ、「教育方針を切り替えて生活に取り組むのは難しい…」と思われませんか?

では「子どもの才能や個性に合わせて学習できる」「子どもの自主性を伸ばす」というツールがあったら体験してみたくなりませんか?

それならば、「天神」幼児タブレット版がお役に立てるかもしれません。

「天神」幼児タブレット版では、子どもの「好き」という気持ちを活かしながら才能を発掘して伸ばせる「才育」に適した「オルタナティブ教育の要素を持った」子ども用学習タブレットです。

もし「気になる」と思われましたら、お気軽に資料をご請求ください。早く始められるほどコスパよくご利用いただけます。

子どもの個性・自主性を伸ばす」天神幼児タブレット版の特徴

「まわりの子と一緒」で画一的に学ぶのではなく、お子様の個性・自主性を伸ばす

お子様の「好き」を活かし、0歳から6歳までの全範囲から「これがしたい!」と思う内容をいつでも学べるのが「天神」です。知識、数量、言葉、記憶、思考の5系統62ジャンル、ひらがな、カタカナ、数、時計、図形、比較、朗読、百人一首などを収録。どれでも好きなものがいつでも使えます。自分で選び、好きなことを伸ばす教育ができます。

親も一緒に取り組むことで、学ぶための土台を楽しみながら作ります

①正解のたび②クリアのたび③ゼニーが貯まるたびなど「天神」は一緒に楽しんで喜ぶ機会を演出します。学習して貯まったゼニーでシールを獲得。小さな目標を少しずつクリアすることで、「もっとやりたい!」の気持ちをくすぐります。

ドルトンプラン教育のように子どもの「個性・自主性」を楽しく伸ばしたい親御さま、ぜひ、天神のご利用をご検討ください。

現在、天神では無料体験を実施しています。
毎日楽しみながらゲーム感覚で取り組める問題を10,000問以上収録!
下記バナーから、ぜひ無料の資料請求と体験申込をしてみてください。

Share
目次