【40%の子育て世代が関心をもつ】田舎での子育てにおけるメリットとデメリットの対策を紹介します。
リモートワークの普及によって、どこでも仕事が出来るようになった昨今、自分らしい生き方を求めて、地方へ移住を考える人が増えています。しかし思い立ったからと言ってすぐに行動できるものではありませんよね。例えば子どものことを考えるにしても様々な問題が出てきます。
田舎への移住を検討するとき、そしていざ移住を決めた後も、特に子どもを取り巻く環境に関する悩みや不安を抱える保護者の方は多いのではないでしょうか。本記事では、移住で子育てをする家族の背景や、田舎で子育てをするメリットとデメリットについて詳しく説明します。田舎の生活のイメージが湧かない、そんな保護者の方はぜひ参考にしてみてください。
都会から田舎へ移住する子育ての魅力
都市部での受験が過熱する一方で、都会から田舎へ移住して「自然や地域に密着した子育て」を重要視する家庭も増えています。田舎での子育てを後押しする背景には、一体何があるのでしょうか。
４割の子育て世代が地方移住に関心あり
株式会社カラダノートが2023年に行った調査によれば、子育て世帯の4割が地方の移住に関心があると回答しました。その中でも、「子どもの入園・入学前」を移住のタイミングと考える世帯が約3割という結果に。
- 自然の豊かさの中で教育を受けさせたい
- 地域コミュニティが充実している環境で子育てしたい
- 協力者がいる出身地で子育てしたい
- 生活コストを下げたい
子どもの教育環境を整えるのはもちろん、親も暮らし方を見直したいと考えているようです。親自身が自分の人生で「やりたいこと」を地域の中でカタチにする。そんな暮らし方や働き方が描けるのも、移住という決断が後押しするのかもしれません。
移住に関する支援と地域に密着した教育
移住を決断する背景には、移住者のための充実した支援制度があります。ファミリー向けの移住体験では、教育施設や図書館・病院などの施設見学や、子育てママとの意見交換の場を提供してくれる自治体もあるようです。
また、移住支援金や起業支援金のほかにも、プロの指導者を招いて野球やサッカーの指導が行われたり、文化活動の推進として交響楽団所属の演奏者による指導が受けられたりする自治体もあります。地域を盛り上げようと自治体の温かさに触れられる機会なので、ぜひ前向きに検討してみましょう。
移住・地域おこしイベントの充実
田舎への移住を進めるために、移住・地域おこしフェアなど移住に関するイベントが都内でも定期的に開催されています。移住を検討する方の中には、移住後のイメージが湧かない、移住は気になるけどどこから手をつければいいのか分からないという声が多いのも事実。
地域の生の声を聞くことで、「田舎で子どもをどう育てていくか」を明確にできるきっかけになります。また、移住のイベントでの出会いが、今後移住した後の強い味方になってくれたという声も実際にあります。
人とのつながりを自分で作り上げていくのも、移住で得られる強みと言えるでしょう。
田舎で子育てをするメリット
移住が進む中、子育て中の家族が思うのは、『田舎の子育てが子どもにどのような影響を与えるか』でしょう。田舎で子育てをするメリットとして、下記のことが挙げられます。
それぞれ詳しくみていきましょう。
田舎の自然そのものが学びになる
田舎で子育てするメリットとして、田舎ならではの自然の学びが挙げられます。季節によって田んぼや畑の移り変わる風景、海に浮かんでいる漁船とその周りの空を飛び回るトンビ。子供にとっては「あれなに？」の連続です。
子どもの「知りたい」「おもしろい」と内から湧き上がってくる意欲が、子どもの主体的な学びへとつながります。田舎という自然そのものの環境は、子どもにとって好きな「なにか」を見つけるタネが、たくさん散りばめられているとも言えます。
地域の交流が充実している
田舎は趣味の集まりや清掃活動などの地域活動が多く、地域の交流が充実しているので、子育てをする中で下記のようなメリットがあります。
- 近くに住んでいる人の顔が分かる安心感がある
- 困ったときに相談しやすい
- 子どもを地域で育てる意識が高い
- 地域ならではの交流がある
住んでいる地域によっては、魚の捌き方を授業で経験できたり、竹細工を体験したりなど、その地域ならではの体験ができます。子どもの頃の自然体験や地域活動の体験の有無は、学力以外の生きる力や生きていく上での選択肢に大きく影響します。
地域とつながって生きることは、これからの子どもの選択の幅をさらに大きくするでしょう。
遊び場所が空いている
田舎で生活するメリットとして、施設の遊びがスムーズなことが挙げられます。田舎は交通量が少なく施設も広大な場所が多いので、渋滞や駐車場が見つからない可能性は低いです。遊具の順番待ちが短く済むのも、田舎の大きなメリットでしょう。
田舎で子育てをするデメリット
子育てしやすいと感じる面が多い田舎ですが、田舎だからこそのデメリットもあります。
それぞれ説明していきます。
学校を選ぶ選択肢が少ない
地方の学校は、都市部に比べて圧倒的に私立学校の割合が少ないので、自分に合った学校を選択できないというデメリットがあります。私立学校が少ないという地域の特色ゆえ、公立学校に通うのが普通という捉え方をしている家庭が多いのも事実です。
教育に対する価値観や教員の資質をより重視されるご家庭は、都市部での教育の方がふさわしい場合も考えられるでしょう。しかし、この学校に入学したいというしっかりとした意志と学力があれば、どんな学校へも行くことが出来ます。
習い事が限られる
田舎で子育てする中で、多くのご家庭が直面するのが習い事。やはり習い事の数は、田舎よりも都会の方が多い印象です。田舎は習い事が少ない上に、家から習い事まで距離が遠い可能性もあるので、保護者の送迎の負担が増えることが予想されます。
子どもの可能性や経験の幅を広げてくれる習い事が限られるのは、保護者としては悩ましいですね。
医療機関が遠い
田舎で子育てする中で困るのが、医療機関への受診です。地方の医療機関は、24時間対応している小児科病院が限られていたり、小児科のある病院の数が少なかったりします。たとえ田舎であっても、小児科の受診で2時間以上待つこともしばしば。
子どもが小さいうちは体調を崩しやすく、何度も小児科に通うことが多いので、医療機関の場所は押さえておきたいものです。
田舎での子育てをしやすくするために
田舎で子育てをする中で保護者が最も気がかりなのは、「子どもの教育」や「子どもを取り巻く環境」ではないでしょうか。ここからは保護者の不安を軽減するために、田舎での子育てをしやすくする方法をご紹介します。
オンラインという言葉がありふれたものになり、多様性を受け入れる今の時代だからこそ、田舎での子育てはより可能なものへと変わりつつあります。
【教育】特認校・ホームスクーリング
田舎でも子供に合った学校に通って欲しい、子どもの特性を生かした学習の環境を取り入れたいという方には、特認校やホームスクーリングとよばれる学び方の選択肢があります。
| 特認校 | ホームスクーリング | |
| 概要 | 同区内の居住者であれば通学区域に関係なく就学できる学校の運営体制 | 学校に通学せず、家庭に拠点を置いて学習を行うこと |
| 学びの特徴 | 少人数を生かした授業豊かな自然の体験地域の歴史や文化を深く学ぶ | 保護者が教員の代わりになって学習を進める子どもの興味や自主性が高まりをみながら適切な教育を行う |
| メリット | 学校の教育内容をもとに検討・選択できる学区を超えた人々との交流ができる | 子どもの特性や成長に合わせて学習を調整できる子どもがリラックスした状態で学習できる |
これらの学び方は、多様な学びの形態のひとつとして、学校教育での理解も進み始めています。移住によって得られる個性豊かな教育を経験できるように、そして常に学びの中心は子どもであるように、家族の幸せのカタチを考えてみてはいかがでしょうか。
【習い事】オンライン講座
地方への移住によって「子どもがやりたい習い事がない…」と悩むご家庭のために、ぜひ一度習い事のオンライン講座がないかチェックしてみてください。オンラインであれば送迎の心配もなく、効率的に学習を進められます。なんと今では、オンラインでダンスや美術も習えるから驚きです。離れた場所からでも同じ内容が学習できるオンライン講座は、移住家族の強い味方ともいえます。
【医療】夜間受診できるかシミュレーションを
田舎での子育てを検討する場合は、まず小児科をはじめとする病院をスムーズに受診できるかどうか、シュミレーションすることをおすすめします。特に夜間は対応していない病院もあるので、夜間受診の時にどう行動するかが重要です。
移住を検討する際は、医療機関の受診方法をまずは確認して、可能であれば実際住んでいる子育て中の保護者の声も聞いておくと安心でしょう。
新たな場所が『新しい家族のカタチ』を創り出す
地方への移住が増えている背景や、田舎で子育てをするメリットとデメリットについてご紹介しました。自然に囲まれて穏やかに生活したいと願う一方で、田舎ならではの難しさもあります。
どこに移住したいかよりも「なぜ移住したいか」を考える。移住を検討するタイミングは、今後の家族のあり方を見つめ直す機会です。お子様の素敵な笑顔が輝く場所こそ、家族が幸せになる場所なのかもしれません。
田舎は塾も少ないし、学校の勉強が遅れがちになるのでは？とお考えの保護者様
田舎の学校は「のびのび学ぶ」というイメージもあり、学校の勉強はもちろんのこと、塾も少ないのなら子どもの勉強に関しては少し遅れてしまうのでは？と不安になる保護者の方もいらっしゃるでしょう。
結論から言ってしまうと、学習の進行度合いは学校や担任の先生によります。学習が遅れてしまうこともあれば、しっかりカリキュラムに沿って授業を行う先生もいらっしゃるでしょう。この点は都会も田舎も変わらないのですが、塾に関しては都会の方が「塾を選べる」分、塾自体、常に学習の質を向上する気持ちが大きいかもしれません。
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