【幼児教育とは?】幼児教育を行うメリットと、家庭で出来る8つの教育法をご紹介

幼児期は子供たちの成長にとって重要な時期であり、その基盤を築くために幼児教育は欠かせません。

しかし、幼児教育とは具体的に何なのでしょうか。この記事では、まず幼児教育の意味や重要性について解説し、家庭で実践できる幼児教育のメリットと、具体的な方法について紹介します。

この記事でわかること
  • 何歳から幼児教育を行うべきか
  • 幼児教育を行う上でのメリット
  • 家庭で出来る幼児教育
目次

【簡単に】幼児教育とは?6歳までの幼児教育の重要性を解説します。

幼児教育とは0歳〜6歳の未就学児を対象にした教育です。この期間は将来の「社会を生きる力」や人間形成の基礎を身につける重要な期間といわれています。

教育方法は多彩に存在し、幼児教室などが注目されていますが、ご家庭で取り組むことも大切です。ここでは、幼児教育について詳しく解説し、また6歳までの家庭学習の重要性を説明します。

幼児教育は何歳から必要?

幼児教育は3歳までの早い段階での開始が推奨されています。理由は、人間の脳は3歳までに全体の8割まで成長するといわれており、脳が成長のピークを迎えるまではスポンジのように吸収しやすい時期だからです。平成29年2月に東京都世田谷区が取りまとめた「世田谷区幼児教育・保育推進ビジョン」において、アンケートに参加された保育施設の園長は、0歳から入れる幼児教室や教材等は多く、早期教育や小学校受験に熱心な保護者の割合は、過去10年において54%「増えた」と回答しています。

※平成29年 世田谷区教育委員会が区内の保育園長と幼稚園長を対象に行った「世田谷区幼児教育・保育推進ビジョンのためのアンケート調査報告書」による

とはいえ、3歳を超えたから幼児教育の効果が得られないというわけではありません。年齢等の発達状況に応じた学習に取り組むことで子どもの能力や集中力、自発的な学習意欲の向上など小学校以降の環境を生きる基礎を身につけることができます。

幼児教育を行うメリット

文部科学省は、幼児教育を子どもの基本的な生活習慣や態度を育て、小学校以降の社会における生きる力や人間形成の基礎を培う重要な役割と位置づけています。この内容に基づき、幼児教育を行うメリットを紹介します。

集中力・記憶力が高まる

幼児教育には子どもの集中力と記憶力を高める効果があります。集中力や記憶力は、小学校以降の社会生活において重要な能力であり、学習の理解力や作業効率など様々な部分へ影響します。そのため、子どもが楽しく夢中になれる遊びや体験を取り入れるなど、学習環境を整えることが大切です。

知的好奇心が高まる

幼児はあらゆることに興味・関心を示します。この時期の様々な体験が刺激となり、好奇心や探究心を高めます。知的好奇心は、自発的な学習意欲の向上につながるため、幼児教育では絵本やブロック遊びなど多彩な学習を取り入れることが大切です。

自己肯定感が育まれる

幼児期に自己肯定感を育むと、学力や交友関係など多様な面において自信を持って行動できる人間になることにつながります。幼児教育で子どもの自己肯定感を育むためには、具体的な学習内容より子どもに対する周りの大人の接し方が重要です。以下の接し方は、子どもの自己肯定感を高めるうえで効果的とされています。

  • 子どもの成功を褒める・喜ぶ
  • 子どもの話に耳を傾ける
  • 子どもの意見を否定しない
  • 子どもに無理強いをしない

幼児教育に取り組む際は、子どもへの接し方を意識してみてください。

基礎体力の向上

幼児期は脳だけでなく基礎体力が身につく大切な時期です。幼児教育では遊びや運動を通して筋力や骨格形成を促進し、免疫力の向上など基礎体力をつけることが大切です。また、体を動かすことは柔軟性やバランス感覚など運動能力の向上にも役立ちます。

幼児教育の基本である五育とは?

五育について

ここまで、幼児教育の概要やメリットを解説してきました。幼児教育を脳が大きく成長する時期に取り入れることにより、子どもの知能や体力面の成長を促すことができます。具体的に幼児教育を進めるにあたっては、基本である5つの教育(=五育)があることをつかんでおきましょう。とくにご家庭で幼児教育に取り組む予定の方は参考にしてみてください。

知育

知育とは知能や知力を養う教育です。遊びや学習を通して文字や語学、数の概念などの知力を向上させます。さらに、学習に取り組むことで思考力・判断力・考察力・問題解決能力といった知能を伸ばすことも可能です。幼児教育において知育に取り組むためには、多彩な学習を体験させ、その中で子どもの「やってみたい」という意欲を大切にしなければなりません。

そのためには、子どもが楽しんで学び、自分から学習に興味を持たせる学習環境を整える必要があります。知育は、将来の学習と成功に向けた基盤を築くのに不可欠な要素です。

才育

才育とは子どもの個性や才能を見出し、その才能を伸ばすための教育です。子どもの才能は100人いれば100通りあるため、親御さまや教育関係者は子ども一人ひとりと深く接し、さまざまな体験を通して子どもの才能や力を見出す必要があります。

また、才育とは子ども一人一人にある才能を見出し育む教育です。IQ(知能指数)を上げる教育ではなく、語学・数学・音楽・スポーツなど、特定の分野に対する能力を高めるものです。親御さんが勝手に子どもに合わない教育をすすめた場合、子どもは自信を失い、自己肯定感を下げてしまうかもしれません。子どもにある才能を見出し、才育に取り組むことは、子どもの自己肯定感の向上と将来の成功につながります 。

徳育

徳育は、人の心情や道徳心を養う教育です。他人への思いやりや共通のルールを守るといったことを学ぶため、社会生活・集団生活を送るうえで不可欠とされています。幼児教育における徳育は、主に人格形成に軸が置かれています。挨拶や感謝の言葉を教えることや、いいこと・悪いことを区別(理解)させることにより、道徳心を養う教育です。

体育

幼児教育における体育は、健康な体を育てる教育です。遊びや運動を通して筋力や骨格形成を促進させ、柔軟性のあるバランスの取れた身体を育むことにつながります。また、体育は直接的な運動をさせることだけではありません。規則正しい生活習慣を学ばせることも目的のひとつです。これにより、身体的な成長が促され、基礎体力・免疫力などの向上に役立ちます。具体的なやり方は、子どもの年齢や発達状況に応じて適切な方法を選ぶことが重要です。以下は、年齢別の体育方法の一例です。

  • 0歳:手足の伸縮/おもちゃを掴む/ハイハイ
  • 1歳:つかまり立ち/引っ張りっこ
  • 2歳:追いかけっこ/ボール蹴り
  • 3〜4歳:滑り台・ブランコ・鉄棒・マットを使った全身運動/起きる・転がるなどのバランス運動/歩く・走る・跳ねるなどの身体の移動運動
  • 4〜5歳:縄跳び・ボール・ダンスなど全身を使った運動
  • 5〜6歳:走る・蹴るなど複数の動きを取り入れた運動/サッカーなど

このように、幼児教育における体育は子どもの年齢や発達状況に応じた遊び・運動を取り入れることが大切です。

食育

食育は知育・徳育・体育の基礎に位置づけられている大事な教育です。食べることで健康でバランスの取れた体を形成するだけでなく、知識や体験を通して食の知識と食を選ぶ力を養うことができます。食べることは生きることの基本です。幼児期にさまざまな食を経験させ、好き嫌いをしないための工夫が必要です。子どもが美味しく食べられるような料理を作るのはもちろんですが、絵本やアニメを活用した食育も効果的とされています。

家庭でできる幼児教育を紹介します。

2023年2月に発表された保育・幼児教育市場に関する調査結果によると、幼児教育の需要は鈍化しているとはいえ、年々増え続けており、専門の保育施設が数多くあります。

矢野経済研究所による保育・幼児教育市場に関する調査結果
矢野経済研究所による保育・幼児教育市場に関する調査結果

では、幼児教育の基本である家庭学習はどうでしょう。事実、文部科学省の「家庭の教育力の向上」の中で「家庭は、子どもたちの健やかな育ちの基盤であり、家庭教育はすべての教育の出発点です。」と述べられています。

ここでは、家庭でできる具体的な幼児教育を紹介します。

言葉かけ(ゆっくり・はっきり・短く)

言葉かけは全年齢の未就学児に推奨される幼児教育です。言葉かけでは親子のコミュニケーションを通じて子どもの自己肯定感を育むことができます。しかし、誤った言葉のかけ方は子どもの信を失くし、自己評価を下げる可能性があるため注意が必要です。

そのため、子どもに話しかける際は「ゆっくり・はっきり・短く」を基本にして、子どもが言葉の意味を理解しやすくなる工夫をしてみてください。また、言葉かけは国語教育の一環でもあります。言葉を話せない・理解できない乳児期はたくさん話しかけることで聴覚が刺激され、言語発達やコミュニケーション能力の向上につながります。 言葉を理解できる年齢の子どもには、しっかりと目を見て笑顔でゆっくり話しかけることが大切です。このような言葉かけは、子どもの成長と発達に効果の高い家庭教育と推奨されています。

絵本の読み聞かせ

絵本の読み聞かせは多くの家庭で行われている学習法のひとつです。この学習法は親子のコミュニケーションを促進するだけでなく、子どもの言語理解力を高め、語彙力や読解力を身につける効果があります。また、子どもは、親の読み聞かせに集中することで集中力を、絵本の物語を想像することで創造力を養います。

子どもにとって親の声は最も安心できる要素のひとつです。リラックスした環境のなかで、ゆっくりと絵本を読み聞かせると、精神的に落ち着いた子どもに育てることにつながります。

お手伝い

お手伝いは子どもに特定の役割を与えることであり、子どもの自信や責任感を養い、周囲との関わり方を教えることができます。これらは子どもが成長し、社会の集団で生活する際に大きな役割を果たします。

また、子どもにお手伝いをお願いする際は、おもちゃを片付けてもらう、洗濯物を畳んでもらう、テーブルを拭いてもらうなど、子どもにできる仕事を頼むことが大切です。さらに、お手伝いに失敗しても叱らず、成功した際はしっかり褒め、どんな結果でも「ありがとう」の言葉を伝えることで子どもの自己肯定感を高めます。

積み木

積み木

積み木は手軽に入手できる知育玩具であり、高い教育効果を発揮します。積み木を使うことで、手先の運動能力が向上し、発想力、創造力、集中力も養われます。さらに、空間認識能力や問題解決能力など多彩な能力を伸ばす効果も期待できます。積み木を使用するのに年齢制限はありませんが、2〜3歳の手先を上手に動かし始めるとされる年齢が最適です。 親子で一緒に遊ぶことで、コミュニケーション能力や協調性も育むことができます。このように、積み木遊びは幼児教育において多くのメリットを提供する教育法です。

読み書き

脳の発達が活発な幼児期に読み書きを行うことにより、言語能力の基盤を形成することができます。絵本の読み聞かせのなかで文字を認識させたり、自分や家族の名前を紙に書かせるなどの方法が効果的です。

これら読み書きを繰り返すことにより、子どもは文字を文字として認識し、さらに言葉の意味や文章読解力を養います。幼児期に読み書きを習得することで、小学校へ入学した際にスムーズに授業に取り組むことができます。

パズル

パズルは、積み木と同様に知育効果の高い学習玩具です。パズルを通じて、観察力、創造力、記憶力が養われ、さらに集中力を身につけることができます。また、パズルを完成させた際の達成感と、親からの「すごいね!」という言葉が子どもの自信を育てます。

ジグソーパズルをはじめ、パズルにはさまざまな種類があり、年齢や知識レベルに合わせて難易度を調整できるため、家庭で簡単に取り組むことができる幼児教育に適しています。

シール貼り

シール貼りは、幼児教育に取り入れられている知育効果の高い方法です。子どもにとってシール貼りは楽しい遊びであることから、集中力や創造力、形や色の認識能力を高めることも可能です。親子で一緒にシール貼りを楽しむと、コミュニケーションが深まり、子どもの自己表現力も育ちます。このように、シール貼りは手軽に取り組める家庭学習としておすすめです。

外遊び

公園やグラウンドなどでの、外遊びは幼児教育に欠かせない要素のひとつです。砂遊び、追いかけっこ、鉄棒などの遊びは体力と運動能力を向上させ、子どもの健康な成長を促します。また、公園の遊具は子どもに楽しい遊びを提供する一方、危険が伴います。これが子どもの好奇心や挑戦意欲を刺激し、危険を回避する能力を養います。さらに怪我をしないように工夫することから認知能力が身につき、他の子どもたちとの遊びを通じて社会性やコミュニケーション能力を育むこともできます。

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今回は、家庭でできる幼児教育を紹介しました。家庭教育は手軽に始めやすく、幼児教育の基礎的部分を身につけるのに効果的です。しかし、本格的な幼児教育を考えている方は、家庭学習用タブレット教材で有名な「天神」がおすすめです。

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