【勉強ができる子どもは、親のつくる学習環境がポイント】小学生が勉強しやすい幼児期から作るべき環境とは?
小学校で本格的な教科学習が始まる前に、幼児期から少しずつ家庭で勉強しやすい環境を整えておくと安心です。これまで幼児教材などでお子様の知育に取り組んできた保護者も多いと思いますが、小学生になると遊びや生活の中だけでなく、学びを主体とした学習が必要になります。
この記事では、小学生が勉強しやすい環境づくりのポイントについて詳しく紹介しています。お子様が無理なく学習習慣を身につけることができるよう、ぜひ参考にしてください。
小学生が集中できる学習環境とは
子どもは勉強が嫌いなものだと思い込んでいませんか?子どもが小学生になったらどうやって勉強させるべきか、などと構えてしまうと憂うつな気分になりますよね。
子どもは本来、色んなことに興味を持って新しいことを知りたがる好奇心に満ちています。この好奇心をより良い学習活動に結びつけるのが「学習環境」です。親が幼児期から家庭で勉強しやすい環境づくりを進めておくことで、子どもの自発的な学習習慣が身につきます。
学習に適した2つの環境
家庭の学習環境を整えるには、場所や設備など物理的な環境だけでなく、親の声がけや家族との関わりなど心理的面の気配りも大切です。家が狭かったり兄弟が騒がしかったりと各家庭にはそれぞれ悩みがあると思いますが、子どもの個性に合わせて工夫すれば学習環境を整えることは可能です。
ここではまず、勉強をどこでするのか「学習に適した場所」について、リビング学習と自室学習の2つに分けて解説します。
(1)リビング学習
リビング学習は、家族がくつろいで過ごすリビングや食事をするダイニングで勉強をするスタイルです。家族の存在を身近に感じることのできるリビング学習は、学習習慣を身につけようとする段階にある幼児期や、小学校低学年の子どもには特に向いているといわれています。リビング学習には次のようなメリット・デメリットがあります。
- 家族の気配を感じることで子どもが落ち着く
- 親が子どもの様子に目配りができるため、サポートしやすい
- 広々としたテーブルを使って勉強できる
- 遊びと勉強の切替がしにくい
- テーブルの高さなどが体格に合わないことがある
- 勉強道具が散らかりやすい
リビング学習は、家族の協力のもとで環境音に慣れる練習を兼ねて進めたり、勉強道具をまとめて収納するラック等を用意するなどの工夫をするとよいでしょう。
(2)自室学習
自室学習は、子ども部屋などの独立した部屋で勉強するスタイルです。「一人の方が集中できる」というタイプや、勉強道具がそばにあり、誘惑を断ち切りやすいといわれています。自室学習には次のようなメリット・デメリットがあります。
- 周囲に気が散らず集中しやすい
- 部屋の中に勉強道具がそろっている
- 勉強机で良い姿勢を保つことができる
- 子どもが部屋で何をしているのか分からない
- 部屋の中が散らかり放題になる
- 子ども部屋のスペース確保が難しい場合がある
小学生になる前に幼児期から整えておくべき家庭での学習環境
子どもが遊んでばかりいると、学校の勉強についていけなくなるのではないかと不安になるかも知れません。学習習慣を身につけておくことは、親子がストレスなく学習を進めていくうえでとても重要なことです。
まずは保護者がお子様の個性にしっかりと向き合い、勉強する場所を決めたり、声がけをしたりしながら勉強しやすい学習環境を整えましょう。ここでは、部屋の環境や親がすること、気をつけることについて具体的に詳しく紹介します。
(1)部屋の環境
照明の明るさについて
LEDや蛍光灯には、電球色・昼光色・昼白色の3種類の色味がありますが、目に優しいオレンジがかった電球色は、リラックス効果によって眠気を感じやすい側面があります。また、青みがかった昼光色は目が疲れやすいため、電球色と昼光色の中間にある昼白色がおすすめです。
照明の位置にもよりますが、頭の陰になって手元が暗くなるようなら卓上ライトなどを補助照明として使いましょう。陽当たりの良い部屋では、カーテン越しの柔らかい光の明るさが落ち着いて勉強に集中できます。
環境音について
リビング学習では、家族の話し声やドアを開閉する物音などで勉強に集中できないと心配する声が聞かれます。確かに、子どもがリビングで勉強している時は、テレビやゲームの音を消したりおしゃべりをしないなど家族の協力が必要です。一方で、完全に無音の状態より図書館やカフェなどの方が集中できるという人もいます。
環境音については、足音など自然な音の中で勉強するのに慣れておくなど、子どもの様子を見ながら配慮するとよいでしょう。
部屋の温度・湿度について
部屋の温度や湿度について国の学校環境衛生基準では
教室等の環境は温度が17℃以上28℃以下、相対湿度が30%以上80%以下であることが望ましい
学校環境衛生基準 – 文部科学省 –
としてます。適正な温度や湿度は個人差が大きく、季節・地域・年齢・性別・体温・発汗等によっても感じ方が違うので、少しずつ調節するようにしましょう。
毎年猛威を振るうインフルエンザウィルスは、低温で乾燥した環境を好みます。冬場は部屋の温度を20~25℃、湿度は50~60%に保つなど特に温度・湿度の管理に気をつけたいですね。
机やイスのサイズについて
集中して勉強する習慣をつけるためには、子どもの体格に適したサイズの机やイスを準備する必要があります。机の代わりにダイニングテーブルを使用する場合は、テーブルに合わせて学習用イスの座面の高さを調節し、足がぶらぶらしないように足置きの位置をしっかり決めましょう。
スペースに余裕があるなら、リビングに勉強机を設置して学習エリアを作っても良いですね。子どもの体格は成長に伴いどんどん変わっていくので、可動式で長く使える設計の物を選ぶのがおすすめです。
部屋の活用について
部屋のレイアウトも、学習環境を整えるうえで大切なポイントの一つです。リビング学習では、家族の動線を考慮しながら上手に空間を分けて学習エリ アを 確保したいですね。
壁紙やカーテン、カーペットなどの色調としては、リラックスし て落ち着けるベージュやブルー系が人気です。赤や濃いピンクなど刺激が強い色は、一般的に勉強する部屋には向いていません。また、何気なく目にするリビングや子ども部屋の 壁面を利用して、地図や季節表などの学習ポスターを貼ってみるのもよいでしょう。
(2)親が直接サポートできること
ポジティブな声がけを行う
親のポジティブな声がけは、幼児期や小学生の子どものやる気を引き出す魔法の言葉です。子どもの疑問や不安な気持ちに寄り添い、さり気なくサポートすることで勉強する意欲を育みましょう。小学生にリビング学習が向いているといわれるのは、同じ空間で見守ることでタイムリーな声がけができるというメリットがあるからです。
一生懸命になればなるほど 叱ったり押しつけたりしがちになりますが、子どもにとって勉強が楽しくなるよう常に明るくポジティブな声がけをしたいですね。
子どもと一緒に学習スケジュールを立てる
親が子どもと一緒に学習スケジュールを立てることも重要です。学習時間について話し合う過程で、子どもは自分の時間の使い方やいつ・何を・どうするべきかといった段取りを大まかに理解していきます。勉強・休憩・遊びをしっかり区別することが、学習習慣を身につけるための基本といえます。
また、疲れている日にはスケジュールを変更して勉強時間を短くするなどの柔軟な対応が、子どもを勉強嫌いにしないコツです。
同じ時間に親も勉強する
幼児期や小学生の子どもにとって、親は一番身近かなお手本です。学習スケジュールに従って子どもに勉強させようと張り切ってしまうと、逆効果になりかねません。それよりも、子どもが勉強する時間に合わせて本や資料を読むなど、親の学ぶ姿を子どもに見せる方が効果的です。
忙しくて子どもの勉強時間にずっとつき合うのが難しい場合は、親が一緒に勉強する時間を決めるなどの工夫をすると、日常の中で勉強するのがあたり前という学習習慣が身につきやすくなります。
(3)気をつけること
子どもが興味をもつ教材選び
計算するのに果物やお菓子を使ったり、図鑑・地球儀・ポスターなど視覚的に子どもの興味をひく教材を取り入れて、楽しみながら勉強するのが効果的です。遊び感覚で親しみやすい歴史マンガや学習ゲームなどは、子どもがストレスなく学習内容にアプローチしていける教材です。
小学校で使っている教科書に合わせたワークブックやプリントなどを利用して、お子様の理解力・到達度を確認しながら、モチベーションを高めるようポジティブな声がけをしていくとよいでしょう。
TV・ゲームに関するルール
TVやゲームなど娯楽の誘惑には、大人もしばしば負けてしまいますよね。子どもにとって我慢することは大人よりも難しいものです。勉強の時間はこうした娯楽を切り離し、落ち着いて集中できる環境を整える必要があります。子どもが勉強している時はリビングでTVを観ないなど家族の協力も欠かせません。
学習スケジュールには休憩や遊びの時間を必ず設け、勉強の時間にTVを観たりゲームをしたりしないなど前もって家族でルールを決めておきましょう。娯楽の誘惑に負けない「約束」を親子で守ることが大切です。
学習の動機付け
学習習慣を身につけるには、本人が自主的に勉強しようとする意欲が不可欠です。知りたい欲求を満たしたり、認められたり、目的を持つことが子どもの自発的な学習の動機づけになります。ほめたり励ましたりポジティブな声がけをしながら、機会をとらえて子どもに学ぶことの楽しさを伝えましょう。
親が一方的に教えるのではなく、わざと小さな課題を与えてより大きな発見に導くなど、本人にとって喜びを感じる体験が有効な動機づけになります。興味のありそうなことがあれば、高学年になったらそれがどんな学習に発展していくのか、先の見通しにつながるようなエピソードを話すことで学習の目標を持ちやすくなります。
まとめ
押せばすぐに子どもが勉強好きになるような「やる気スイッチ」はありません。「学習習慣」は、幼児期から親子で試行錯誤を重ねていく中で少しずつ身についていきます。
子どもは一人ひとりにその子ならではの個性があり、成長の段階で学習環境のあり方も変わっていくので「これが正解」という一つの答えがあるわけではないのです。保護者は幼児期からお子様の心身の状態をよく観察して、あくまで本人の主体性を尊重しながら勉強する場所やスケジュール、教材などの学習環境を整えましょう。
この記事を参考にして、部屋の環境に配慮したり適切な声がけを行ったりしながらお子様のよりよい学びをサポートしていただければと思います。
子ども一人一人に合った学習環境を用意する
記事内でお伝えした「学習環境を整える上で必要なポイント」は理解されていると思いますが、
などに関しては「これが正解」というルールが決まっているわけではなく、実行してもそれが子どもに効果があるのかを測るのはなかなか難しい、、、と悩んでらっしゃいませんか?
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