幼児に英語教育は必要?早期教育のメリットと注意点
幼稚園、保育園でもカリキュラムの一つとして取り入れられることが増えてきている英語。今では小学3年生から英語の活動が始まり、小学5年生からは正式な教科となって成績も付くようになっています。
「将来世界で活躍する人に育ってほしい。」「自分が英語で苦労したから子どもには同じ思いをさせたくない。」など様々な理由から英語の早期教育が注目されつつあります。
この記事では英語の早期教育のメリットや注意点、楽しく取り組むポイントを紹介します。
早期英語教育の必要性
最初にお伝えしたように2020年より小学5年生から正式な教科となり、国としても将来的に英語でコミュニケーションをとることができる人間の育成を目指しています。文部科学省が出している小学校学習指導要領の解説では小学校中学年の目標が『聞くこと』『話すこと(やり取り)』『話すこと(発表)』とされており、高学年になると更に『読むこと』『書くこと』が加わってきます。
また、近年AIの成長が著しく、今ある職業のうち49%がAIに取って代わられる可能性があると言われています。AIの成長により定型表現の英会話は問題なくできるようになりますが、細かいニュアンスの部分まで伝えるとなるとやはりAIでは担いきれない部分もあるでしょう。これからはAIを使っての英会話は当たり前の時代となり、+αとして思っていることや伝えたいことを自分の言葉で伝えられる生きた英語が使えるスキルが求められるようになるでしょう。
早期英語教育のメリット
英語教育を早いうちからスタートさせることのメリットはたくさんあります。解説していきますので是非ご覧ください。
勉強という意識がなく、英語を吸収していくことできる
学校での授業で初めて英語に触れると【勉強】というイメージが強く、楽しむ前に苦手意識を感じてしまうかもしれません。しかし早期英語教育の中で遊びを通して英語の歌を歌ったり、外国の人と関わりを持つことによって英語へのイメージが楽しいものになります。子どもの好きなことへの集中力は凄まじく、習得もあっという間です。
ネイティブに近い発音を得ることができる
日本人が特に苦手とされているLとRの発音。実は1歳ごろの赤ちゃんは聞き分けることができることを知っていましたか?脳波の実験で証明されているんです。ではどうして大きくなると聞き分けができなくなってしまうのか。それは日本語ではLとRの発音の区別が必要がないからです。赤ちゃんのときに持っていた力も日常で使わなくなると自然と必要のない力としてそぎ落とされてしまうのです。つまり、まだLとRの聞き分けができる幼いうちに英語を聞き取る耳を育てることは重要です。
英語学習の土台作りができる
最初にお伝えしたように今は小学3年生から英語の時間があり、小学5年生からは正式な科目となります。このタイミングで初めて英語に触れて、もしネガティブなイメージが根付いてしまったら・・・そこから何年も続く英語学習への苦手意識が根付いてしまうかもしれません。幼いうちから遊びを通して英語に触れたり、早期英語教育で褒められたりといった経験をしておくことによって英語に対してポジティブなイメージを抱いた状態で小学校の授業に臨むことができます。今までより難しい内容を小学校で教わったとしても、英語に対して前向きな思いがあれば「もっとできるようになりたい」という気持ちへとつながり、楽しく学ぶことができるでしょう。
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イマージョン教育を行う時間がある
イマージョン教育とは英語の時間だけ英語を話すのではなく、遊びの時間なども英語で会話してどんどん英語を使っていきましょうという学び方です。赤ちゃんが親同士の会話や自分に対しての声掛けを聞き続けることで自然と言葉を覚え、話せるようになるのと近い感覚です。普通の公立小学校では難しいイマージョン教育ですが、早期英語教育を謳っているプリスクールなどもあります。イマージョン教育は早ければ早いほど良いという考え方のようで、その恩恵を受けられるようになるには2・3年かかるとも言われています。ネイティブな会話ができるくらい英語を習得したい場合はおすすめの手段といえるでしょう。
早期英語教育の注意点
ここまで早期英語教育のメリットについて解説してきましたが、注意点もありますのできちんと押さえておきましょう。
ダブルリミテッド問題
ダブルリミテッドとは2つ以上の言語は話せるがどちらも年相応レベルに達していないことを指します。セミリンガル・限定的バイリンガルとも言われます。二兎を追うものは一兎をも得ず状態ということですね。英語力を育てたい思いが先行しすぎて日本語がおろそかになってしまわないよう注意が必要です。
教育費がかかる
早期英語教育をどれくらいやるかによってかかる費用は変わってきますが、先ほどお伝えしたイマージョン教育のプリスクールや小学校へ入学するとすれば、教育費はどうしてもお高めになります。英語の音楽を聞かせたり、アニメを見る、英語のカリキュラムがある認可保育園に通う、毎週英語のスクールに行く日を設けるなど、早期英語教育の手段も様々なので子どもに合って且つ家計から捻出できる教育費の範囲で取り組めるとよいかもしれません。
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英語が嫌いになることもある
「英語が話せる子に育ってほしい」という親の愛情や願いから始まった早期英語教育でも子どもの思いを置いてきぼりにしてしまうと英語が嫌いになってしまうこともあります。子どもは楽しさが一番でないと続きませんし、上達していきません。子どもが楽しみながら英語を学べるような声掛けや教材選びが大切です。
どうやったら早期英語教育が上手くいくの?
ここまで早期英語教育のメリット・注意点をまとめてきました。それらを踏まえたうえで早期英語教育を成功させるために大切なことをお伝えします。
子どもの気持ちを優先する
どれだけ親が子どもの英語力を育てたいと思っても、それが子どもには伝わらないこともあります。もし「やりたくない」「やめたい」となってしまったら、きちんとその声に耳を傾けて、改善策を見つけていきましょう。親の思いは二の次であくまで子ども優先で考えられるとよいですね。もしそれでも解決しなければ無理はさせずお休みするのも一つの手です。また何かのきっかけで意欲がわいて学びたいと思う日が来るかもしれません。
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親も楽しんで参加する
子どもにやらせるだけでなく、親も一緒になって楽しむことで子どもも安心して取り組むことができます。一緒に園や小学校に通って学ぶことはもちろんできませんが、家庭で一緒に英語の歌を歌ったり、英語の絵本を読み聞かせたりと親子で楽しみながら英語を学ぶ方法はたくさんあります。英語が話せるとこんなに楽しいこともできるよとお話してあげるのもいいかもしれません。早期英語教育が将来の幅を広げられることが子どもたちに伝わるいい機会になると思います。
成長に合わせた興味を活かす
最初からいきなり英語のワークを渡して「やってみなさい」と言っても、できるわけがないですよね。先ほどからお伝えしているように子どもは楽しく学べることによって集中して取り組み、学んだことを吸収します。つまり子どもが好きなことを早期英語教育に活かすことが英語力を育てる近道になります。例えば恐竜が好きな子なら恐竜の名前を英語の発音で言ってみようから始めて、興味が出てきたら恐竜が出てくるアニメや映画の英語版を見てみたり、歌うことが好きな子なら英語の歌を歌う機会を設けてみたりと子どもの好きなことの中に英語を組む込むことによって、「英語って楽しい!」「もっとできるようになりたい!」といった興味や向上心へと繋がっていくでしょう。
まとめ
今回は早期英語教育について解説しました。親世代の子どものころよりも身近になってきている英語教育。どうやって早期英語教育に結び付けていくか難しいと思いますが、最も大切なのは子ども主体で行うことだと思います。親の思いがどんなに強くても実際に学ぶのは子ども自身です。子どもが楽しめないとどんなに時間やお金をかけても身についていかず、英語に対してネガティブなイメージがつきかねません。子どもの興味関心や好みをしっかり見極め、どうやったら楽しみながら英語に触れられる機会を作れるかを考えて、まずは遊びを通して取り組んでいけるといいですね。
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