巧緻性とは?【1.2.3歳向き】子どもが遊びながらできる巧緻性のトレーニング方法を紹介します
「巧緻性(こうちせい)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。「巧緻性」とは簡単に言うと「手先の器用さ」のことで、小学校受験の場面で問われることが多い能力でもあります。巧緻性は脳の発達に大きく関わり、感情をコントロールする力にもつながっているため、小学校受験をしなくても子どもの発達に大事な要素と言えます。
今回は巧緻性の意味と、子どもの巧緻性を伸ばす方法についてご紹介します。興味のある方は、ぜひ参考にしてくださいね。
巧緻性とは
「巧緻」とは、その漢字のとおり「精巧で緻密なこと」を表します。スポーツなどで身体を思い通りに巧みに動かす、といった意味を含むこともありますが、精密なことをする時は一般的に手を使うことが多いため、「巧緻性」という場合は「手指の器用さ」を指します。
実は日常生活には巧緻性が求められる動作がたくさんあります。切る、貼る、結ぶ、折る、塗る、巻く、丸める、つまむ、ちぎるなどがその例です。幼児期に巧緻性を鍛えることは、脳の発達に大きく影響します。大人が当たり前にやっていることでも、幼児期の子どもには難しいこともあるため、高い巧緻性を身につけるには意識的なトレーニングが必要なのです。
巧緻性という言葉の意味
巧緻性は、手先や指先を上手に使う能力を指し、育児や教育において重要な要素です。手や指の神経は脳と密接につながっているため、手先を動かすと脳が刺激されます。つまり、巧緻性を鍛えることは子どもの発達に深く関わり、認知機能の成長にも影響を与えるのです。
子どもにおいての巧緻性は、速く発達すればするほど良いというわけではありませんが、小学校受験で課せられる選抜試験に含まれるなど、子どもの発達具合を見る一つの基準として分かりやすい指標となっていると言えるでしょう。
巧緻性と発達の関係
「手は第二の脳」とも言われますが、手指には多くの神経が集中し、感覚機能・運動機能・検知機能など数々の機能が備わっています。「箱の中身はなんだろう?」といったゲームを楽しめるのも、手指を使う際に、脳の様々な部位が複雑に関係し合って働いているためです。
幼児期は特に、手先から物の感触や形を学び、周囲の物を学習していきます。そのため、子どもの巧緻性は、脳の発達具合や発達のスピードにまで影響を与えると考えられています。埼玉大学・川端博子教授らの「小学生の手指の巧緻性に関する研究」によると「巧緻性は様々な学習への取り組みと関連する」と報告され、巧緻性が高い子どもは、実際に工作や裁縫だけでなく、計算練習やリコーダーといった学習活動も楽しむ傾向にありました。巧緻性の育成は、学習意欲・集中力の向上にも効果的と言えるでしょう。
小学校受験でも重要視されています
小学校受験では、筆記試験や口頭試験の他に巧緻性を評価する学校もあります。なぜなら、巧緻性を確認することで、子どもの発想力や想像力を問えるからです。また、子どもの巧緻性には「学習活動への積極性」と「計算能力との関係性」が認められています。「手先を器用に動かせるか」という項目は、子どもの潜在能力を図る一つとして受験科目に採用されているのです。
ここで巧緻性を見るためのテストで出題される内容の例をいくつかご紹介します。
・試験管の指示に従って工作や折り紙を行う
・お箸を使って豆を別の容器に移し替える「豆つかみ」
・ひもを見本通りに穴に通す
・洋服をたたむ
これらの巧緻性の課題は、学力だけでなく、個々の子どもたちが持つ他のスキルや特徴を見極め、多角的に評価するための手段として活用されています。
巧緻性を鍛えるメリット
巧緻性とは単に手先が器用になるだけではありません。巧緻性を高めることで、計算能力や運動能力、思考力、想像力を向上させることが可能です。ここでは、巧緻性を鍛えることで得られるメリットについてご紹介します。ぜひ子どもの巧緻性を高める際の参考にしてくださいね。
指先を使うことで脳が活性化する
抹消神経が集まる手のひらや指先は、脳の中の運動野・感覚野と密接につながっているとされています。指先を使うことは脳の広範囲に刺激を与え、成長期の幼児の脳をより活性化していきます。言葉を操る力や思考力、記憶力などの知的な活動をつかさどる大脳は、手指の運動が刺激となり、その影響を受けて成長していくと言われています。そのため、成長期の子どもには身体を大きく動かすだけでなく、手や指を使った遊びを取り入れて、指先を繊細に動かす経験がとても大切になります。
計算能力を高める
巧緻性を鍛えることで、計算能力を高めることが可能になります。広島大学の「幼児における手指の巧緻性と計算能力の関係」の研究によると、巧緻性の向上は計算能力と深く関係することが明らかにされています。手先の巧緻性が高まると、細かな数字や論理的思考が得意になり、数学的な問題にも積極的に取り組むことができるのです。
ものづくり・学習への意欲が高まる
巧緻性が高まると、ものづくりにおいてより高度な作業に挑戦できるようになります。工作などの細かな作業を行うには、ものを良く観察し、指先に神経を集中させる必要があるため、巧緻性と同時に集中力も高まります。また、学習においては、手書きの課題に対しても臆せず積極的に取り組むことできるため、工作や学習への意欲の向上にもつながるでしょう。巧緻性が高い子どもは、作品作りや学習においても「もっとやりたい!」という状態になりやすく、自分が得意だと感じる活動が増えることで、さらに意欲が向上するというわけです。
スポーツを習得しやすくなる
スポーツが得意な点も、巧緻性が高い子どもの特徴です。体を思い通りに動かすためには、運動感覚を研ぎ澄まし、素早く切り替えができる巧緻性が求められます。野球でダイビングキャッチをしたり、サッカーで最適な場所を狙ってゴールを決めるなど、「巧みな動き」ができる子どもたちは、巧緻性が鍛えられていると言えるでしょう。
創造力・集中力が高まる
手先や身体の使い方が器用な子どもは、創造力が高く、クリエイティブな感性を持っています。指先の巧緻性が鍛えられているため、脳が刺激されてオリジナリティあふれるアイデアが浮かびやすいのです。さらに自分の思い通りに手先が動かせるようになると、思い描くアイデアを実際に形にもできるでしょう。巧緻性を鍛えることは、子どもの可能性を高め、色々な物を作り出す創造力を育むことにもつながるのです。
また、工作を始めとした巧緻性を養う遊びは、子どもに集中力をつけることにも貢献します。指先で部品をつまむ、紙を丁寧に折るなどの動作は、目の前の対象物を見極め、自分の指先に意識を向けることが要求されるため、繰り返すうちに集中力が身につきます。子どもの巧緻性を伸ばすことは、集中力を育むことにもつながると言えるでしょう。
【年齢別】遊びながら子どもの巧緻性を鍛えるトレーニング方法
子どもの巧緻性を高めるためには、様々な遊びやトレーニングを活用して、楽しく手指を器用にしてあげたいものです。ここでは、巧緻性を鍛えるためにおすすめのトレーニングをご紹介します。ぜひ、自宅での取り組む際の参考にしてみてくださいね。
年齢 | トレーニング |
1歳(12ヵ月)-2歳(24ヵ月) | ぬり絵・シール遊び・積み木 |
2歳(24ヵ月)-3歳(36ヵ月) | 折り紙・ひも通し |
3歳(36ヵ月)以上 | 切り絵・ちぎり絵・ぬい刺し・あやとり |
ぬり絵
ぬり絵は、手の動きをコントロールするために良いトレーニングです。はみ出さないように色を塗るには、手指の筋肉を調整する必要があるため、器用さ・忍耐力などが養われ、手の巧緻性が向上します。年齢やレベルに合わせた難易度のぬり絵を選べば、飽きずに取り組めるでしょう。同時に、子どもたちは色の組み合わせや創造的な表現も学びます。「髪の毛は黒にしたら?」「服は青がいいんじゃない?」などと親がアドバイスするのはなるべく避け、子どものイマジネーションに任せてみましょう。子どもの好きな色や感性を尊重することは、創造力を伸ばすことにもつながるのです。
シール遊び
シールを使った知育もおすすめです。指先への刺激や色の感覚を身につけることで、脳や知能の発達を促します。可愛い絵柄に好奇心がくすぐられ、集中力も高まるでしょう。シールを通して様々なものの名前を覚えたり、文字を学ぶこともできるため、小学校就学前に必要な基礎的な学習にも役立ちます。
積み木
簡単なようで、実は奥深い積み木遊び。積み木はどの年代の子どもでも手と指を使って遊べるため、手先の器用さを鍛えるのにはピッタリです。つかむ、置く場所を考える、そっと置く、手を放す、といった多くの動作によって積み木遊びは成り立っています。木製であれば、木という素材に触れる経験にもなり、脳への良い刺激になるでしょう。
折り紙
指先を使う遊びとして最も有名な折り紙。折り紙は繊細な動作と精密な折り目が必要なため、子どもたちの巧緻性を向上させる優れた遊びです。紙を扱うことで手の感覚が磨かれ、同時に空間認識力も高まります。最後まで取り組むための集中力も鍛えられ、完成すれば達成感も得られます。最初は大きな紙で簡単な折り方から始め、年齢が上がるにつれて徐々に紙を小さくし、複雑な形に挑戦すると良いでしょう。
ひも通し
小さな穴に糸を通すひも通しは、巧緻性を鍛える代表的なおもちゃです。簡単な作業ですが、細かい動作が求められるため、手や指の動きを鍛えることができます。また、大きなパーツから小さなパーツまで種類も豊富なため、発達に合わせて難易度を調節できる点が魅力でもあります。最初は大きなリングなど比較的簡単な物から始め、慣れてきたら徐々にビーズや針を使うような小さなものへと、難易度を上げていくのがおすすめです。
切り絵
切り絵の作成は、はさみやカッターなどの道具を使う練習になります。紙を切ったり、のりで貼り合わせたりする中で、正しい道具の使い方を習得します。少し複雑な動きを伴う道具を活用することで、巧緻性の向上につながるでしょう。道具の使い方によってはケガをする危険性があるため、始めに作業の注意点をしっかりと説明し、保護者が見守りながら取り組むようにしましょう。
ちぎり絵
ちぎり絵は、和紙などをちぎって下絵に貼り付けていく、手先の器用さと集中力を養う遊びです。指先を使って紙をちぎる動作は、巧緻性を鍛えることに役立つでしょう。また、紙をちぎる感覚や、下絵に合う色選びを習得することもできます。ちぎり絵の台紙はネット通販でも購入できたり、フリー素材をダウンロードする方法もあるので、子どもの年齢に合わせたものを選びましょう。
ぬい刺し
ぬい刺しは、布や硬い台紙に絵を描きカラフルな糸で線に沿って縫う遊びで、紙を使う場合は紙刺繍とも呼ばれています。糸通しや針の持ち方、使い方、玉結び、目打ち(穴開け)などが習得でき、指先を使って針で縫うことで手先の巧緻性を高めます。また集中力や持久力を養うこともできるでしょう。針を扱う際には、ケガをしないように注意が必要です。始めのうちは、保護者が一緒に針を持ってあげてください。
あやとり
指先を使ってつまんだり、ひねったりと、細かい動作が多いあやとりは、遊んでいるうちに自然と手先の発達を促すことができます。手指を多く動かすため、脳にたくさんの刺激を与えることができ、脳の活性化を促します。また、細かい作業を正しい手順で最後まで完成させるには、集中力も必要になります。さらにあやとりは、1本のひもからどのように見えるかをイメージしながら見立てる遊びのため、想像力の向上も期待できるでしょう。
トレーニングに興味が無ければ「手づかみ食べ」を試してみる
年齢的にまだ早かったり、トレーニングに興味が無いお子様の場合は、「手づかみ食べ」を試してみることから始めましょう。
「手づかみ食べ」は、子どもが食べ物を自分で手に取って食べるために「見て」「触れて」「味わう」といった一連の動作を繰り返すため、様々な感覚機能が育まれます。始めは食べ物に手を伸ばしても器から落ちてしまったり、うまく口に入れられなかったりしますが、繰り返し続けていくことで食べ物との距離感や位置関係などが分かり、次第に上手に食べられるようになるでしょう。さらに、「つかみ食べ」では、食べ物を口に運ぶために目と手指の動きを強調させたり、スムーズに手を動かすために自分で座る姿勢を保持したりすることで、運動機能の向上も期待できます。
手の指は「突き出た大脳」と言われるほど、脳の発達に大きく関わる部位のため、「手づかみ食べ」をすることによって、手指の巧緻性や感覚・運動機能の協調性などといった、多くの機能の発達につながっていくのです。
ここまでご紹介したとおり「巧緻性を鍛える」ことで
等のメリットを得ることが出来て、小学校受験対策にもなります。
しかし、巧緻性を鍛えるだけで受験に合格するというわけではない、、
巧緻性を鍛えて学習につなげてほしい!でもどんな学習をすればいいかわからない、、、
などのお悩みをかかえていませんか?
もっと手軽に、負担なく、「小学校受験対策」をしてあげれたらなぁ、、、
と。
小学校受験対策の問題が盛りだくさん。
さらに幼児期に学ぶ内容をまるっと学習できる。
そんな方法があったら試してみたくはありませんか?
などに加え、
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幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
「幼児教育はまだ早い」と思われている方ほど、早めの取り組みをおすすめします。