【幼児期の愛着形成】アタッチメント形成の重要性と具体的な育て方を紹介します。

子どもにとってなにもかもが“はじめて”であふれている幼児期は、ドキドキやワクワクがいっぱいの楽しい時期です。しかし、同時に不安やストレスを感じる機会も多いため、お子様が「パパ・ママがいるなら安心」と感じられる保護者との情緒的なつながりが大切になります。

このようなつながりの形成を『アタッチメント(愛着)の成形』といいますが、幼児期のアタッチメントの形成は「お子様の自尊心の向上」「学ぶ力(意欲)の形成」にも大きく影響しているため、保護者の方はアタッチメントの形成を日頃から意識することが大切です。

ぜひ本記事を参考にして、お子様のアタッチメントの形成にお役立てください。

目次

子育てにおけるアタッチメント形成とは

アタッチメントをわかりやすい表現で説明をすると「愛着」になります。

親子での愛着は、お子様の成長には欠かせないもの。イギリス出身の医学者であり、精神分析家でもあるジョン・ボウルビィ氏も『愛着理論』の中で“愛着”は精神的な健康を保つために重要な役割を担っている旨を唱えています。

子育て期における愛着は、お子様の不安・ストレスを軽減する働きがあるといわれています。信頼できる保護者の存在を心の安全基地にすることで、「困ったときは助けてもらえる」「失敗をしても励ましてもらえばいい」などポジティブに物事を考えられるようになるため、お子様の情緒が安定しやすくなると考えられているのです。

また、親子間で理想的なアタッチメントを形成することは、今後の人間関係にもプラスになります。

ありのままの自分自身を肯定したり、他者を信じたりできるのは幼児期にしっかりとアタッチメントが形成されているからこそのもの。自分が愛されていると実感することで自分の世界が安心できる場所だと感じることができるので、他者との関わりも安定しやすくなるのです。

幼児期におけるアタッチメント形成の重要性

幼児期におけるアタッチメント形成の重要性

子育て期のアタッチメントの形成の大切さを理解したところで、より具体的に説明していきます。幼児期におけるアタッチメントの形成は「親子間の信頼感」「自己肯定感」を育むために、重要な役割を担います。

保護者にとってはもちろんのこと、お子様にとっても大切なことなので、ぜひ下記の説明を参考にして理想的なアタッチメントを形成しましょう。

親の信頼感につながる

アタッチメントは、お子様の不安・ストレスを保護者との情緒的なつながりで軽減する効果があるため、アタッチメントの形成がしっかりされているお子様は「自分は守られている」「自分は愛されている」と心(情緒)を安定することができます。

「自分の生きている世界は安心して過ごせる場所」と感じられることは、お子様が健康的に生きる上で欠かせない感覚です。このような感覚を『基本的信頼』といいますが、基本的信頼を幼児期に築くことは今後お子様が成長していく上でも、非常に大切なことです。

お子様の世界の広がりにもつながりますし、他者との関わりにも大きなプラスとなるでしょう。

自己肯定感を育む

愛情・安心に包まれている子どもは、ありのままの自分を肯定する『自己肯定感』が高まるため、挑戦する意欲・立ち直る力が育ちやすくなります。

自己肯定感が低い場合は他人軸で自分の価値をはかろうとしますが、自己肯定感が育っているお子様は他人の評価をあまり気にしません。そのため、自分の自信・やる気に従って素直に行動ができるので、ポジティブな好循環を生み出すのです。

このように一概にアタッチメントの形成といっても、「安心感」「自己肯定感・意欲」などさまざまな領域に影響を与えるため、幼児期におけるアタッチメントの形成はとても重要であると考察することができます。

アタッチメント形成が出来ていない子どもの特徴

アタッチメントが形成できていない子どもは、生活をしていくうえで困難と感じる場面が多くなる傾向があります。

そこで次に、アタッチメントが形成できていない子どもにはどのような特徴があるのかについて説明していきます。なぜ、困難と感じる場面が多くなるのかについても言及していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

不安やストレスに敏感である

アタッチメントの形成が十分なお子様は自己肯定感が高いので、不安やストレスをポジティブなパワーで吹き飛ばすことができます。一方、アタッチメントの形成が不十分なお子様は自己肯定感が低くなりやすいので、不安やストレスを感じやすく敏感であるのが特徴といえるでしょう。

というのも、アタッチメントが形成されていない子どもは、不安やストレスを自分で処理する必要があります。アタッチメントが形成されていれば「ママ・パパがいるから大丈夫!」と考えることができますが、アタッチメントが形成されていない場合は「自分でどうにかしなければ…」「どうしよう…」という思考に陥るため、不安やストレスに敏感になってしまうのは仕方のないことなのです。

また、不安やストレス状態が続いていると、感情のコントロールが難しくなります。そのため、攻撃的になったり、苛立ったりしやすいため、育てにくさを感じることも多くなるでしょう。

コミュニケーション能力が育ちにくい

コミュニケーション能力が育ちにくい

上記でも述べたように、“自己肯定感が低い”子どもは、他者との関わりでも不安を感じやすいのが特徴です。そのため、友達の輪に入ることを怖く感じたり、自分の意見に自信が持てなかったりと、コミュニケーションをはかるうえで悪循環に陥りやすくなります。

そのため、コミュニケーションをはかる機会が徐々に減っていき、コミュニケーション能力の育ちが遅くなってしまうことがあります。また、不安やストレスによって、不適切な言動をとってしまうこともあるでしょう。

コミュニケーション能力の育ちにくさはアタッチメントの形成によるものだけが原因ではありませんが、保護者は一例として頭に入れておくといいでしょう。

年齢別に見るアタッチメント形成

アタッチメントの形成といっても、年齢ごとに「アタッチメント形成の対象」や「アプローチ方法」が異なります。そのため、年齢別に特徴を理解し、アタッチメントを形成するのが理想的です。

今回は「0歳から1歳半」と「1歳半から3歳」の2項目にわけて説明していきますので、さっそく詳しく見ていきましょう。

0歳から1歳半まで

0歳から1歳半頃までは、ママ・パパとの関わりが主となる時期です。特に乳児期はママへの愛着行動が強い時期なので、ママはお子様の欲求にしっかり応えるようにしましょう。

欲求に応えると表現すると難しく感じますが、愛情をもって関わるだけでかまいません。

例えば、赤ちゃんがお腹がすいて泣いたらミルクをあげ、おむつが汚れて泣いたらおむつをかえましょう。また、眠くて泣いたら抱きかかえて子守唄を歌うのもいいでしょう。

「泣いたら気にとめてくれる」という当たり前のやりとりが、信頼関係を生み、アタッチメントを形成します。

お子様にとって、ママ・パパとのアタッチメントは今後の人間関係の土台にもなるため、その点も理解してお子様と関わるようにしましょう。

1歳半から3歳まで

1歳半頃になると行動範囲が広がるため、外の世界にも興味を持ちはじめるようになります。そのため、外の世界に積極的に連れ出すようにしましょう。

ただ、外の世界に興味が広がったからといって保護者とのアタッチメントが減るわけではありません。知らないお友達や見たことのない生き物に出会い不安を感じたときなどは、保護者の方が心の安全基地になってあげるようにしましょう。

また、ママ・パパにばかり愛着行動を示していたお子さんでも、1歳半頃からママ・パパ以外にも愛着行動を示すようになります。児童センターの利用や地域での交流など、ママ・パパ以外のひととも関われる機会をたくさん体験させてあげましょう。

アタッチメント形成するための子どもとの関わり方

アタッチメント形成するための子どもとの関わり方

本記事を通して、アタッチメントを形成することの大切さがおわかりいただけたのではないでしょうか。

そこで次に、アタッチメントを形成するためのお子様との関わり方について具体的に説明しています。今回説明する項目は、下記の6つです。

アタッチメントを形成するための子どもとの関わり方の例
  • 安心できる環境を作ってあげる
  • 甘やかす
  • 「パパ」「ママ」と呼ばれたら必ず返事をする
  • 愛情を言葉で伝える
  • スキンシップをとる
  • コミュニケーションをとる

ではさっそく、“アタッチメントを形成するための関わり方”を詳しく見ていきましょう。

安心できる環境を作ってあげる

アタッチメントを形成するためには、安心できる環境を作ることが大切です。

安心感の種類にも「困ったときに助けてもらえる安心感」「理解してもらえる安心感」「やりたいことを認めてもらえる安心感」「危険を排除してもらえる安心感」「愛してもらえる安心感」など、さまざまな種類の安心感があるので、それぞれの安心感を意識しながら子育てをするといいでしょう。

もちろん、100%の安心感を与え続ける必要はありません。保護者が自分のために考え、行動してくれているか否かはお子様にはきちんと伝わるので、できることを真摯に行うように意識しましょう。

甘やかす

どんな状況でも思いを受け入れ叶えてくれる保護者の愛情は、お子様のアタッチメント形成で非常に重要な役割を担います。以前の子育てでは「甘やかすとわがままな子どもに育つ」といったような認識がありましたが、幼児期にはたっぷり甘えさせることが大切です。

子どもは自分の甘え(欲求)を受け入れてもらうことで、周りからの欲求にも応えられるようになります。例えば「家で甘える子は保育園・幼稚園でがんばれる」のように、家での甘えががんばるエネルギーになることも。“甘え”は、理想的な親子関係を構築するためにとても大切なことなのです。

ただ、必要以上に干渉してしまう「過干渉」は、「甘やかす(愛情)」とは異なります。お子様にとって過剰となる干渉は、控えるように心がけましょう。

「パパ」「ママ」と呼ばれたら必ず返事をする

好きな人には話しかけたり、名前を呼んだりしたくなるものですよね。そして、それに応えてもらえると、大人の私たちでもとても嬉しい気持ちになるのではないでしょうか。

そんな心の動きは幼児期のお子様も同様です。“大好きなパパ・ママを呼べばいつでも笑顔で振り返ってくれる”そんな当たり前の出来事が、お子様のアタッチメントの形成では大切になります。

そして注意すべきポイントも1つ。「忙しいときは無視をする」「気分が悪いときは笑顔で対応しない」など保護者の都合で対応を変えないように注意しましょう。100%でなくてもかまいませんが、いつでもどこでも同じ対応をするという“不変”を意識するように心がけましょう。

愛情を言葉で伝える

思いを仕草や表情で伝えたり、形のあるプレゼントを渡して伝えたりすることも素敵なことですが、愛情を言葉でもしっかり伝えるようにしましょう。

「大好きだよ」や「大好きな〇〇ちゃん・〇〇くん」などと伝えると、お子様は保護者に愛されていることを実感します。「一緒にいられて嬉しいな」と抱きしめるのもいいでしょう。

ただ「おりこうさんな〇〇が好き!」といったような条件つきの愛情表現は×。ありのままのお子様を愛している気持ちを表現するように心がけてくださいね。

スキンシップをとる

スキンシップをとる

好きな人と触れ合うと、人は幸せを感じるホルモン「オキシトシン」が分泌される仕組みになっています。幸せを感じることでより愛情が伝わりやすくなるので、日頃からスキンシップをとるのがおすすめです。また、オキシトシンは、不安や悲しみを軽減させる働きもあるので、お子様が落ち込んでいるときは普段以上にスキンシップをとるように心がけましょう。

そして、産後のホルモンバランスの乱れなどにより、情緒が安定しないママにもお子様とのスキンシップがおすすめです。お子様と抱きしめあったりすると、ママにもオキシトシンが分泌されるため、心が安定しやすくなります。イライラしてしまったり落ち込んだりしたときは、お子様に「抱きしめてほしい」と伝えることで、お子様も「必要とされた」「お手伝いができた」と喜ぶでしょう。

コミュニケーションをとる

アタッチメントの形成には、親子での関わりが大切になります。そのため、一緒に過ごす時間をたっぷり作るように心がけてください。

例えば、絵本を読んだりお散歩をしたり、一緒に歌をうたったり工作をしたりすると、楽しい時間が過ごせるでしょう。お子様と一緒に同じ時間を過ごし、同じ体験・感情を共有することが大切なので、お子様と楽しめることを少しずつみつけてくださいね。

ただ1点注意が必要です。お子様が絵本を楽しんでいるときに保護者は隣でスマホを触っているようではお子様の“楽しい”には付き合えていない状況です。お子様が100%で絵本に向き合っているときは、読み聞かせを行うなどして、保護者も100%で絵本に向き合うようにしましょう。

まとめ

この記事では、「幼児期の愛着形成」「アタッチメント形成の重要性」「アタッチメントを形成するための具体的な育て方」をご紹介しました。

アタッチメントと聞くと難しく考えてしまうことも多いですが、愛情を持ってお子様と関わればいいとわかり、安心した方も多いのではないでしょうか。ぜひ本記事を参考にして、お子様のアタッチメントが理想的に形成される関わり方を日々の子育てに取り入れてみてくださいね。

アタッチメント形成を行いながら、学べるタブレット教材

アタッチメント形成を行うためにスキンシップやコミュニケーションが大事だとお伝えしました。

「タブレット教材を使ってコミュニケーション」というとイメージがつかない方も少なくないでしょう。しかし小さいお子様であるほど、言葉、数、英語などを学ぶための土台作りは保護者様と一緒に楽しみながら行うことで、アタッチメント形成の効果に加え、学習効果もあります。

では「アタッチメント形成を行いながら学習出来る」教育ツールがあったら体験してみたくなりませんか?

それならば、「天神」幼児タブレット版がお役に立てるかもしれません。

1歳~3歳くらいまでは慣れるためにお母さん、お父さんのお膝にお子様を乗せるなどして、
お母さんお父さんが操作し、お子様へ語りかけながらすすめてください。

「天神」が発する声を真似して語りかけ、お子様とコミュニケーションしながら進めます。
絵本を読み聞かせするように使用してください。

「知らない」「間違い」で悲観せず、コミュニケーションのきっかけに

お子様が知らないものもたくさん出てきます。
もし、お子様が間違えても、それをきっかけにコミュニケーションしましょう。
「おしいね!」でも「こんなのもあるんだね」でも何でも良いです。
「間違えた!」と悲観せず親子で面白がることが学びに繋がります。

カリキュラムに沿った学習からスタート!興味関心が出てきたらフリー学習も

お子様の学習状況からカリキュラムを自動調整するので、カリキュラムを考える時間は必要ありません。しかし学習方法は「きょうのもくじ」だけではありません。自由に選んで学ぶ「フリー学習」も利用できます。お子様が興味を示す分野が見つかれば、特に伸び盛りな分野ですのでドンドンさせてあげてください。

成長とともに少しずつ問題が変化

など、10,000問超の問題数を収録
学習を進めると難しめの問題も増えてきます。
カリキュラムをお母さんお父さんが細かく管理する必要はなく、「天神」に完全におまかせでOKです。
※「天神」は年齢別に分割はされていません。

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