5歳児(年長)の勉強はどこまで?1日当たりの勉強時間の目安と7つの取り組むべきこと

幼稚園の「年長」にあたる5歳児の勉強はどこまで必要なのでしょうか。「勉強をいつから始め、どんな勉強を、どこまですればよいか分からない」「幼稚園児でも勉強するの?」そんな疑問を抱えている保護者も多いのではないでしょうか。

ここでは、5歳児の勉強はどこまで必要なのか、勉強時間の目安と保護者が取り組むべきこと7つを紹介します。

目次

5歳児(年長)の勉強はどこまで必要か

令和4年から文部科学省が推進している「幼保小の架け橋プログラム」について

文部科学省は、令和4年に「幼保小の架け橋プログラム」を公表しました。このプログラムが作られた背景には、幼稚園や保育所(以下、幼保)の7割以上が、小学校との連携に課題意識をもっていて、幼保と小学校の間で「子どもの資質・能力をつなぐ」カリキュラム編成」が行われていないという実態がありました。

そこで、このプログラムでは幼保から小学校への接続をスムーズに行うことで、小学校1年生になったときの子どもや保護者に対する学習面、精神面の負担を軽減することが目的とされています。さらに、幼保から小学校にかけて一貫した教育をすることで、一人一人の多様性に配慮した学びや生活習慣作りを幼児期から実施することが可能になります。

文部科学省の挙げる「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」とは

 「幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き」では、幼児期の終わりまでに育ってほしい姿として10の柱を挙げています。

(1) 健康な心と体

園生活の中で、充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ、見通しをもって行動し、自ら健康で安全な生活をつくり出す姿

(2) 自立心

身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で、しなければならないことを自覚し、自分の力で行うために考えたり、工夫したりしながら、諦めずにやり遂げることで達成感を味わい、自信をもって行動する姿

(3) 協同性 

友達と関わる中で、互いの思いや考えなどを共有し、共通の目的の実現に向けて、考えたり、工夫したり、協力したりし、充実感をもってやり遂げる姿

(4) 道徳性・規範意識の芽生え

友達と様々な体験を重ねる中で、してよいことや悪いことが分かり、自分の行動を振り返ったり 、友達の気持ちに共感したりし、相手の立場に立って行動するようになる。また、きまりを守る必要性が分かり、自分の気持ちを調整し、友達と折り合いを付けながら、きまりをつくったり、守ったりする姿

(5) 社会生活との関わり

家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに、地域の身近な人と触れ合う中で、人との様々な関わり方に気付き、相手の気持ちを考えて関わり、自分が役に立つ喜びを感じ、地域に親しみをもつようになる。また、園内外の様々な環境に関わる中で、遊びや生活に必要な情報を取り入れ、情報に基づき判断したり、情報を伝え合ったり活用したりするなど、情報を役立てながら活動するようになるとともに、公共の施設を大切に利用するなどして、社会とのつながりなどを意識するようになる姿

(6) 思考力の芽生え

身近な事象に積極的に関わる中で、物の性質や仕組みなどを感じ取ったり、気付いたりし、考えたり、予想したり、工夫したりするなど、多様な関わりを楽しむようになる。また、友達の様々な考えに触れる中で、自分と異なる考えがあることに気付き、自ら判断したり、考え直したりするなど、新しい考えをうみ出す喜びを味わいながら、自分の考えをよりよいものにする姿

(7)自然との関わり・生命尊重

自然に触れて感動する体験を通して、自然の変化などを感じ取り、好奇心や探究心をもって考え言葉などで表現しながら、身近な事象への関心が高まるとともに、自然への愛情や畏敬の念をもつ姿

また、身近な動植物に心を動かされる中で、生命の不思議さや尊さに気付き、身近な動植物への接し方を考え、命あるものとしていたわり、大切にする気持ちをもって関わる姿

(8)数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚

遊びや生活の中で、数量や図形、標識や文字などに親しむ体験を重ねたり、標識や文字の役割に気付いたりし、自らの必要感に基づきこれらを活用し、興味や関心、感覚をもつ姿

(9)言葉による伝え合い

先生や友達と心を通わせる中で、絵本や物語などに親しみながら、豊かな言葉や表現を身に付け、経験したことや考えたことなどを言葉で伝えたり、相手の話を注意して聞いたりし、言葉による伝え合いを楽しむ姿

(10) 豊かな感性と表現

心を動かす出来事などに触れ感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方などに気付き、感じたことや考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい、意欲をもつ姿

幼保小の架け橋プログラムの実施に向けての手引き

ここで目標とされるレベルは非常に高いと感じるのではないでしょうか。この柱を基に幼保では、手引きに記載のある望ましい姿を目標に教育カリキュラムを作成します。しかし、目標達成には幼保のみに頼るのは難しい面がありますので、保護者もお子様と一緒になって、理想の姿を求めていく必要があります。

5歳児(年長)の1日当たりの勉強時間について

5歳児の1日当たりの勉強時間について

5歳児の勉強時間の目安はどれくらいなのでしょうか。一般的には、集中することができる時間は「年齢+1分」と言われています。したがって、5歳児の場合は「6分程度」が集中できる時間です。集中できる時間は、勉強時間を算出する基礎になります。

家庭における勉強時間の目安は15分

5歳児の集中できる時間が「6分程度」ということから、家庭における勉強時間の目安は15分程度と言われています。つまり、2回学習に集中した時間が勉強時間です。大手出版社から発売されている学習ドリルやデジタル教材も「6分程度」で1ページが終わる、または15分程度で1ページが終わるように構成されています。勉強時間を考えていくときには「15分」を1つの基準に考えると良いです。

学習習慣をつけてコツコツと積み重ねよう

勉強時間の目安が15分と言っても、いきなり15分できる子は、ほとんどいません。まずは、学習習慣を付けることが第一段階です。学習習慣とは、「勉強道具を用意して、椅子に座って、問題を解く」という習慣を作ることです。

大切なことは「習慣化」です。理想は、毎日同じ時間に学習時間を設定することです。幼稚園や保育園でも子どもたちへの習慣付けを促すために使う手法で、「決まった時間にトイレに行く」「給食が終わったら掃除をする」などパターン化することで習慣になります。

したがって親にとっては時間設定が大切です。子どもが遊びたくなるような時間、興味のあるテレビがある時間、こうした時間に学習をしても身に付きません。1日の中で15分、集中できる時間を作り、保護者も一緒に付いてあげます。最初は1分からでもよいので、「この時間は学習する」と決めて習慣化し、学習経験を積み重ねるのがよいです。

5歳(年長)が勉強に取り組む上で注意する7つのこと

保護者が5歳児(年長)に勉強を取り組ませるとき、意識することは何でしょうか。小学生や中学生が勉強するのと5歳児(年長)では大きな違いがあります。勉強に取り組む上で注意するポイントを7つ紹介します。

子どもが好きな勉強を中心に始めること

1つ目のポイントは「好きな勉強から始めること」です。絵を描くのが好きであれば「線を引く」、話すことが好きなら「音読」など、お子様が興味関心を持っていることから始めます。理由は、勉強が「楽しい」「面白い」と感じさせるためです。2つ目にも関係しますが、勉強するには学力よりも習慣が大切です。子どもは楽しいこと、面白いことには集中して取り組み、夢中になってしまうものです。いきなり、苦手なものに取り組ませるのではなく、勉強が楽しいと思うような内容に取り組ませます。

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最初から勉強時間を「15分」と決めず、まずは数分から習慣を作ること

2つ目は、勉強する時間の習慣化と集中することです。『学習習慣をつけてコツコツと積み重ねよう』の項でも説明しましたが、5歳児(年長)の場合、最初から15分も椅子に座って勉強するというのはかなり難しいです。 なかなか座って取り組むことができない子も「まずは1分」「次に2分」と座って勉強する時間を作ります。少しずつ集中できる時間を延ばすことが大切です。

時間の見通しが立てれるようにすること

3つ目は、見通しが立つ状態にすることです。何が起こるのか分からないというのは子どもにとって不安を与えます。不安を感じさせないようにするために、いつから勉強が始まるのかを分かるようにすることが大切です。

例えば、「〇〇の音楽が鳴ったら片付けをする」これも幼稚園や保育園、学校現場でも使われる手法です。5歳児(年長)の勉強も「〇〇が終わったら勉強の時間」というように、できるだけ決まった時間に勉強をする習慣付けが大切です。時計の学習と関連付けるなら「〇〇時からは勉強」と決めるのもよいです。勉強の習慣付けをすることができるだけでなく、自ら勉強に向かう(主体的な学び)にもなります。主体的な学びは、強制的にやらされる学びより質が向上する理想の学習方法です。

勉強する環境を整えること

4つ目は、勉強する環境を整えることです。大人でも勉強するときに気になるものが周囲にあっては集中できません。5歳児(年長)は、ちょっとしたことでも気がそれてしまうものです。「テレビがついている」「おもちゃが近くにある」などの状況では、勉強に集中することができません。保護者は、子どもが集中できる環境を作り、そこで勉強することができるようにしましょう。習慣として身についてくると、自然と勉強の時間になれば、勉強する場所にやってくることができるようになります。15分、落ち着いて勉強できる環境作りをするのも親の役割です。

ゲーム感覚で取り組むこと

ゲーム感覚で取り組むこと

勉強が楽しいと思わせるためには、終わった後に「達成感」がなければいけません。ゲームだと時間を忘れるほど集中できるのに勉強だと全く集中できないのは、勉強に「楽しさ」を感じていないからです。

勉強に楽しさを感じさせるためには「達成感」が重要です。ゲームが面白いのは、自分が操作して結果が画面上に表れるからです。例えば、時計を読むことができるようになったら、わざと保護者が子どもに時間を聞いてみる、ひらがなが読めるようになってきたら読み聞かせではなく、自力で本を読ませてみるといった方法があります。実生活において勉強をゲーム感覚で始めることで子どもは達成感を得るでしょう。

 子どもにやらせたら保護者は褒めたり、修正したりという「価値づけ」をします。子どもはできない壁に当たると、できるようになろうと努力します。これがゲーム感覚に近いものになります。

親子で一緒に楽しんで行うこと

5歳児(年長)に一人で勉強をさせるのは難しいです。勉強も保護者と一緒に楽しんで行うようにしましょう。保護者の役割は子どものやったことに対する「価値づけ」です。上手くできていれば大いに褒めて、できていなければヒントを与えたり、修正したりします。

ポイントは、子どもが勉強の答えを出すのに困っているときにどう助けるかです。そのままでは時間がたつだけですし、自己解決できる力も少ないのでなかなか答えを導き出せません。そこで、上手にヒントを与えていきます。いきなり答えを子どもに伝えると知的好奇心を揺さぶることができないので、答えに近づいていくことができるヒントをどんどん投げかけ、最終的に自ら答えを出すことができたと感じるよう導きます。知的好奇心が揺さぶられれば、勉強は楽しいものになってきます。親がヒントを考えるのが大変な時は、ヒント機能が備わっている教材を使うこともできます。

終わったらやり切ったことを必ず褒める

どんなことでも「褒められる」とうれしいものです。保護者は必ず勉強が終わった後に褒めてあげましょう。正解をしていれば褒めやすいと思いますが、大切にしてほしいのは「過程」です。「5分座ることができた」「昨日よりもたくさん問題を解くことができた」などが褒めるポイントです。子どもは、どうしても結果にこだわってしまいます。しかし、勉強で大切なのは取り組んだ過程です。子どもの気づかない部分を褒めてあげると共に、前回よりも良くなった部分を示してあげると学習への意欲がわきます。

余裕があれば、褒めるだけでなく次の課題を保護者が示せるとよいでしょう。ゲームも、1つの課題をクリアーすると、すぐに次の課題が出てくるものが多いです。これが「夢中になる」要因になります。勉強も同じで、1つが終わったら、先ほどの課題よりも少し難しい課題を出す。そして、クリアーしたら褒めて、また1つ上の課題を与える。このような学習スパイラルができれば、勉強の習慣もつきますし、学力を高めることもできます。

勉強は「朝」取り組むことがおすすめ

15分の勉強時間をいつ確保すればよいかと聞かれれば、理想は朝です。朝勉強をするのが最適とは、受験生や仕事をする人にも言われていることで、「朝方勉強法」という言葉さえあります。

朝は脳が最も活性化するときで、集中力も高まります。この時間帯に勉強することができれば生活リズムも安定しますし、習慣付けもしやすいです。幼稚園児の場合、幼稚園が終わった後は友達と遊んだり、習い事があったりと決まった時間に勉強時間を設定するのが難しいという家庭もあるのではないでしょうか。朝ならば、少し早起きして朝食を食べ、幼稚園に行く準備を整えてから、少し勉強して幼稚園に行く。こんなモデルプランを作ることができます。朝の時間帯に何か用事が入ることは少ないので、5歳児(年長)の勉強でも朝方は非常に有効です。

小学校入学前に勉強が習慣化することで得られるメリット

5歳児(年長)だとまもなく小学校への入学も近づいている年齢です。保護者にとっては、5歳の今の勉強も大切ですが、小学校に入学してからの勉強も心配しているのではないでしょうか。そこで5歳の頃から勉強が習慣化することで得られるメリットを紹介します。

勉強に対しての自信がつく

1つ目は、勉強に対して自信が付くことです。「小1ショック」という言葉があります。幼稚園や保育園から小学校に上がったときに、上手く適応することができず、子どもや保護者が悩んでしまうものです。この小1ショックの原因の1つに「勉強」があります。小1の1学期は、学校に慣れるため、様々な配慮がされ、勉強もゆっくり進みます。2学期ぐらいから宿題が出て、読み書きや計算が本格的に始まっていきますが、入学前の段階である程度、知識があるのかないのかは大きな差になります。最初の段階から勉強が分からないと学習に対する意欲も生まれません。一方、学校で勉強している内容を理解できれば、先生に褒められ、周りの友達からも認められるので、子どもの自己肯定感が高まります。学習に対する自信も生まれるので、勉強面でつまずくことなく小学校生活をスタートすることができます。

小学校生活に早く慣れる

2つ目は小学校生活に早く慣れることができる点です。小学校は基本45分間の授業をします。担任の先生も、子どもが飽きないよう様々な工夫を授業に取り入れますが、落ち着いて座れない子も多数います。

15分でも集中することを練習していれば、授業をしっかりと受けることができますし、時間の切り替えをすることもできるようになってきます。小学生になると宿題が出るようになります。勉強の習慣がついていないと家庭で座って勉強させるだけでも保護者は苦労することになります。小学校生活と連動して、小学校に上がってからの日常生活にも学習習慣が付いているか、付いていないかは大きな影響を与えます。

5歳(年長)からの学習は、「集中して過ごす」「学習の習慣を付ける」という2つの点においては、5歳の段階から徐々に身に付けていくと、小学校に上がったときにスムーズなスタートを送ることができるようになることとも繋がります。

小学校入学に向けて、子どもに合った勉強方法をまだ見つけれていない保護者様

5歳(年長)は幼稚園・保育園から小学校へと環境の変化がある時期でもあり、小学校になると、これまでの心配事にプラスして学習面の心配も出てきます。

  • 家事や仕事、育児をこなしながら、さらには子どもの学習なんて気にかけていられない!
  • 勉強は自ら取り組むものであって、強制して勉強させるのは違うと思う。
  • 幼児期から勉強させることは考えていない!
  • 勉強させたいけど、やる気が続かない!

というお悩みを抱えていませんか?お考えの通り、過度な勉強や本人に興味がないことを進めることは、むしろ勉強に対する苦手意識などにつながり結果的に逆効果になってしまうでしょう。では遊びの一環で自主的に学習を取り入れることが出来れば、勉強する姿勢が身につき、学習する上での土台つくりになると思いませんか?

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