モンテッソーリ教育と発達の四段階について。知っておくことで得られるメリットも紹介します。

子育て中の保護者の中には「モンテッソーリ教育」という言葉を、目や耳にしたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

「モンテッソーリ教育」は、「子どもには自分で自分を育てる『自己教育力』という力が備わっている」という考えのもと、子ども自身が自分で考え、実践することを尊重する教育法です。イタリアの医師であり教育家のマリア・モンテッソーリが考案したため、こう呼ばれています。モンテッソーリは「子どもは年齢ごとに大きく変容している」という考えから、人間の発達段階を大きく4つに分けて示し、「発達の四段階」と名付けました。

この記事では、モンテッソーリ教育の「発達の四段階」について、段階ごとにその特徴を紹介しています。子どもの成長過程に「大きな変化のある時期」や「比較的安定する時期」などがあることを知っておくことで、子どもへの理解が深まり、子育てにも余裕がうまれるかもしれません。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

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目次

モンテッソーリ教育における発達の四段階とは

モンテッソーリ教育では、人間として完成するのは24歳頃とされ、0歳〜24歳までの発達段階を大きく4つに区切っています。

発達段階期間年齢説明
第1段階(変容期)幼児期0~6歳モンテッソーリ教育の中で最も重要な時期
数々の敏感期(ある特定のことに対して、感受性が高まる時期のこと)が訪れ、大きく成長する。本物に触れたい時期。
〈身体的自立〉
第2段階(安定期)児童期6~12歳安定した時期。膨大な記憶ができるようになる。
モラルと道徳心が生まれ想像力が豊かに。友達が大事になる。
〈精神的自立〉
第3段階(変容期)思春期12~18歳心身が大きく変化する時期。倫理的、社会的な基礎を築く時期。
家族の枠を飛び出して、自分を試したいと思うようになる。
〈社会的自立〉
第4段階(安定期)青年期18~24歳いつでも親元を離れて自立できる時期。
自己認識を確立し、社会貢献を考えられるまでに成長する時期。
〈精神的・道徳的自立〉
モンテッソーリ教育における発達の四段階

「発達の四段階」は、①0〜6歳の幼児期、②6〜12歳の児童期、③12〜18歳の思春期、④18〜24歳の青年期に分けられ、発達の様子は6年毎に変化します。モンテッソーリは4つの段階を変容期と安定期の繰り返しとし、蝶が卵で生まれ、青虫になり、さなぎになり、最後に美しい蝶に羽化していくまでの成長に例えました。

モンテッソーリ教育について調べているとよく出てくる「変容」という言葉ですが、ここでの「変容」とは、外面だけでなく内面が変わった結果、外に現れる様子も変化した、という意味と捉えると理解しやすいかもしれません。変容期は成長や変化が激しい時期なので、親は注意しなくてはならない時期でもあります。

また発達段階ごとに、子どもが求める環境も大きく変わります。大人にとっての良い環境と6歳までの子どもにとっての良い環境が違うように、小学生にとって、中高生にとって、あるいは大学生以上の子どもにとっての良い環境もそれぞれ変わるのです。それぞれの発達段階の特徴とニーズを詳しく知ることは、発達に応じた教育や環境を用意し、難しい局面にも備えることができるというメリットになります。

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モンテッソーリ教育は何歳から始めるべき?

モンテッソーリ教育は何歳から始めるべき?

モンテッソーリ教育は0歳の赤ちゃんから始めることができます。何歳からでも取り入れることができますが、0歳から6歳までの期間は特に重要とされているため、なるべく早く始める方がいいとも言われています。

子どもには、ある特定の能力を獲得するのに最高に適したタイミングがあります。この特別な時期のことをモンテッソーリ教育では「敏感期」と呼んでいます。この敏感期のほとんどは6歳までに終わってしまうため、そのタイミングを逃さないようにサポートをしてあげることが大切です。

第1段階:幼児期(0〜6歳)

幼年期ともいわれ、もっとも大きく成長と変容が見られる時期です。

「運動の敏感期」「言語の敏感期」などの数々の敏感期が訪れる時期で、モンテッソーリは「人生を生き抜いていくために必要な能力の80%が、この幼児期に備わる」と強調しています。この時期は五感をフルに使い、自分をとりまく環境で、色々なことをひたすら吸収していきます。成長の大きいこの時期は、3歳を境にして前半と後半に分けられます。

前半は「無意識的」に、様々なことを吸収していく時期、後半は「意識的」に、整理しながら吸収していく時期と言われています。

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前半:無意識的吸収精神(0〜3歳)

前半の0〜3歳は、「無意識的精神」の時期と呼ばれ、子どもはとにかくなんでもスポンジが水を吸い込むように、無意識的に環境全体を吸収していきます。歩く・手を使う・話すなどの人間の大切な機能が確立する時期でもあります。また、この時期には、英語や日本語など言語の違いを意識する前であるため、子どもは第2言語、第3言語も、自分が置かれた環境からどんどん学ぶことができるのです。

様々なことを学習するだけでなく、人格の基本が作られる重要な期間とも言えるでしょう。とはいえ、むやみに早期教育をすればいいというものではなく、あくまでも親にできることは環境を整えることであり、「子どもが自発的に成長していくのを手助けする」という姿勢が大切なのです。

後半:意識的吸収精神(3〜6歳)

後半の3〜6歳は「意識的精神」の時期と呼ばれ、ちょうど幼稚園や保育園の時期に相当します。前半の「無意識的」から「意識的」へと移行し、今まで無造作に取り込んでいた情報を、整理しながら取り込むようになっていきます。それまでに身につけたことをベースに、3歳からは動き回ったり手を使うことを通して色々なことを意識的に学習していきます。この時期に大切なことは、五感「触る・見る・聞く・嗅ぐ・味わう)を使った実体験から、子どもたちの知性の芽を育ててあげることです。

脳の発達も活発になり、膨大な情報を吸収するのと同時に、自分の意思も入ってくるようになるのもこの時期です。子どもが興味を持ったことは、 親の都合で妨げることなく、満足いくまでやらせてあげましょう。また順序や秩序に敏感な時期でもあるため、子どもが安心して過ごせるように、安定した生活習慣を心がけましょう。

第2段階:児童期(6〜12歳)

6〜12歳は心身ともに成長がなだらかになり、安定しています。第1段階と違って、2つに分かれず、6年間を通じてほぼ同じニーズが続いていくと考えられています。そのためモンテッソーリの小学校では、6〜12歳の子どもが同じクラスになることもあります。

この時期は知的欲求が高まり、膨大な記憶が可能となります。さらに「覚えたことを半永久的に忘れない時期」でもあることから勉強に適していて、できるだけ多くの経験をさせてあげることが大切と言えるでしょう。想像力が豊かになり、論理的にもなるため、「なぜ?」「どうして?」という疑問を多く持つようになるのもこの頃の特徴です。道徳観や正義感も強くなり、不公平な扱いなどには猛然と反対するようになるなど、白黒はっきりつけたがる時期でもあります。

また、仲間を作ろうという集団意識が育ち、友達との関係性が深まります。社会のルールを学ぶことで世界が広がり、自立や親離れの準備を始める時期でもあります。親離れと聞くと、親は少し寂しく感じることもあるかと思いますが、自立に向けて順調に成長している証として受け止めましょう。

第3段階:思春期(12〜18歳)

12〜18歳の中学・高校の時期は、ホルモン分泌が活発になり、心身ともに大きく変化します。第1段階と同様に不安定な時期で、「変容期」と呼ばれています。モンテッソーリは、幼年期のニーズが十分に満たされなかった子どもの多くが、この思春期に何らかの問題行動を起こすことがあるとして、幼年期と思春期の関連性を指摘しています。この思春期も前半と後半に分かれます。

この時期は、意識が自分自身に向かう傾向にあり、自分が集団や社会の中でどのような位置付けであるかに敏感になります。親以外の存在や、社会との関わりが大きな影響を与えるようになるのもこの頃です。思春期は、日本で「反抗期」とも呼ばれますが、反抗的な態度を取ったり理想と現実のギャップに悩んだりしながら、倫理的、社会的な基礎を築いていく大切な時期です。親を極端に避けるようになることもありますが、自立から巣立ちへの準備段階でもあることを理解し、親もアプローチの仕方を変える必要があるでしょう。

前半:前半期(12〜15歳)

前半の12〜15歳はホルモンが大きく変化し、心身ともに大きな変化がある時期です。繊細で、「魔の2歳児」と呼ばれた頃と同じような、対応の難しい時期でもあります。また、この頃は自分自身に意識が向き、他人からどう見られているかを気にするようになります。友人に認められているかどうかが重要で、心の安定を左右することもあります。

モンテッソーリは、子どもたちが不安定なこの時期を、自然に囲まれた農場で過ごすように勧めています。モンテッソーリ教育の中学校の生徒たちは、自然の中で植物や動物の世話をしたり、作った農作物を売ったり、ショップを運営するなどして、経済的に自立することも覚えていくそうです。そうした体験が、この時期に必要な、経済的・感情的自立につながると言われています。

後半:後半期(15〜18歳)

後半の15〜18歳は、身体的には「性的な成熟」など急速な成長がある一方で、心理的にはまだまだ不安の大きい時期です。傷つきやすかったり感情が不安定になるなど、精神面が揺れ動くことも多い反面、人や世界に関心があり、貢献したいと考えるようにもなります。

またこの時期は、社会に出るための最終準備の期間でもあります。18歳以降は、それぞれ大学に進学したりアルバイトを始めたり、自立した行動がより求められるようになるため、この時期に自立のための最終準備をする必要があるのです。モンテッソーリは、思春期にたくさんのボランティア活動、コミュニティへの参加、社会貢献の体験をすることが大切だと述べています。

第4段階:青年期(18〜24歳)

18〜24歳の頃には、思春期に見られた脆く危うい状態から脱し、意識が再び外に向くようになります。自分の将来や職業、社会に対してどのような貢献ができるかを考え、自立していきます。人間としての人格形成がほぼ完成する時期でもあり、身体的に著しい変化はなくなり、発達もほぼ完了します。しかし、モンテッソーリ教育における発達というのは、あくまで「生まれながらに備わった方向への成長は18歳までで終わる」という意味で、それ以降は成長しないという意味ではありません。この時期は視野が広がるような社会体験がさらなる成長を促します。青年期は、知識を高めたりスキルを磨きながら、自分の人生を歩いていく時期なのです。

発達の4段階を知っておくことで得られるメリット

発達の4段階を知っておくことで得られるメリット

モンテッソーリ教育の「発達の四段階」は、0〜24歳までの発達の流れを示しています。子育てにおいて、その全体像を把握し、あらかじめ知識を持っておくことはとても大切です。ここでは「発達の四段階」を知っておくことで、どんなメリットがあるのかについてお話ししましょう。

子どもの成長に沿った教育ができる

それぞれの段階の発達・必要性・特徴を知っておくことで、子どもがどんなことに興味を持ち行動するのか、何を求めているのかがわかり、子どもの成長に合った教育ができます。

生まれたばかりの赤ちゃんに、漢字や計算を教えることはしませんよね。これは極端な例えですが、何も知らずにいきなり子育てをしようとすると、これに近いようなことをしてしまう可能性もあります。だからこそ、子どもたちが今どの発達段階にいるのか、という知識をあらかじめもっておくことが大切なのです。

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子どもの変化に対応しやすい

「発達の四段階」を知っておくと、年齢ごとに現れる子どもの変化に落ち着いて対応することができます。幼年期の繰り返されるイタズラやこだわり、思春期の反抗など、何もわからないまま辛い日々を過ごすことは不安ですが、「子どもが今、敏感期や思春期という大きな変化の中で成長している」とあらかじめ知っていれば、親は慌てずに対処できるなど、乗り切るべき難しい局面にも、落ち着いて備えることができるのです。

まとめ

モンテッソーリは「新しい段階に順調に入っていけるかどうかは、その前の段階をいかに充実して終えてきたかにかかっている」と述べています。「思春期に親の言いなりになって反抗もしない『いい子』でいすぎたために、自分で考える力が育たず、青年期になっても自立できない」などといったケースがその例です。発達の段階を飛ばさずに、子どもが一段一段着実に成長していけるよう、親は見守ることが大切です。

子どもによって、発達のタイミングに違いはありますが、「こういう過程をたどりながら、子どもは成長していくのだな」と知っておくと、親も心の準備ができます。そして、発達に合った最適な環境など、親として用意できることも見えてくるでしょう。幼児期が過ぎてもそれぞれの成長の時期を親子で楽しみながら、一緒に子どもの「未来を生き抜く力」を育んでいけるといいですね。

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「天神」はモンテッソーリ教育の考えを取り入れ、0歳から6歳までに必要な学習内容を自己選択し、繰り返し・反復学習して満足感・達成感を得られる学習ツールです。

モンテッソーリ教育の根幹となるのは「教育の主体は子どもである」という考えです。「天神」も教育の主体を子どもに置き、「子どもが自発的に自らやりたい学習内容を選んで取り組む」ことに重点を置いています。

では、自主性や主体性を育てるためには、何をするべきでしょうか?

モンテッソーリ教育では、下記の形で学習を繰り返します。

主体的に取り組み、達成し満足感を得て「できる!」という自己肯定感を育む。その繰り返しによって学習習慣を身に付けながら、就学時(小学校入学時)までに必要な能力を獲得していきます。

こうした学習サイクル・学習習慣を身に着けていれば、その後の人生におけるあらゆる「学習」の機会で、新しい知識や考え方・技術などを身に付けやすくなります。

「天神」は、10,000問超の問題を収録し、お子様の興味を刺激し、学習状況に応じてカリキュラムを自動調整しながら反復学習を行います。※自由に学習内容を選んで学ぶこともできます。

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