モンテッソーリ教育における5つの分野とは?子どもの自主性を伸ばす教育メソッドを解説
メディアやネットでも盛んに取り上げられるようになったモンテッソーリ教育。日本では主に幼児教育の手法として知られています。そこで今回は、モンテッソーリ教育の特徴を解説します。
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モンテッソーリ教育とは?
モンテッソーリ教育とは、医師であり教育家だったイタリア人のマリア・モンテッソーリ博士(1870〜1952)が考案した教育法です。このモンテッソーリ教育は、子どもたちの自主性を尊重し、道具や教材を自ら選び、自由に活動することを大切にしています。最終的には、責任感と思いやりがある、生涯学び続ける姿勢を持った人間を育てることを目的としています。
モンテッソーリ教育は21世紀の現代でも多くの人に支持されています。海外ではマイクロソフトの創業者であるビル・ゲイツ氏や、Facebookの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏などがいます。日本では、中学生でプロデビューした藤井聡太氏の通っていた幼稚園がモンテッソーリ教育を導入していたということで、近年はモンテッソーリ熱が高まっているようです。
モンテッソーリ教育内容の5つの分野
モンテッソーリ教育での活動は「おしごと」と呼ばれており、子どもたちは「おしごと」を通して自主性を学び、成長していきます。 次は、モンテッソーリ教育で行う内容について詳しく解説します。
1.日常生活の練習
日常生活の練習とは子どもが家事や自分の身体をコントロールできるようになるための練習のことです。日常生活の練習の目的は、身体運動の獲得です。子どもは大人の真似をし、体の動かし方を学びます。子どもたちが日常的な動作の大切さを感じられるように、ひとつひとつていねいに取り組むことを重視しています。
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2.感覚教育
モンテッソーリ教育では視覚、聴覚などの感覚器官を使った練習をおこなうことにより、「ものを観察する能力」や「ものを考える方法」を身につけていきます。感覚教育はこの後紹介する「言語」「算数」「文化」教育という知的教育分野の基礎を作っていくための大切なものとされています。
3.言語教育
モンテッソーリ教育の言語教育では、子どもの言葉の発達に合わせたステップがあり、語彙を豊かにすることからはじまり、最終的に文法を学んでいきます。子どもたちの発達段階にあわせて、言葉遊びやカードゲーム、ドリルなど、さまざまな教材を使用し言語教育を進めていきます。
4.算数教育
モンテッソーリ教育の算数教育は、単に数を数えたり計算するだけではなく、数字を具体的に触れる形で覚えていくという特徴があります。抽象的になりがちな数の概念を具現化し、実際に触れながら、ものの数量や数詞、数字を学びながら、2桁、3桁の数字の計算ができるようになります。
5.文化教育
モンテッソーリ教育の文化教育は、言葉と数以外を対象とした幅広い分野への教育のことを指します。歴史や地理地学、社会動植物といった分野が含まれ、知識ではなく身近なものとして体験して感じることで、文化として獲得していきます。
モンテッソーリ教育ではどんなことをするの?
「子どもの発達に合わせて、どんな活動を用意したらいいんだろう?」と疑問に思う方に向けて、年代別にモンテッソーリ教育で行う内容について詳しく説明します。ただし、年齢はあくまで目安です。「○歳になったから、これをやる」ということではありません。年齢は参考程度に、どんな活動があるのか気軽に見てもらえればと思います。
0~3歳までに教育する内容
体や言葉を使ったコミュニケーションが始まり、記憶力が伸びる時期です。ほかの人とのコミュニケーションによって成長が促されるため、絵本の読み聞かせをしたり、指差しをして声かけをしたりすると良いでしょう。2〜3歳の時期は、生活リズムが整い始め、発語が活発になり、数や形を見分けられるようになります。言語教育では、たくさん話しかけるなどして豊かな語彙力を養いましょう。感覚教育においては、感覚教具を用いて「感覚の敏感期」にたくさんの刺激を与えてあげることがポイントです。
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3~6歳までに教育する内容
3〜6歳までは「意識の芽生え」の時期であり、0〜3歳までに吸収したことを頭のなかで整理できるようになります。最も生活に関わる部分では日常生活の練習があり、コップに水を注いだりハサミで紙を切ったりなどの動作を獲得します。感覚教育においては、微細な匂いをかぎ分けたり小さな物を見つけたりすることが可能になります。言語教育では、読んだり書いたりする能力を養います。また、算数教育では、数の理解から暗算の理解へとスムーズに移行します。
モンテッソーリ教育で身につくこと
ここまでモンテッソーリ教育の特徴を中心に解説しましたが、モンテッソーリ教育を実践することで子どもにどのようなことが身につくのでしょうか。
自主性や積極性が身につく
モンテッソーリ教育は、決められたプログラムに取り組む受け身の学習ではなく、子どもの「やりたい」「チャレンジしてみたい」という気持ちを尊重して学ぶものです。自分のしたいことをしたいだけできる環境が子どもたちの積極性や自主性の成長に役立ちます。
集中力が養われる
上記のとおり、モンテッソーリ教育では大人に指示を受けることがなく、自分の納得のいくまで物事を進めることができます。そのため、子どもは目の前の「おしごと」に夢中になって没頭することができます。その結果、高い集中力を身につけていくことができるのです。
社会性が身に付く
モンテッソーリ教育ではクラス編成が縦割りなので、年齢を問わずにコミュニケーションがとれるようになることも特徴のひとつです。年下の子が年上の子からいい刺激を受けたり、年上の子が年下の子を面倒見たりということも。大人になるにつれて身に付けていく社会性を、幼いうちから学ぶことができるのです。
家庭でもできるモンテッソーリ教育
ここまで読んで、モンテッソーリ教育のメソッドを家庭に取り入れたくなった方も多いかもしれません。特別な園に通わなくても、家庭でこの教育を実践することができます。最後に、家庭でもできる手軽なモンテッソーリ教育の導入法をご紹介します。
生活の中で自立を促す
モンテッソーリ教育の大きな目的は自立を促すことです。例えば、着替えをする時に手を貸さずに1人でやらせてみましょう。時間がないから、着方が間違ってるからと、途中で遮るのではなく、自分でなにかをやろうとしている時にはとにかくやらせてみることが大切です。
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自ら選択する機会を与える
なんでも親が選ぶのではなく、子ども自ら選択する機会を用意しましょう。あれもイヤこれもイヤと泣いている「イヤイヤ」期の子どもに選択肢を示すと、片方を選んでくれることがよくあります。子どもはとても早くから、自分で決めたいという思いを持っているのです。小さいころから自分で決めるという体験を繰り返すことで、自然と判断力がついてきます。
規則正しい生活と整理整頓された環境を用意する
モンテッソーリ教育を行うためには、規則正しい生活と整理整頓された環境が必要です。お仕事で使用する教具はもちろん、教室等の学びの場を提供すること、また教具等の収納場所なども発達段階に合わせて整備することが求められます。
モンテッソーリ教育を受けた著名人
- ラリーページ(Google創業者)
- セルゲイ・ブリン(Google創業者)
- ジェフ・ヘゾス(Amazon創業者)
- マーク・ザッカーバーグ(Faebook創業者)
- ジミー・ウェールズ(Wikipedia創業者)
- ピーター.F.ドラッガー(経営学者)
- ビル・ゲイツ(Microsoft創業者)
- キャサリン・グラハム(ワシントン・ポスト発行者)
- バラク・オバマ(元米国大統領)
- ビル・クリントン/ヒラリー・クリントン夫妻(元米国大統領/政治家)
- ウィリアム王子、ハリー王子(イギリス王室)
- アンネ・フランク(アンネの日記)
- ヘレン・ケラー(作家)
- ガルシア・マルケス(ノーベル文学賞作家)
- 藤井聡太(将棋棋士)
- 平野美宇(卓球選手)
- ステフィン・カリー(NBAバスケットボール選手)
- ビヨンセ・ノウルズ(歌手)
- テイラー・スイフト(シンガーソングライター)
まとめ
今回は、モンテッソーリ教育の特徴や子どもに身につくことを中心にご紹介してきました。モンテッソーリ教育を取り入れるときには、子どもがその個性を十分に発揮して成長していけるように、保護者の立場からサポートできる体制を少しずつ整えていきましょう。
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モンテッソーリ教育の根幹となるのは「教育の主体は子どもである」という考えです。「天神」も教育の主体を子どもに置き、「子どもが自発的に自らやりたい学習内容を選んで取り組む」ことに重点を置いています。
では、自主性や主体性を育てるためには、何をするべきでしょうか?
モンテッソーリ教育では、下記の形で学習を繰り返します。
主体的に取り組み、達成し満足感を得て「できる!」という自己肯定感を育む。その繰り返しによって学習習慣を身に付けながら、就学時(小学校入学時)までに必要な能力を獲得していきます。
こうした学習サイクル・学習習慣を身に着けていれば、その後の人生におけるあらゆる「学習」の機会で、新しい知識や考え方・技術などを身に付けやすくなります。
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