【小学校受験】「折り紙展開」が苦手な子どものための問題解説と、家庭でできる練習方法。
小学校受験で頻出の「折り紙展開」の問題。折り紙を折った状態で一部を切り抜き、開いたときの形として正しいものを選ぶという問題が最も一般的です。小学校以降で習う図形の問題にもつながる重要な分野ですが、ペーパーテストで出題されるとなかなか形をイメージできずに困惑してしまうお子様も珍しくありません。今回は、そんな「折り紙展開」の問題を解くために必要な力や、お家でできる対策についてご紹介します。
「折り紙展開」の問題について
「折り紙展開」の問題は、「折り紙を折った状態で一部を切り抜き、開いたときにどのような形になっているか?」を問うものです。具体的にはどのような形で問われるのでしょうか。実際に「天神」幼児タブレット版に収録されている問題を見てみましょう。
「折り紙展開」の問題例と解説
下の絵のように、二つに折った折り紙をはさみで切り取りました。開くと、どんな形になるでしょう。正しいものを選びましょう。
この問題では、斜めに半分に折られた折り紙を、一部切り抜いています。開くと、斜めに線対称な形ができるはずです。今回の答えは、右から二番目の三角形ですね。
このように、折られた状態の形から、開いた時の形を想像して答えを選ぶ必要があります。
「折り紙展開」はなぜ難しいのか
この問題に苦戦するお子様は珍しくありません。では、なぜこの問題は難しく感じられるのでしょうか。それは、見えていない形を想像する必要があるからです。たとえば、三角形の穴が、開くことでより大きな三角形に変化することがあります。また、折られた向きによって、開いた時の形や位置が変わります。三角形が大きな三角形になることもあれば、離れた二つの三角形になったり、四角形になったりすることもあります。
これを正しく認識するためには、折り紙を開いた時の図形の変化をイメージする高度な能力が要求されます。この力を育むためには、実際に形を見たり、作ったりしながら練習することが大事です。
小学校側は「折り紙展開」の問題で子どもの何を見ているのか
小学校側は、「折り紙展開」を子どもに解かせることによって、子どものどんな能力を測りたいのでしょうか。
という部分を測ろうとしているのです。これらの力が身についていると、図形の問題などを中心とした、小学校に上がってから習う算数の基礎となります。そのため、よく受験で出題されるのだといえるでしょう。
「折り紙展開」の問題を解くために必要な力
「折り紙展開」の問題を解くためには、いくつかの能力が必要になります。具体的には、「空間認識能力」と「想像力」が重要です。一つずつ見てみましょう。
空間認識能力
まず重要なのは、空間認識能力です。「折り紙を開く」という動きを頭の中で正確にイメージするためには、高度な空間認識能力が必要不可欠です。
見えている形が同じでも、どのように折られているかによって開き方が異なりますし、それによって開いた後の折り紙の形(穴の形や位置)は違ったものになります。そのため、折られた折り紙の絵を見て、
を、正しく認識する必要があります。その上で、「どう動かすと折り紙が開くか」「動かした時に形がどう変化するか」を考えていくことが必要になります。
想像力
「折り紙を開くとどうなるかイメージする」という行為は、すなわち頭の中で折り紙や切り取られた穴のことを「想像する」ことに他なりません。受験当日に実際に折り紙を折ったり切ったりすることはできず、紙に書かれた情報をもとに頭の中で考えることになりますから、想像する力は「折り紙展開」の問題を解くために重要な能力であるといえます。
「折り紙展開」の問題を解くためのポイント
ここまで、「折り紙展開」の問題の難しさや、必要な能力についてお伝えしました。ここからは、実際に「折り紙展開」の問題の解き方や、解くときに役立つ考え方をご紹介します。
選択肢を減らす(消去法)
まず第一に覚えていただきたいことが、「消去法を用いる」ということです。学校に入ってからのテストや受験ではよく使われるテクニックですが、小学校受験においても用いることができますし、この「折り紙展開」の問題は、消去法で解くことと相性がよい問題だといえます。
たとえば、上で紹介した問題をもう一度見てみましょう。
選択肢をよく見てみると、一番左の形や、一番右の形は、「斜めに二つに折った紙を切り取って開いた」形としてはありえない形をしています。この折り方では、どのように切ったとしてもこのような形にはなりませんから、まずこれを最初に「消す」ことができます。
実際に紙の教材やテストで解くときには、この選択肢にバツをつけたり、上から斜線を引いたりして分かりやすくしておくとよいでしょう。
このようにして、選択肢を基準にして解いていくと、間違えにくくなります。
「頭の中で答えを作って、それにぴったり合う選択肢を探して選ぶ」よりも、「選択肢一つ一つについて、正しいか確かめる」という解き方が役に立つ問題は少なくありません。小学校以降に上がってからも役に立つ解き方ですから、この機会に身につけておくとよいでしょう。
線対称を意識させる
「線対称」は小学校に入ってから学習する内容ですが、「折り返してぴったり重なる形がある」ということ自体は、小学校に通う前のお子様でも身につける事ができる事柄です。
折り紙をぴったり重なるように折って見せるのも良いですし、「左右の手を合わせるとぴったり重なる」「チョウチョの羽がぴったり重なる」のように、身近なものの中から線対称な形を探すのも良いでしょう。
「線対称」という言葉はともかく、「折り返したときにぴったり重なる形」のことを知っていれば、「折り紙展開」の問題を解くときにも「二つ折りの紙を開いたはずなのに、穴がこんな形になることはない」と判断して、素早く選択肢を消去することができるでしょう。
見えていない部分も意識する
また、「見えていない部分」について意識を向ける練習も必要です。
さきほど紹介した問題でいえば、開いたときの形のうち、左上だけが見えていて、右下は見えていないと考えることができます。特にお子様がまだ小さい場合は、「見えていない部分も、見えていないだけで存在している」という認識がしっかりと身についているとは限りません。
ある程度年齢を重ねると、「見えていない部分がある」こと自体はある程度スムーズに理解できるかもしれません。しかし、それが右側にあるのか、左側にあるのか? さらに、今見えている形から変わるのか、変わらないのか? といった細かい認識に手こずり、誤った選択肢を選んでしまうことがあります。
「折り紙展開」の問題を理解させる方法
ここまで、「折り紙展開」を解くために重要になる考え方を紹介しました。では、「折り紙展開」の問題を、お子様がうまく解けるようになるためには、どのような教え方をするとよいのでしょうか。いくつか紹介していきます。
実際に折り紙を折って切り取る
実際に問題に取り組む前に、まずは実際に折り紙を折って、切り取ったり開いたりすることで、さまざまな形を作ってみるという練習法をおすすめします。この練習は、お子様が穴の形や動きについて想像する土台を作るための練習として非常に有用です。また、できた形だけではなく、切り落とした部分についても広げてみて、どんな形になっているか考えることで、より効果的に学習することができます。
さらに、折り紙を折ったり切ったりすることで鍛えられる手先の動きの器用さは、他の課題にも役に立ちますから、実際の折り紙を使った練習はぜひ取り入れていただきたいものだといえます。 実際に問題を取り組む前段階としてこの練習法をおすすめしましたが、実際に折り紙を折って考える方法は、「折り紙展開」の問題に取り組み始めてからも有効です。
二つ折りにした紙を切り取ることではどうしても作れない選択肢を早めに消す、という解き方を先ほど紹介しましたが、「作れない形」があることも言葉だけでは説明しにくい部分があります。しかし、実際に紙を渡して、「この形は作れるかな?」と試してみることで、「作れる形、作れない形」や「線対称になる」という法則を、自分の経験と結びつけてスムーズに理解できるようになります。
折り目に線を引く
「折り紙展開」の問題に取り組む際には、選択肢の絵に折り目の線を引くと、問題の絵と選択肢の絵を見比べやすくなります。
ただし、どこが折り目なのかは、選択肢の絵を見るだけでは分からないので、問題の折り紙をよく見て、折り紙を開いたときにどこに折り目があるかを考えます。それと同じ折り目になるように、選択肢の絵に線を引きましょう。
たとえば、このように線を引くと、「三角形」という一つの図形に見えていたものの見え方が変わってきます。
ことに、お子様が気付きやすくなります。
さまざまな問題をこなす
実際に折り紙を使って形を作ったり簡単な問題に取り組んだりして、線対称の法則がある程度身についてきたら、さまざまな問題を解いてみましょう。実際の問題は二つ折りにするものとは限りません。
「天神」幼児タブレット版に収録されている問題の中にも、折り紙を四つに折りたたんでから一部を切り取るものや、斜めに折るものなどが存在します。
これらの問題は二つ折りの問題よりも複雑ですが、穴の形や位置の変化をしっかりイメージする能力が育っていれば、同様の解き方で正解を導くことができます。しかし、受験会場でいきなり出会うと緊張してしまって、落ち着いて解けばわかったはずなのに間違えてしまうということもありえます。普段からさまざまなパターンの問題に慣れておくことが、本番の対策として重要です。
また、この時に、問題のレベルをどんどん上げて、すぐに発展問題へと進もうとするよりも、一つ一つ、その時のお子様の学習のレベルに合った問題を解くことを意識してください。 問題を解く力が定着していない状態で複雑な問題に挑もうとすると、さらに混乱してしまうことがあるからです。そのため、まずは二つ折りなどの基本的な問題がしっかり定着してから、四つ折りの問題や実際の過去問などの発展問題に少しずつ挑戦するのがおすすめです。
まとめ
今回は、「折り紙展開」の問題の内容や、必要になる能力、解き方のコツ、そして解けるようになるための方法についてお伝えしました。この課題は、「消去法」や「線対称」の考え方といった、少しテクニカルな解き方が有効になる課題です。そのぶん、考え方を身につけられるようにサポートすることが、正解への近道であるともいえます。お子様がしっかり理解できるように、一緒に折り紙を折ったり切ったりする時間を作るなど、学習を促してあげてください。
「折り紙展開」の練習のコツはわかったけれど、実際に取り組むのは大変そう・・・と感じられた方へ
「折り紙展開」をご家庭で練習する際には、
・実際に折り紙を折る
・折り目に線を引く
・さまざまな問題をこなす
といった段階を踏んで学習を進めていただく方法をお伝えしました。
とはいえ、お子様の今のレベルにちょうど合わせた問題集を見つけるのは、家事、育児、仕事などをしながらだとなかなか難しいかもしれません。
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なお、今回解説した「折り紙展開」の問題は、「きりえ」という名前で45問収録しています。二つ折りの基本的な問題から、四つ折り、斜めに折ったものなど発展的な問題まで幅広く収録しています。
「折り紙展開」の理解に役立つ「図形分割」分野の問題を多数収録
「図形分割」の問題は全部で145問収録。折り紙を折った時の折り目の形を考えるものなど、「折り紙展開」の理解を助けるさまざまな問題に挑戦できます。
イメージを分かりやすく促すアニメーション問題
「天神」に収録された「折り紙展開」の問題は、間違えたとき、正解したとき、どちらの場合でも、その後に「実際に折り紙を広げる」アニメが再生されます。これを見ることで、お子様が頭の中で折り紙の様子をイメージする力を養うことができます。
まずは「四方図(四方観察)」に取り組んでみよう
立方体だけではなく、イメージしやすいアニメーション問題で80問バリエーションを聞かせた問題を多数収録しています。毎回少しずつ内容が変化するので、飽きずにしっかり定着。自主的にスモールステップを踏んで反復学習することが出来ます。
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