自主性を育む教育法ピラミッドメソッドとは?特徴、メリット・注意点を解説します

「子どもの自主性を尊重したいとは思っているけれど、さまざまな教育法があって何が良いかわからない」と悩んでいる人も少なくないでしょう。

自主性を大切にする教育法には、モンテッソーリ教育などをはじめ、沢山の教育法が存在します。その中の一つにある、ピラミッドメソッドという教育法をご存じでしょうか。この記事では、ピラミッドメソッドの始まりや特徴、メリットや注意点を紹介します。ぜひ最後までご覧いただき、ピラミッドメソッドが家庭の教育方針に合う教育法か検討してみてください。

目次

ピラミッドメソッドという教育法

ピラミッドメソッドは自主性を大切にしている教育法で、

  • 問題解決力を養う
  • 子ども自身が物事を選択し決断する

などに重点を置いているという特徴があります。自主性を大切にする教育法といえば、よく聞く教育法として「モンテッソーリ教育」の名前が挙げられると思います。自主性を大切にしているという点ではピラミッドメソッドも、同じベクトルを持つ教育法です。

まずはピラミッドメソッドについて、始まりや名前の由来を解説します。

ピラミッドメソッドの始まり、名前の由来

ピラミッドメソッドは1994年、ジェフ・フォン・カルク教育心理学博士によりオランダの幼児教育カリキュラムとして開発されたのが始まりです。ピラミッドメソッドは、

  • ピラミッドを作るときの土台である基礎石のような基本理念
  • ピラミッドのように基礎石の上に積み上げていく教育方法

という意味合いから、ピラミッドメソッドと呼ばれています。

ピラミッドメソッドの特徴

ピラミッドメソッドには下記の特徴があります。

  • 4つの基礎石
  • 目に見える保育環境
  • プロジェクトという保育活動

それぞれについて順番に解説します。

4つの基礎石(基本理念)

ピラミッドメソッドには、基礎石といわれる4つの重要な基本理念があります。

4つの基礎石

  • 子どもの自主性
  • 保護者の自主性
  • 寄り添うこと
  • 距離を置くこと

ピラミッドを作るときの土台である基礎石のように、これら4つの基本理念をしっかりすることで、その上に安定して教育方法を積み上げることができます。ここでは、この4つの基礎石について解説していきます。

子どもの自主性

ピラミッドメソッドは子どもの自主性が重要とされています。自主性とは「すべきことに対して、誰かに指示される前に行動する性質」です。ピラミッドメソッドでは、自主性を育てるためにやる気や自信を持つことが大切だと考えられています。子どもたちがやる気や自信を持てるよう、能力を発揮できる環境作りに重点を置いています。

保護者の自主性

ピラミッドメソッドは子どもの自主性だけでなく、保護者の自主性も大切にしています。子どもの自主性が育つよう保護者が働きかけ、子どもを信じて支援する必要があるからです。そのために、子どもへの働きかけや支援だけでなく、安らぎを与えることも重要とされています。

寄り添うこと

自主性を大切にしているピラミッドメソッドですが、寄り添い信頼関係を築くことも大切な要素と考えられています。子どもにとって保護者との信頼関係は、やる気や自信に繋がるからです。良好な信頼関係を築くためには、子どもが助けを必要としている時に保護者が手を差し伸べる必要があります。

距離を置くこと

ピラミッドメソッドでは「ディスタンシング理論」を採用し、距離を置くことを大切にしています。「ディスタンシング理論」とは、子どもの成長を促すためには目の前の物事や学びだけでなく、距離を置いて目に見えないものに焦点を合わせる学びが大切だという理論で、子どもの挑戦を促します。

例えば、積み木遊びにおいて、親と一緒に行うことで高く積んだりお家のような意味のあるものを作ることができます。しかし、距離を置くことで子どもは積み木自体に興味を示すようになり、積み木の数など目に見えない抽象的な概念に興味を示すようになるかもしれません。

このように子どもは親や保育者から離れることで、ものごとを深く探求できるようになる可能性があるのです。そして子どもは探求していく中で、

  • 危険や困難に挑戦
  • 理解するという報酬を得る

など経験し、成長していくのです。

目に見える保育環境

ピラミッドメソッドでは4つの基礎石に加えて、目で見て学びや遊びが分かる保育環境を作り、子どもが自ら選択することを重要としています。子どもが自ら選択することで自主性を育てられるからです。ピラミッドメソッドは

  • 何を遊ぶか
  • 誰と遊ぶか
  • 一人で何をするか

などを考えられる環境を大切にしています。

プロジェクトという名の保育活動

ピラミッドメソッドは4つの基礎石をベースに日常生活にテーマを与えて、遊びを学びに発展させる「プロジェクト」という名の保育活動を行います。プロジェクトのテーマは11個あり「数」「大きさ」「色」「家」などさまざまです。

例えば「数」というテーマなら

  • 積み木の数を数える
  • 絵本に出てくる数字を数える

といった内容があります。このプロジェクトはテーマに加えて、目的や期間を決めることで遊びから学びに発展させます。そして徐々に難易度を上げることで、子どもたちは学びに対して理解を深められます。子どもたちは理解を深めることで「わかる」という嬉しさを感じることができ、学びに興味を持つことができるのです。

ピラミッドメソッドのメリットと注意点について

ここまでピラミッドメソッドについて詳しく解説しました。「ピラミッドメソッドは自主性を大切にする教育法」で良さそうと感じた人も多いのではないでしょうか。ただ、実際にお子様の教育に取り入れるとなるとメリットや何を注意すればいいかが気になりますよね。それぞれ解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

メリット

ピラミッドメソッドには2つのメリットがあります。それぞれ順番に解説しますので、ピラミッドメソッドを取り入れようか検討している人は家庭の教育方針に合っているか確認してみてください。

自主性が育つ

基本理念の1つにも「子どもの自主性」があるように、

  • 子どもたちが自ら選択できる保育環境
  • 学びに興味を持ち理解を深められるプロジェクト

という2つの実践で、自主性を高く伸ばすことができます。また、これらの実践を通じて、自ら問題を解決しようとする力や自信をもって意思表示する力を高めることができます。

語彙力が育つ

ピラミッドメソッドにより子どもの語彙力が育つと、具体的な言語表現の成長を期待できます。

文部科学省によると、言語力を育てるには「さまざまな教育環境を活用する必要がある」とされています。ピラミッドメソッドはプロジェクトにより日常生活でさまざまな学びができるため、語彙力が育ちやすいのでしょう。語彙力が育つことで自己表現がしやすくなるため、自分の意志をハッキリ伝えるなど自主性も育てることができます。

注意点

自主性や語彙力が育つピラミッドメソッドですが、注意しなければいけない点もあります。ここからは、ピラミッドメソッドの3つの注意点を解説します。

受験には向いていない

ピラミッドメソッドは自主性を育てる教育法のため、字の練習や数字を覚えるなどの勉強を教えることはしません。プロジェクトで「数を数える」などの取り組みはありますが、机に向かって勉強するわけではありません。そのため、受験を考えているお子様には不向きでしょう。

集団行動に苦手意識を持つ可能性も

ピラミッドメソッドでは自主性を高めることを重視するため、集団行動に対してとまどいを感じたり、苦手意識を持ったりしてしまう可能性があります。また、日本は協調性を重視する傾向にあります。ピラミッドメソッドで自主性を意識した結果、集団になじめず浮いてしまう可能性もあるでしょう。

国内のピラミッドメソッド認定保育園は少ない

ピラミッドメソッドという教育法は、現状日本ではあまり知られていません。そのためピラミッドメソッド認可保育園が少ないのも特徴の一つです。ピラミッドメソッドを学ばせたいと思っても、近くに認可保育園がないために諦めるというケースも少なくありません。

まとめ

ピラミッドメソッドとは、自主性を大切にする教育法で、オランダ発祥の幼児教育カリキュラムです。教育理論と実践をわかりやすくするためにピラミッド型(四角錐)で整理したことから、その名が付けられました。

ピラミッドメソッドの特徴には「子どもの自主性」「保護者の自主性」「寄り添うこと」「距離を置くこと」という4つの基礎石(基本理念)と、目に見える保育環境、プロジェクト活動という実践があります。「自主性を育ててあげたい!」という教育方針をお持ちの方は、取り入れてみてはいかがでしょうか

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