手先を器用にする幼児期から始める「切り絵」子どもにもたらすメリットと教え方、準備するものなどを紹介
幼児期は、手先の発達が著しい時期です。また、手先を使うと脳が刺激されるので、脳の発達を促すこともできます。そのため、幼児期には積み木などの知育玩具での取り組みや、本記事のテーマとなる「切り絵」などに取り組むのがおすすめです。
そこで今回は、幼児期に取り組む“切り絵”が子どもにもたらすメリット、そして取り組み方や準備物について詳しく解説していきます。切り絵はお外で遊べない日の取り組みとしても最適なので、ぜひ最後までお読みいただき、日々の子育てに取り入れましょう。
切り絵は何歳から始めることが出来るか
切り絵に取り組むには、はさみを使う必要があります。そのため、
といった2つの条件を満たさなければいけません。そして、この2つの条件を満たすことができる平均的な年齢は、おおよそ2〜3歳頃と考えられています。しかし、この時期は個人差が大きい時期なので、お子様の様子をしっかりと観察することが大切です。また、その日によって安全にできる日とそうでない日がある時期なので、その日の状態を適切に見極めることも大切です。
保育園で「切り絵」を取り入れている理由
はさみを使用する切り絵は手先の発達や脳の発達に有益な効果があるだけでなく、生活の質を高める効果もあると考えられています。というのも、はさみは非常に便利なアイテムなので、はさみが使えるとさまざまなことができるようになり、子どもの可能性を広げることができるのです。
特に保育園や幼稚園は制作活動がさかんなので、はさみが使えると作品のバリエーションも豊かになります。また、はさみを用いる取り組みは、子ども達にとってワクワクできる楽しい取り組みなので、安全に取り組めるならば切り絵はメリットしかない活動といっても過言ではないのです。
切り絵で得ることが出来るメリット
ここまでの内容だけでも、切り絵はメリットが多い取り組みであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。しかし、ここまでご紹介したメリットの他にも大きなメリットが4つあります。ここでは、その4つのメリットとされている
について詳しく説明していきます。
創造力
創造力とは、“つくりだす力”のことです。想像力は想像する力ですが、創造力は想像してつくり出す力までのことを指しており、イメージを具現化する力と考えられています。切り絵は、「こんなふうに作りたい」といったように想像をし、作業に取り組みます。そして、完成像に近づけられるように、試行錯誤して作業を進める取り組みです。
このように、切り絵は想像したり創造したりする取り組みなので、取り組みをくり返すうちに、創造力を育むことができるのです。
集中力
切り絵は、ケガに注意したり、細かい作業に取り組んだりする活動なので、集中力が必要になります。そのため、集中力を要する切り絵に取り組むことで、集中力を向上させることができます。子どもは大人に比べると集中するのが難しいものですが、楽しめる取り組みならば集中することが可能です。そのため、楽しい取り組みや興味のある取り組みで集中する体験を重ねて、無理なく集中力を育んでいくのが理想的です。
手先の器用さ
手先の器用さ(巧緻性)は、細かい作業をくり返すことで向上させることができます。
楽器で例えた場合、ピアノやギターがあります。これらの取り組みも練習を重ねれば重ねるほど技術が高まりますが、切り絵も手先を動かす取り組みなので、作業をくり返すほど手先が器用になるのが特徴です。そのため、切り絵をすれば、自然と手先が器用になっていくでしょう。
自己肯定感(達成感)
切り絵は、達成感を感じることができる取り組みです。
切り絵は完成させたいイメージになるように作業し、完成させる取り組みなので、1つの作品を完成させるごとに「できた!」と満足感を得ることができます。また、指先が器用になるにつれて難しい切り方ができるようになるので、自分の成長を実感し、より大きな達成感を得られるようになります。
人は達成感を感じる体験を重ねると自己肯定感が高まるので、切り絵は自己肯定感を高めるのにも最適な取り組みと考えられるでしょう。
切り絵を始める手順
切り絵のメリットや魅力について理解ができたところで、次に切り絵を始める手順について説明します。おおまかな手順は下記の通りです。
- 道具をそろえる(幼児が扱いやすいものを選ぶ)
- どのように切るか図案を考える(インターネットなどからダウンロードをするのもGood)
- 実際にカットする(ケガに注意する)
- 完成品を評価する(上手にできた作品は保管するのもおすすめ)
一般的には上記のような流れになります。しかし、より具体的な取り組み方を理解すると、さらに満足できる切り絵活動ができるので、下記のポイントもぜひ参考にしてください。
切り絵の切り方について
切り絵でカットする場合は、事前に切り方を教えることも大切です。また、保護者がどのような切り方がお子様に最適なのか理解できていると、より効果的に切り絵ができるでしょう。ここでは、幼児期に意識すべき5つの切り方について説明していきます。
1回切り
大人であれば、はさみをチョキチョキと開いたり閉じたりして切るのが一般的な方法です。しかし、手先の発達が未熟な子どもの場合は、開いたり閉じたりするのが難しい場合があるでしょう。
そのため、まずは1回切りでお子様の手先の器用さを確認するのがおすすめです。
1回切りとは、1回チョキンとするだけの切り方です。具体的な取り組み方としては、テープ状に切った紙などに線を引いて、切る目安を明確にします。そして、保護者が両端を持ち、お子様が線の通りにチョキンと切ります。完成イメージは花吹雪のような形です。
この作業に問題がない場合は、紙を持つのもお子様にしてチャレンジしてみましょう。お子様が自分で持つ場合は、持ち手部分に印をつけておくと、指を切りにくくなるのでおすすめです。
2回切り
1回きりができるようになったら、次は2回切りに挑戦してみましょう。
2回切りは「チョキチョキ」と2回切る方法ですが、テープ状の物を連続して切るもよし、2回で切り終わる程度の大きさの紙を切るもよし、お子様の意欲が高まる方法で取り組むのがおすすめです。
幼児期に取り組むはさみ活動は、はさんだあと(刃を閉じたあと)に刃を開くことができるかどうかが鍵になります。そのため、2回切りができるようになると、より複雑な、さまざまな切り方ができるようになってきている証と考えることができます。
直線切り・曲線切り・ジグザグ切り・直角切り
2回切りができるようになると、さまざまな切り方ができるようになります。
・直線切り:まっすぐに切り進んでいく切り方
・曲線切り:曲線状に切っていく切り方
・ジグザグ切り:ジグザグに切る切り方
・直角切り:直角に切る切り方
切り絵を始めたばかりの頃は、「曲線状に切ってみよう!」と声がけをするだけでは難しい場合がほとんどなので、画用紙にマッキーやポスカなどでカットする線を記入してから取り組むのがおすすめです。そうすることで、お子様はその線通りに切ろうと意識できるので、より効果的に取り組むことができるでしょう。
切り紙
さまざまな切り方ができるようになったら、次は切り紙に挑戦してみましょう。
切り紙は、紙を切って何かをつくり出すことです。そのため、チラシに載っている商品を切ったり、塗り終わったぬり絵を切ったりするのも、この段階の取り組みにあてはまります。
また最近は、インターネット上のサイトから切り絵ができる素材がダウンロードできるようになったので、そのようなコンテンツを利用するのもおすすめです。また、お絵描きが得意な家族がいる場合は、誰かに絵をかいてもらって、お子様がカットするのも素敵な取り組みになるでしょう。
自分で描いた絵の切り絵
お子様が自分で絵を描けるようになったら、全ての工程をお子様に任せてみるのもおすすめです。そのようなときは、「全部自分でできるようになったね」といったように、以前よりも成長していることをしっかり褒めるようにしましょう。
ただ、1点注意が必要です。全工程をお子様ひとりでできるようになると、大人は安心しきってしまうことがあります。しかし、子どものうちははさみをもって立ち上がったり、ヒヤリとする行動をとったりする場合があります。そのため、一通り任せられるようになっても、はさみを取り扱う際は、保護者は見守りを怠らないように注意しなければいけません。
切り絵のルール
大人がカッターで行う切り絵とは異なり、幼児期の子どもが取り組む切り絵には、「こうしなければいけない」というルールが基本的にありません。はさみを乱暴に扱わずに、“安全に行うこと”が最も大切な基本ルールといえるでしょう。
ただ、下記のポイントを押さえておくと、より安全に、満足度の高い作品を完成させることができます。
- 切り始めは内側の細かい部分からスタートするのがおすすめ
- 上手に切れていない場合でも手で引きちぎらない(再度カットする)
- 飽きてきたら無理強いしない
- 安全にはさみを取り扱えない場合はいったん取り組みを中止する
上記を見ても分かるように、幼児期の切り絵は“安全に楽しく取り組むこと”を最優先にするのが大切です。また、カッターではなく、コントロールがしやすい“はさみ”を使うのも基本ルールのひとつです。
切り絵を行う前に準備するもの
切り絵を行う前に準備するものは、幼児期の取り組みであれば「紙(図案)」と「はさみ」だけで問題ありません。ただ、作品を保存したいと考えている場合は、台紙やのりも準備するようにしましょう。
また、用意する紙(図案)は、素材にこだわるのも大切なポイントです。例えば、手先にあまり力が入らないようならば、折り紙など薄い素材を使うのがおすすめです。一方、画用紙などはかたい素材なので、簡単にちぎれたりしない点が大きなメリットになります。ジグザグ切りなど複雑な切り方をするときは、このような素材を選ぶのがおすすめです。このように、切り絵に取り組む際は、お子様の様子や目的に合わせて紙を選ぶようにしましょう。
そして、はさみもお子様が扱いやすいアイテムを見つけることが大切です。切れ味のいい大人用のはさみは避けるべきアイテムのひとつですが、なかなか切れないプラスチック製のはさみも制作意欲が低下するので様子を見る必要があるアイテムといえるでしょう。
終わったら必ず褒めること
切り絵はとても楽しい、メリットが多い取り組みです。しかし、子どもにとっての最大の喜びは、保護者に褒めてもらうことといっても過言ではないでしょう。また、親子で完成を喜ぶことで、達成感がより大きなものになるので、自己肯定感を高めるためにも“褒め褒めタイム”は意識して取り入れるべき、大切な取り組みのひとつです。
そして、「どこが難しかった?」「これはなぁに?」など、取り組みを振り返ることは、親子のコミュニケーションとしても最適です。ぜひ取り組みのあとはお子様をたっぷり褒める“褒め褒めタイム”を設けるようにしましょう。
ここまでご紹介したとおり「切り絵」を行うことで
等のメリットを得ることが出来ます。
しかし、家事・育児・仕事などもあるし、それにプラスして色々なことを追加していくのは大変、、、
分かった気がしてもポイントをおさえながら実際にするのは大変そう、、、
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幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
「幼児教育はまだ早い」と思われている方ほど、早めの取り組みをおすすめします。