子どもに必要な成功体験例と、成功体験を自己肯定感向上につなげるための取り組み方を紹介します。
子どもの成長を促し、自信を築くためには、成功体験を積むことが重要です。成功体験は「やればできる」という自己肯定感を高め、難しい課題にも取り組める「チャレンジ精神」などを育てます。成功体験から得られる効果はその他にも多くあり、大人になってからの人生にも大きく影響するため、幼少期から積み重ねが大切と言えるでしょう。
では、どうすれば子どもの成功体験を増やすことができるのでしょうか?
この記事では、子どもの成功体験の重要性や、自己肯定感につなげるために保護者ができる取り組み方について解説します。
成功体験とは
成功体験とは、目標や課題を達成した際に得られる、肯定的な経験や感情のことを言います。簡単に言うと「できた!」という喜びが感じられた経験のことです。
人は成功した経験があると、次に同じような状況になった時に「できる」というイメージを持つことができます。成功体験を通じて、自分の努力や挑戦を前向きにとらえ、自己肯定感や自信を深めていくと言えるでしょう。反対に、失敗ばかりが続いて、達成することの困難さを過度に感じるようになってしまうと、「どうせやっても無駄だ」といった否定的な感情が生じます。「成功することしかやってはいけない」という思いから、最初の一歩がなかなか出ない、取り組む前からネガティブな発言をするといった消極的な姿勢は、自己肯定感の低い子どもの特徴と言えます。
成功体験は挫折や困難を乗り越える力や問題解決能力を養うために、非常に重要です。成功体験が多ければ多いほど、困難にぶつかった時に「自分ならできる」という強い思いを持てる可能性が高くなります。子どもが自分自身に対して肯定的なイメージをもてるように、一つでも多くチャレンジできる機会を増やし、成功体験を積み重ねてあげましょう。
幼児期の具体的な成功体験の例
子どもが成功体験を得る機会は、日常生活の中にも多くあります。子ども自身が「自分でできた!」と喜びを感じられたことは、すべてが成功体験と言えるでしょう。例えば
など具体例は無限にあります。
子どもは自分で成長する力を十分に持っているため、大人のちょっとした手伝いが成功体験につながることもあります。ほんの少し手を差し伸べたり、背中を押してあげたりといった「子どもの成長を手伝う意識」を大人がもつことも、大切と言えるでしょう。
子どもの「できた」という経験を増やすためには、一つでも多くの「挑戦」が必要です。とはいえ、なにも大がかりな課題を準備する必要はありません。園や学校など日々の暮らしの中で、また、習い事など一人ひとりの興味や才能に合わせた領域で、小さな「できた」を親子で一緒に見つけてあげましょう。
成功体験があることで得られるメリット
成功体験がある子どもは、自信を持ってみずから行動し、失敗を恐れない挑戦心があります。たとえ失敗したとしても、いつまでも引きずることなく、常に前向きな姿勢が特徴と言えるでしょう。また、状況に合わせて物事を柔軟に考えられるため、周囲と協力して計画的に自分のやるべきことを行う姿勢が身についています。
成功体験を積み重ねることにより、他にもどのようなメリットが得られるのかをご紹介しましょう。
チャレンジ精神が育つ
成功体験は、新たな活動へのチャレンジ精神を生み出します。過去の成功体験から「やればできる」ことを学んでいるためです。成功体験が多い子どもは、失敗した経験もそれなりにあるため、「失敗や困難があっても、チャレンジしなければ成功もない」ということを知っているのです。成功体験をもとにして、新たなことにも興味を持って挑戦し、成功までのプロセスを考えながら行動できるのも強みと言えるでしょう。自己管理能力が高まると、早く効果的に達成への道筋をつけられるため、さらに成功体験を増やしていくことができるのです。
高いモチベーションを保てる
成功体験により、脳内ホルモンの一種であるドーパミンが分泌され、モチベーションが向上します。ドーパミンは、充実感や幸福感、やる気をアップさせるホルモンです。ある行動によりドーパミンが放出されて喜びを感じると、脳がそれを学習し、再び同じ行動をしたくなります。そしてもっと大きな幸福感を得ようとして、さらに努力をするようになるのです。
また、成功体験のある子どもたちは、無意識的に自分が好きなことを選ぶ傾向があります。自分の興味や能力に自信のある「好きなもの」を選ぶ方が、モチベーションを高められることを認識しているためです。成功体験を積み重ねるためには、モチベーションの維持は欠かせません。「楽しい」「嬉しい」と感じることを継続すると、ドーパミンの分泌はどんどん活性化されてやる気アップにつながるため、子どもの「好き」を上手に活用していきたいものですね。
自己肯定感が向上する
成功体験の多い子どもは、自己肯定感が高く、ポジティブ思考が身についています。自己肯定感とは「ありのままの自分に価値がある」という、自分自身を認められる力のことです。「目標を達成できた」「難しい課題に取り組めた」などの成功体験を通して自分の強みや価値が認識できるため、おのずと自己評価が上がり、自分自身を肯定的に認められるようになります。その結果、自分の能力や得意なことに自信を持ち、新しいことや難しい課題に対しても意欲的に取り組めるようになると言えるでしょう。
自己管理が出来ている
成功体験のある子どもは自己管理能力が高く、行動にメリハリがあります。困難な状況を乗り越えた過去の経験を通じて「自分をいかにコントロールするかで、課題に対処できる」ということを知っているからです。「明確な目標を設定し、達成までの計画を立てること」の効果や重要性を理解していると言えるでしょう。ダラダラと時間を過ごさず
「遊びは思い切り楽しみ、学習では集中する」
「適切なタイミングで切り替える」
など自分の気持ちをコントロールをしながら、それぞれの活動に全力を注ぐイメージです。責任感を持って行動にメリハリをつけ、時間やエネルギーを効果的に管理する姿勢が身についているのです。
計画性がある
成功体験を多く重ねると論理的思考力が高まり、計画性を身につけることができます。論理的思考力とは、情報を分析して整理し、合理的な判断や意思決定を行う能力のことです。論理的思考力を身につけた子どもは、次に何が起こるのかを予測できるため、課題に取り組む際に、見通しを持って行動できるのです。行動に計画性があるため、効率良く成果につながります。成果を得ることで自身の成長を自覚し、周囲からも認められるため、さらに成功体験を増やして自信を深めていくことができるのです。
コミュニケーション能力が高い
成功体験の多い子どもはコミュニケーション能力が高く、友達が多いのが特徴です。リーダーシップを発揮して、学校やクラスの活動に積極的に関わることも多いでしょう。集団での活動においては、他者の意見に耳を傾け、仲間と協力して課題解決に向かう傾向があります。周囲からの信頼も厚く、仲間とともに達成感を共有して、より良い関係性を築いていくことができるのです。「他者との良好な関係を、無理なく楽しみながら維持できた」という成功体験によって自己肯定感が高まり、さらにコミュニケーション能力が向上していくでしょう。
学習能力が高い
成功体験によってドーパミンの分泌が活性化されると、学習能力がアップします。私たちが幸せを感じるとき、脳内ではドーパミンと呼ばれる物質が分泌されます。ドーパミンは、脳の中の記憶に関する部位である「海馬(かいば)」や、学習に必要な情報を一時的に記憶して処理する能力である「ワーキングメモリ」にも影響すると言われています。新しいことを学び成功すると、ドーパミンの分泌が増えて学習した内容が定着しやすくなるため、集中力や記憶力の向上につながると言えるでしょう。
自信、行動力がある
成功体験を積み重ねると、自分に自信が持てるようになります。「できなかったことを乗り越えてできるようになった」「自分ならやればできる」という経験から自信が生まれます。自信がつくことで自己肯定感が高まり、新たな変化や困難にも臆することなく取り組めるようになるのです。
さらに、成功体験が多い子どもは変化に対するフットワークが軽く、行動力があるのが特徴です。行動のその先にある結果をポジティブに考え、仮に失敗してもそれが成功の糧になることを経験から学んでいるため、積極的に挑戦することができるのです。
自己肯定感を向上するための成功体験への取り組み方
子どもの自己肯定感を高めるには、成功体験が欠かせません。自己肯定感とは、「他人と比較することなく、ありのままの自分を認めて尊重し、自分の価値を感じられる心の状態」のことをいいます。文部科学省が行った「諸外国と比べた我が国の子供たちの自己肯定感」の調査結果において、日本の子どもたちの自己肯定感は諸外国に比べて低いという結果が出ています。子どもたちが自信を持って成長し、より良い社会の担い手となるよう、自己肯定感を育む取組みが必要です。
ここでは、成功体験を通して自己肯定感を向上させるために、親ができる取組みについてご紹介します。
成功は結果ではなく過程と考える
成功体験を通じて子どもが自己肯定感を得るためには、親に褒められることがとても大切です。ここで重要なのは、親は結果だけを褒めるのではなく、結果に至るまでのプロセスをしっかりと見てあげて、「そこにたどり着くまでの努力も褒めること」です。
たとえば、ピアノの発表会の場合、点数こそ出ないものの、上手に弾けたか弾けなかったかの結果はすぐに分かります。練習通りに弾けなかったという点から見ると、残念だったね、という結果になるかもしれませんが、そうすると「子どもがそこに臨むまでに毎日2時間も頑張って練習した」という部分が、抜けてしまうことになります。この途中の過程で、子どもが努力していた姿は、親しか気付いてあげることができません。その過程に気付くことができていれば、自然と「毎日の練習、よく頑張ったね。」というように子どもを褒めることができるでしょう。親が「成功は結果ではなく過程が大事」と考え、子どものどこに注目するかで、成功体験は全く違ってくるのです。
どんなことでも挑戦する機会を与える
成功体験を積ませるためには、子どもの発達段階や興味・関心に合わせた課題や挑戦を提供することが大切です。子どもが、自分の能力や努力を発揮しながら目標に向かって進んでいけるように、様々な経験をさせる機会を与えましょう。「少し難しそうだけど、頑張ればできそう」と子どもが判断すれば、課題に前向きに向かうことができます。目標を達成できると自分の努力が報われることを実感し、成功体験を通じて自己肯定感を高めていくことができるのです。
経験を増やし、子どもの好きなジャンルを探す
成功体験を積み重ねるためには、様々な経験を増やして子どもの好きなジャンルや得意な領域を探す姿勢が大切です。子どもには様々な活動の機会を与えましょう。スポーツや芸術活動など興味のある分野に積極的に参加し、子ども自身が自分の才能に気付くことができれば、大きな自信につながります。興味や関心が多岐にわたる場合は、幅広く経験をさせて、好きなものや得意なことを見つけやすくしてあげましょう。自分の得意分野を伸ばすことができれば、子どもは自身の成長を実感し、自己肯定感を高めることができるでしょう。
自信を持たせる褒め方をする
子どもが自己肯定感を高めるためには、自信を持たせる褒め方が大切です。親は「笑顔で、優しい声で、ゆっくりと褒める」「できていることを褒める」などを心がけましょう。子どもの発言や行動を「いいね」と認めたり、ハイタッチなどのアクションやスキンシップを加えたりするのもおすすめです。また、具体的なフィードバックも効果的です。「ピアノの指の動きが早くなったね!」「サッカーのシュートは、足の使い方が上手だったよ!」など、具体的に褒めることで、子どもは自分の成果や努力を明確に認識して自己評価を高めることができます。自分の成功をポジティブに捉えるとともに、自信を深めながら次への挑戦へつなげていけるでしょう。
反対に「〇〇しなさい!」という命令や、「〇〇しちゃだめ!」のような、否定や注意の言葉は、子どもの自信喪失につながる場合があるため控えましょう。子どもにとって「お母さんに認められているんだ」と感じることは、何より大切です。成功体験を積むために、親は否定の声掛けの3倍くらい多く、肯定の言葉を掛けられるように意識できるといいですね。
失敗を肯定的にとらえる
子どもの成長を促し、成功体験を増やすために、親が子どもの失敗を肯定的にとらえることは、非常に大事な要素です。たとえ子どもが失敗しても、否定的な評価や批判はせずに、ありのままを受け入れるように努めましょう。失敗した際に「ダメでしょ」「やっぱりできないね」など否定的な言葉をかけると、子どもは自信を失い、新たなことに挑戦する意欲がなくなります。成功体験を増やすためには、次の挑戦にポジティブな姿勢で取り組めるように、言葉を選んで声掛けをし、自己肯定感を保持できるようにしましょう。
チャレンジは「終わり」を決めて取り掛かる
目標を設定し、達成までのプロセスを子ども自身に描かせるのは、成功体験を積むために有効な方法です。中でもテストの到達目標や試験の合格など、明確な「終わり」がある物事に取り組むことは、成果や達成感を実感しやすいというメリットがあります。終了地点が明瞭なことで、自分の努力や成果が分かりやすく、成功体験として残ります。達成までの過程で課題が見つかれば、改善策を考えることもできるでしょう。目標が一つ達成されると、新たに次の目標を設定する機会につながり、成功体験を積み重ねることができるのです。
スモールステップを積み重ねる
成功体験を積む場合、目標が過度に高すぎると、子どもたちは最初から諦めてしまうかもしれません。取りかかれたとしても、途中で挫折する可能性があり、なかなか成功体験を積むことができないでしょう。モチベーションを維持しながら最後までやりきるためには、目標や課題を細かく分けて成功体験を重ねていく「スモールステップ」という方法が有効です。目標をできるだけ細分化し、目の前のハードルを低くすることで小さな成功体験を重ねることができ、「できた」という達成感を得やすくなります。たとえ簡単で小さな目標であったとしても、成功体験を実感することで少しずつ自信をつけ、最終的な目標達成までのやる気やモチベーションの維持につなげることができるのです。
ここまでご紹介したとおり「成功体験」を増やすために
等の親のサポートが必要です。
しかし、家事・育児・仕事などもあるし、それにプラスして色々なことを追加していくのは大変、、、
分かった気がしてもポイントをおさえながら実際にするのは大変そう、、、
などのお悩みをかかえていませんか?
もっと手軽に、負担なく、「成功体験」を増やしてあげれたらなぁ、、、
と。
成功体験を増やすための要素が盛りだくさん。
さらに幼児期に学ぶ内容をまるっと学習できる。
そんな方法があったら試してみたくはありませんか?
などに加え、
さらにママ・パパは幼児教育の知識やスキルも身に付けられる。
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幼児期は脳は6歳までに90%ができあがると言われます。
「幼児教育はまだ早い」と思われている方ほど、早めの取り組みをおすすめします。