子どもの小学校受験対策に必須!「重ね図形」の理解を深めるコツについて

「重ね図形」問題は、複数の図形を重ねた際に、どのように見えるのかを考える問題のことです。この分野は、空間認識能力や観察力が問われる、なかなか難しい課題です。また、言葉で説明するのも難しく、どのように教えるとよいのか頭を悩ませている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。小学校受験でも問われやすい「重ね図形」の解き方や教え方について、この記事で説明します。「重ね図形」の問題が苦手なお子様の保護者様は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

「重ね図形」問題とは

「重ね図形」問題とは、複数の図形を重ねた際に、どのように見えるのかを考える問題です。どのようなもののことを指しているのか、具体的に見てみましょう。

「重ね図形」の問題例と解説

小学校受験で出題される「重ね図形」の問題について、「天神」幼児タブレット版に収録されているものを例に紹介いたします。

「重ね図形」の問題例と解説
問題①

上の模様は、透き通った紙に描いてあります。この向きのまま二枚の紙を重ねると、どんなふうに見えるでしょう。正しいものを選びましょう。

正解は一番左の図形です。左下に丸が描かれている図形と、真ん中を左右に貫く直線が描かれた図形を重ねると、その両方の要素を持った図形が現れることになります。

解くためには、頭の中で図形を動かして組み合わせることが必要になります。

「重ね図形」問題の種類

上の問題はシンプルなものでしたが、より複雑になった問題もあります。たとえば、以下のような問題です。

「重ね図形」問題の種類
問題②

上の模様は、透き通った紙に描いてあります。この紙を、点線のところで矢印の方向に折り曲げて重ねると、どんなふうに見えるでしょう。正しいものを選びましょう。

この問題では、「折り曲げて重ねる」という動作が登場します。普通に重ねるときと、向きを変えて重ねるときとでは、位置関係が変わります。

図形の左半分に注目してみましょう。紫色の四角形が二つあるように見えますね。今は右上と左下に配置されていますが、折り曲げて重ねることで、右半分の図形の左上と右下にそれぞれ重なることになります。大人が解こうとしても、気を抜くと間違えてしまいそうですね。

図形を頭の中で反転させることになりますので、難易度が高くなります。また、色が重なる部分もあるので、より注意深く確認する必要があります。今回の答えは、一番右の図形です。

また、さらに難易度の高いものでは、回転させたり、三つの図形を重ねたりする複雑な問題も存在します。

「重ね図形」問題を解く上で必要な力

ここまで、「重ね図形」の問題がどのようなものか紹介いたしました。では、そんな「重ね図形」の問題を解くためには、どのような力が必要になるのでしょうか。

図形に対しての理解

まずは、「図形に対しての理解」が必要です。たとえば、角が三つあるものを三角形と呼ぶこと、その中でも、大きさや、角の角度が様々であること、回転させると同じ形になるものがあることなどを覚えると、頭の中でイメージを作りやすくなります。

また、下の図のように、三角形を二つ合わせると、四角形を作ることができます。こういった知識も、実際に目にして覚えることで、「重ね図形」の問題を解く手助けになります。

図形に対しての理解

空間認識力

続いて、空間認識力です。この問題では、頭の中で図形を自由に動かし、場合によっては裏返したり、回転させたりして、位置関係を正確に把握することが大切です。このような操作には、空間認識力が必要になります。

思考力

「重ね図形」の問題には思考力も必要です。この問題では、視覚から得た情報を組み合わせて、論理的に組み合わせることが必要になります。「ここの三角形とここの三角形は、重ねたらつながって四角形になるはずだから、そうなっていないこの選択肢は正しくない」といった考え方で問題を解くことがありますが、こういった解き方は、論理的な思考によって導かれています。

観察力

最後に、観察力です。図形が複雑になればなるほど、考えなければならない要素が多くなります。「ほとんどの部分は正しいけれど、パーツが一つ分足りない」というような、細かい部分の見落としから発生するミスもありえます。しっかりと全ての要素を見落とすことなく確認することが、正解するために求められます。

「重ね図形」問題を教える上でのポイント

では、そんな「重ね図形」の問題は、どのように教えるとよいのでしょうか。ここからは、具体的な教え方のコツについてお伝えします。

クリアファイルで工作する

一つ目は、クリアファイルで図形を実際に作ってしまうということです。 図形を重ねた部分がどのように見えるかといったイメージは、頭の中だけで組み合わせようとしても限界があります。 慣れていないうちはなおさらです。

紙の問題集で練習しているときに、実際に重ね合わせて図形を観察するという体験はできませんから、まずはクリアファイルを使って、「重ね合わせる図形」を作り、実際に自分で重ねてみるという経験を積むことがおすすめです。 クリアファイルを同じ大きさの正方形に切り、マジックなどで図形を描いて、お子様と保護者の方とでいっしょに組み合わせてみましょう。そして、「三角形と三角形がくっついて、四角形になったね」などと話し合うことをくり返していくうちに、少しずつ、頭の中で図形を動かすことができるようになっていきます。

なお、クリアファイルだけでなく、やわらかく扱いやすいトレーシングぺーパーなどを用いても同様の工作が可能です。

四角形を四分割して考える

二つ目は、「四角形を四分割して考える」ということです。こちらは実際の問題を解くためのテクニックといえます。

というのも、小学校受験における「重ね図形」の問題に登場する図形は、縦2マス、横2マスの4マスに分割できる図形が多いのです。 先ほど紹介した問題をもう一度見てみましょう。

四角形を四分割して考える

折り曲げる線の描かれた図形の左側・右側どちらも、左上・右上・左下・右下の四つのパーツに分解できることに気付かれるかと思います。

これに注目し、まずは左上の部分はどうなるか考えます。次に、右上の部分はどうなるか考えます。左下・右下の部分についても同様です。

そして、それぞれのパーツごとに考えたものを、最後に四つ合体させて答えを選びます。

このように、全体をいくつかのパーツに分けることで、一度に考えなければならないことの量を減らせます。図形全体を一気にイメージしようとすると難しい問題でも、分解することでかなり簡単に重ねることができるようになるのです。複雑になってきた問題をうまく解くために重要な考え方ですので、実践的な問題を解いているときにお試しください。

実際に図形を描きながら考える

三つ目は、実際に図形を描きながら考えるということです。

特に、受験レベルの問題になってくると、要素の数が多くなってきて、頭の中だけで考えるのが難しくなってきます。また、分かっているはずなのに小さなポイントを見逃してしまって、ケアレスミスを引き起こす可能性も高くなってしまいます。

そこで、重ねることで出来上がる図形を、自分でも描いて確かめながら解き進めるようにすると、考えやすくなります。

さきほど、「四分割して考える」という解き方を紹介しましたが、その中でも、「まず左上はどうなるか考える」という手順をお伝えしました。このときに、問題用紙の重ねる図形に直接描きこんでもいいですし、隣や下などにスペースがあればそこに新たに描きこんでも構わないので、まず左上の部分の形を実際に描くようにします。

ご家庭で練習している時には、実際に描いて確かめるための別の紙を用意しておくのもよいでしょう。

頭の中だけで考えると、左上・右上・左下・右下のパーツを全て一気に覚えていなくてはなりませんが、実際に描くことで、四つのパーツをすべて覚える必要がなくなり、間違えにくくなります。

ちょうど、算数でも、筆算を使ったり途中式を書いたりする方がすべてを暗算するよりも簡単でミスも少なくなるのと同じように、この問題も、マークやメモを使いこなすことで、正解しやすくすることができます。

基礎的な問題から順に問題集に取り組む

四つ目は、「基礎的な問題から順に、問題集に取り組んでいく」ということです。

しかし、いきなり問題に挑むべきということではありません。まずは実際に図形を動かすなどの経験を踏まえて、イメージがある程度身についてから、問題に取り組み始めるようにしましょう。

ここで、いきなり受験本番の問題を解くのはおすすめできません。簡単な問題から少しずつレベルを上げていくことを意識していただくと、スムーズに解ける問題に取り組んでいくうちに自分の中で組み合わせるパターンの数が増え、どんどん新たな形を組み合わせる問題も解けるようになっていきます。

まとめ

今回は、「重ね図形」の問題とはどのようなものなのか、どんな力が必要になるのか、そしてどのようにして対策していけばよいのかについてお伝えしました。

頭の中で図形を動かしたり、ひっくり返したりするのは、簡単なことではありません。また、頭の中だけで考えると、実際に考えが正しいのか確かめることができません。ですから、クリアファイルやトレーシングペーパーなどを使って、実際に見える形にして、「図形が重なる」ということについての感覚を育んでいただければと思います。

「重ね図形」の練習のコツはわかったけれど、実際に取り組むのは大変そう・・・と感じられた方へ

「重ね図形」をご家庭で練習する際には、

・クリアファイルやトレーシングペーパーで工作する
・四角形を四分割して考える
・実際に図形を描きながら考える
・基礎的な問題から順に問題集に取り組む

といった工夫が大切だとご紹介しました。

とはいえ、いろいろな問題集の中から、レベルに合ったものを探すのは、家事、育児、仕事などをしながらだとなかなか難しいかもしれません。

それならば、「天神」幼児タブレット版がお役に立てるかもしれません。

「重ね図形」の対策だけでなく、入試本番に向けて基礎をバランスよく身につけ漏れなくしっかり準備を進めたい、でも忙しい!という方なら、特におすすめです。「天神」幼児タブレット版では、「重ね図形」だけでなく小学校受験対応の問題を42単元3,800問収録し、保護者様が特別な準備をしなくても、タブレット一つで様々な小学校受験対策ができるツールです。

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なお、「重ね図形」の問題は165問収録されています。
今回紹介したもの以外にも、「重ね図形」にまつわる問題が多数収録されていますので、小学校受験に向けた力をつけるのにぴったりです。

「天神」における「重ね図形」の問題の特徴

収録問題数は165問

なんと、「重ね図形」の収録問題数は165問! たくさんの問題に触れることができますので、「重ね図形」の問題に十分に慣れることができます。

例題:重なった3枚の紙の一番上にある折り紙はどれでしょう?
例題:上の2つの図形を重ねるとどう見えるでしょう?

スモールステップで問題を解く力を養う

「天神」で扱う「重ね図形」の問題は、初めは「重なっている図形を見て、元々はどんな形だったものが重なっているのか」を考えるような、図形が重なったときの形の変化に注目する問題や、同じ図形を平行に移動させたときにどのような形になるか考えるような、シンプルな問題などから始まります。

進めていくうちに、図形を裏返したときの形を考える問題など、少しずつ問題が難しくなっていくようになっています。そして、スモールステップで力がついてきたら、実際に図形を重ねたときの形を考えるような、発展的な問題にチャレンジできるという仕組みになっています。少しずつ段階を踏むので、問題を解く力を無理なく身につけることができます。

「重ね図形」が苦手なお子さまには、ぜひ、「天神」のご利用をご検討ください。

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