3歳から出来る数字遊び。日常生活に取り入れる数字を使ったゲームを紹介します。
子どもは3歳くらいになると自分で数字を数えてみるなど、数字に興味を持つ場面が出てくるでしょう。幼稚園や保育園で数字に関する遊びを覚えて帰ってくるかもしれません。
数字に興味を持ち始めるこの時期に、数字に触れる機会を積極的に増やしてあげるのがおすすめです。数字にたくさん触れることで、数への理解が深まり、算数の基礎を整えることができます。
そうは言っても、実際にどうやって「数字遊び」を日常生活に取り入れれば良いのか分からない方も多いでしょう。この記事では、3歳からの数字遊びの目的や取り入れ方、具体的な数字遊びのアイデアについてご紹介します。
数を数えることが出来るのは何歳から?
子どもが数を数えるようになる年齢は、発達段階によって異なりますが、一般的には次のような傾向があります。
年齢 | 数字に対する興味(目安) |
3歳から4歳 | 数字に興味を持ち始め、数字書きの練習を始める |
4歳から5歳 | 数字を読めるようになり、数と数量を関連付けることができるようになる |
5歳から6歳 | 10より大きい数字があることも理解できるようになり、 10~20までの数字を数えられるようになる |
6歳から7歳 | 大体100までのものの個数を数えられるようになる |
3歳児は数字が読める?
上記【年齢別】子どもが数を数えられるようになる年齢でも紹介した通り、数字を読めるようになるのは4歳から5歳にかかるころにでき始めることだと言われています。3歳児の数字の読み書き能力には個人差がありますが、多くの3歳児が数字の存在を理解し、半数くらいは「1」という数字を読めるようになります。また、1~3くらいまで数えることができる子もいます。
3歳児の数字に対する理解度
3歳児の数字に関する理解度には、次のような特徴があります。
・10までの数字を理解できる子もいる。
・「6」と「9」の区別がつかなかったり、理解が不十分な場合が多い。
・「多い、少ない」の概念を理解できるようになる
数字の読み書き能力は、発達段階を目安に、焦らずアプローチしていくことが大切です。また、数字に少しでも興味を示すようであれば、積極的に数と触れ合わせることができれば覚えも良くなるかもしれません。
数字遊びとは
子どもは成長の中で自然と数字に出会い、興味を持ちます。子どもが数字に興味を持ったとき、数字の世界をさらに広げられるようにアプローチする方法のひとつが数字遊びです。
遊びの中に数字を組み込んだり、遊びを通して数字に触れてもらうのが数字遊びです。ただし、子どもによって発達の差があるので、3歳になってもまだ数字に興味を持たない子どももいるでしょう。
興味を持っていないのに無理に数字遊びをしても、子どもは数字に楽しいイメージを持てません。そのため、数字遊びを行うときには、お子様が数字に興味を持ったタイミングで楽しく取り入れてみてください。この項目では
・数字遊びの目的
・幼児期の数字遊びは何歳から行うべきか
を説明していきます。
数字遊びの目的
数字遊びは「早期教育として本格的に算数の基礎を教えよう!」というものとは異なります。
子どもが興味を持った数字に対して、さらにその世界を広げてあげることを目的として行うのが数字遊びです。数字遊びを通して、数という目に見えない概念を築き、これがゆくゆくは本格的な学びへとつながっていくのです。
例えば次のように、日常の中には数字がたくさんあります。
数字は気にしなければただの記号でしかありません。しかし数字に焦点を当てて「遊び」などの形で取り上げることによって、数字の量的感覚や順序を実感を持って知ることができます。
日常生活の中で何となく知っている数字というものを、遊びを通してさらに知る機会を作ってあげましょう。
幼児期の数字遊びは何歳から?(3~5歳、数はどこまで数えられるかの説明)
子どもが数字に興味を持ち始めるのは3歳頃からです。
3歳になると次のようなことができるようになります。
3歳では、これらを1~5くらいまでの数字、4歳では10くらいまでの数字、5歳になると2桁の数字まで理解できるようになります。
また3歳になると次のような数量の理解もできるようになります。
こちらは3歳で3個程度、4歳で4個程度、5歳で8個程度の理解が目安です。
・数字が数えられること
・数字を読めること
・個数を理解していること
この3つの理解は別です。子どもが「いち、に、さん、よん…」と数えられるからと言って、「●●●●=よん=4」と理解しているとは限りません。そのため数字遊びを取り入れるときには、子どもの発達段階に合わせてレベルを調整してあげてください。
3歳からできる数字遊び
3歳頃から遊びの中で数字を取り入れることができます。数に親しみ数字を使う楽しさを知ってもらうためには、どんな数字遊びが最適なのかご紹介します。
数字の出てくる絵本
本を読むのが好きな子におすすめなのが、数字の出てくる絵本です。
特に数字をテーマにした絵本では「数えてみよう」「いくつかな?」といった文章で、数字にフューチャーした内容となっています。絵本を読む流れで自然に数字に触れられますよ。また、すでに持っている絵本で数字に親しむこともできます。絵を見て「ここにはチョウチョが1・2・3羽いるね!」「この中にアリは何匹いる?」「次は何を数えようか」など、数を意識する誘導をしてみてください。
子どもが気に入れば、絵本を開くたびに自分から「ここはアリが1、2、3…」と数えてくれるかもしれません。
数字合わせ
同じ数字を探すゲームも数字の理解が深まります。
数字合わせは、紙に数字を書いて用意するだけでOKです。部屋のあちこちに数字カードを貼って「1をとってきて!」といった遊びもできますし、サイコロを振って出た目の数字を探しても良いです。さらに数字(1・2・3…)と絵柄(●・●●・●●●…)を組み合わせて、めくった数字カードを見て、絵柄のカードを選ぶ遊びもできます。
大きすぎる数字は判断しにくいので、子どもの理解度を確認しながら難易度を調節してみてください。
トランプ(ぶたのしっぽ・神経衰弱)
1~13の数字が書かれているトランプは、王道でありながら数字遊びにぴったりの遊びです。
同じ数字を見つけるぶたのしっぽやババ抜き、記憶力も鍛えられる神経衰弱、数字を順番に並べる七並べなど、遊び方のバリエーションが豊富です。まだ数字を覚えたてのときには、使う枚数を減らせば子どものレベルに合わせて遊ぶこともできます。
トランプは誰とでも楽しめるので、お友達と楽しんだり家族やおじいちゃんおばあちゃんと楽しむこともできるのが大きなメリットでもあります。
ドッツカード
フラッシュカードのひとつにドッツカードというものがあります。ドッツ(dots) はつまり点という意味で、丸が複数印刷されたカードを使います。
●のカードであれば「1」と読み上げ、●●のカードなら「2」と読み上げるといった具合に進めます。最初は1から順番に見せていき、慣れてきたらランダムに見せる、2の倍数など法則順に見せるといった発展もできます。
フラッシュカードは素早くカードを見せるので、直感的に数字を捉えることができ、数字の感覚も養うことができます。さらに瞬間的にカードに書かれていることを判断するので、情報処理能力が上がり、勉強や生活の場面で役立つ能力が身につきます。
フラッシュカードは短時間で集中して行うので、時間にして数分と短時間で済みます。そのため忙しくても毎日続けやすいですよ。
日常生活に数字遊びを取り入れる
特別に数字に関する絵本やおもちゃを用意しなくても、数字に関する遊びは日常生活の中に取り入れることができます。ここでは日常生活の中で手軽に取り入れられる数字遊びを紹介します。
おはじき、シール、おもちゃ遊びに取り入れる
普段の遊びの中に、数字の要素を取り入れてみる方法があります。
1と書かれたカードにおはじきを1つ置く、2におはじきを2つ置くというような遊びもできます。おはじきを使うと1=●のように量的感覚を養うことができます。また、「ここに赤いおはじきは何個ある?」「今青いおはじきが2個あるけど、全部で4個にするには何個必要?」などのやり取りで、算数的考え方に触れることも可能です。
同じような遊びはシールでも代用できます。おはじきよりもシールを貼るのが好きという場合は、おはじきにこだわらずシールを使ってみてください。おやつの時間にボーロで遊んだりもできますよ。他にもおはじきではなく棒の本数を数えるなど、数字をモチーフにしたおもちゃはいくつかあります。その中でお子様の気に入ったものを選んであげるのがよいでしょう。
リズム・歌に取り入れる
数字が出てくるリズム遊びや歌もおすすめです。例えば次のような歌があります。
「いっぽんでもにんじん」
「すうじのうた」
「ゆうびんやさん」
など、歌をうたいながら数字に親しめる歌のほか、「ピクニック」という手で作った数字でおにぎりを作ったりする手遊び歌もあります。普段数字に馴染めない子どもでも、歌や踊りが入ればノリノリで自分から歌ってくれるかもしれません。歌が好きなお子様はぜひ、リズム遊びや歌を取り入れてみてください。
日常の数字で遊んでみる
日常の中にある数字で遊んでみることもできます。
カレンダーの月が替わるタイミングで、古い方のカレンダーで「2だけ探して丸をつけてみよう」と遊ぶことができます。「2っていっぱいある」「9はこんなに少ない!」と発見することができます。
他にもいろいろと日常の中の数字で遊ぶことができます。お風呂から出るときに数字を一緒に数えるのも定番です。慣れてきたら数字を逆から数えてみるのもいいでしょう。階段があれば昇りながら数えることもできますし、「おうちまであと何歩で着くかな?」と数えると、自分の歩数と大人の歩数の違いに驚くかもしれません。「昨日は10歩だったのに今日は9歩で行けた!」と1つ少なくなったことに気づくかもしれません。
鳥を数えるだけでも、「昨日よりたくさんいる!」「カラスは1匹しかいなくてさみしそう」など数字の量的感覚を驚きや感動とともに実感でき、数字の楽しさを知ることができます。
数字遊びをする上で気を付けるポイント
数字遊びは自宅でも簡単にできるので、積極的に取り入れたいところです。
ただしやみくもに数字遊びを取り入れればよいわけではありません。お子様に合わせつつ、次のポイントに気をつけながら自宅で数字遊びを取り入れてください。
幼稚園や保育園で覚えた数字遊びを行う
数字遊びは小学校の準備の一環として、幼稚園や保育園で行っていることも多いです。
手を叩いた回数を答えたり、おままごとの中で「いちごを3個ください」などとやり取りしたり、いろいろな数字遊びがあります。幼稚園や保育園で行っている遊びは、園での楽しい気持ちも一緒に記憶しているので子どもがスムーズに受け入れやすいのがメリットです。
ぜひ、幼稚園でどんな数字遊びをしているか聞いてみて、お子様が興味を持っているならお家でも取り入れてみてください。それぞれの子どもの好きなことに数字遊びを組み込むこともできるので、子どもの興味に合わせた遊びをぜひ家でも取り入れてみましょう。
数字を意識する会話を取り入れる
日常生活の中には数字がたくさんあります。子どもと会話するときは、数字を意識した言葉を取り入れてみてください。例えば次のような取り入れ方があります。
「クッキーを何個食べる?
「前から4番目の車がほしいな」
「お皿を2枚持ってきてくれる?」
いつもの会話に数字を取り入れるだけで、子どもはぐんと数字を身近に感じます。
ただし注意したいのは、数字の理解にこだわりすぎないことです。数字を覚えさせることにこだわりすぎて「お皿2枚って言ったでしょ!」と怒らないようにしましょう。あくまでも日常会話の中の数字は、子どもに数字の感覚を染み込ませることが目的です。最初は理解できなくて当たり前なので、「少しでも数字が頭に残ればいいか」くらい気軽な気持ちで取り組むようにしましょう。
親子一緒に楽しむ
3歳の子どもはさまざまな経験を通して、数字の感覚を身につけていきます。
幼稚園や保育園の経験もそうですが、親の適切なアプローチはより数字の理解を深めてくれます。幼稚園や保育園の一斉指導とは異なり、親は子どもの今のレベルにしっかり合わせることができますし、子どもの好きな遊びから適切な数字遊びをチョイスすることも可能です。
何よりも親子で一緒に楽しむことができると、子どもが数字に対してポジティブな感情を抱きます。楽しく数字で遊ぶことで数字に対して苦手意識を持つことなく、「もっと大きな数字も言えるようになりたい」など発展的な内容にもつなげていきやすいです。
そのため、ぜひ親子で一緒に数字遊びを楽しんでください。
まとめ
他の子や幼稚園・保育園での取り組みに比べて、「子どもの数字の理解が遅いのでは…」と思うと不安になるかもしれません。
しかし焦っていきなりたくさんの数字を教えようとするのは、かえって数字に苦手意識を持たせてしまいます。お子様の発達段階に応じて徐々に数字に慣れさせていき、個性に合ったアプローチをしてみましょう。
この時期の数字遊びが、小学校での学びへとつながっていきます。ぜひ子どもが興味を持ったタイミングを見逃さず、数字遊びにつなげてみてください。
日常生活に取り入れながらお子様のストレスにならないように「数字遊び」を進めていく上で
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