先取り学習は幼児に必要か？「必要ないと言われている理由」とメリットを解説します。
小学校入学を控えた5歳のお子様を持つ保護者の皆さんは、
先取り学習を入学前からしておいた方がいいのか、
先取りして勉強をすすめるのはあまりよくないという話も聞くけど本当のところはどうなのか、
気になるところではないでしょうか。
入学してから授業でつまずくことのないよう、できるだけのことをしてあげたいと思うのは親なら当たり前です。先取り学習が幼児に必要なのか、先取り学習のメリットをお話ししていきます。
先取り学習とは
先取り学習とは、学校の授業を先取りする学習のことです。事前に授業内容を学習することで、自分の得意なところや苦手なところを把握することができます。
先取り学習と予習の違い
先取り学習は半年～1年以上先の内容を学習します。一方、予習は翌日の授業内容を大まかに学習しておくことを言います。予習をしないで授業に臨むより、当日の授業内容を理解しやすくなるというメリットがあります。
先取り学習が良くないと言われる理由
これから習うことを先取りして学習することはとてもいいことのように思いますが、一方で先取り学習が良くないという意見も多少なりともあります。では、なぜ、良くないと言われているのでしょうか。その理由を解説いたします。
授業をまじめに受けなくなる
先取り学習をしていると、小学校入学後の授業はすでに理解しているところを習うことになります。知っている内容の繰り返しなので、子どもが退屈してしまうこともあるからです。また、「それ、知ってる！」と言って授業を妨害してしまうなど、先生からの印象が良くなくなるといった場合もあるようです。先取り学習をするのであれば、授業は復習と思ってしっかり聞いて受けるよう、親が子どもに声掛けをしていくことが必要になってきます。
先取り自体が目的となり、学びが定着しない
記憶する上で、反復学習は必須です。課題を終わらせることだけが目的になってしまうと、習ったところが定着しないうちにどんどん先に進んでしまい、子どもの理解力や考える力が養われません。先取りばかりに気をとられるのではなく、子どもが学習内容をきちんと理解しているかどうかの確認も丁寧に行っていきましょう。
勉強ができると油断する
子どもが先取り学習に取り組むことで、小学校入学後、クラスの子より勉強ができると思うことは十分にあります。「他の子より勉強ができる」という油断が、学習習慣や考えることを奪ってしまう可能性もあります。また、親も「うちの子は勉強ができる」と思い、先取り学習がおろそかになりがちになることも考えられます。一度辞めてしまった学習習慣や物事を深く考える習慣は、簡単には取り戻せません。勉強ができると油断せず、毎日コツコツと先取り学習を行うようにしましょう。
子どもの負担になる
先取り学習をしていない子に比べて学習する時間が必要になるので、他の子が遊んでいたりする時間は勉強することになります。「本当は遊びたいのに…」と子どもがストレスに感じることのないよう、楽しく学習に取り組める環境作りが必要になります。また、小学校に入学してからは、授業内容の理解度も高く、テストで良い点を取ることが多くなれば、その分、先生やクラスメイトから「あの子は勉強ができる」という目で見られるようになるかもしれません。それが子どものプレッシャーとならないよう、親が配慮してあげましょう。
先取り学習のメリット
先取り学習は良くないと言われる理由をご理解いただいた上で、先取り学習が持つメリットをご紹介します。親が気を付けてあげれば、先取り学習には嬉しいメリットがいっぱいです。子どもが「勉強は楽しい！」と思えるよう、サポートしてあげてください。
学ぶ習慣が身につく
先取り学習をすることで得られるメリットは、学ぶ習慣が身につくということです。子どもの興味を引き出し、探求したくなる分野の学習を行うことで自然と学習習慣が育まれます。また、興味のある分野から学習すれば、他の分野でも気になるポイントを見つけるクセがつき、学習を苦に感じない子どもに育ちます。
チャレンジ精神が育まれる
先取り学習は半年～1年ほど先の学習をするので、当然、難しい問題が出てくることもあります。そういった場面を乗り越えるには、チャレンジ精神が必要になってきます。すぐには解けない問題に直面したとき、「難しくて解けない」と諦めるのではなく、「どうしたら解けるのかな？」とあらゆる方向から考えることで解くことの楽しさを身をもって知ることができるはずです。そして、難しい問題が解けたことが自信へとつながり、「また挑戦したい！」というチャレンジする気持ちが育まれます。
自分で考える力が身につく
学校の授業は集団で行われるため、どうしても先生→生徒への一方通行になりがちです。これでは、子どもの考える力が伸びません。しかし、家庭で先取り学習に取り組めば、自分のペースで学習することができます。「この問題はどう解けばいいのか」と考える力が養われ、「今日の課題はこれをしたい！」と主体的に取り組む姿勢も育んでくれます。
余裕をもって学ぶことが出来る
人は新しいことを知ったばかりでは、物事を深く理解したり、余裕を持って物事を楽しむことが難しい傾向があります。何度も経験し心に余裕を持つことで楽しさを感じ、自信が生まれます。そのため、授業で初めての内容を学ぶ際、すでに理解していると気持ちに余裕が生まれ、理解度も深まります。また、集団授業では「分からない」と思ってもその場ではなかなか伝えられず、分からないまま授業が進んでしまいがちです。「分からない」が増えてしまうと、学習ペースを取り戻すのが大変な場合や、自信を失ってしまうことにもつながるため、先取り学習を行って学校の授業は復習と思って気持ちに余裕を持って臨むと良いでしょう。
学ぶことに自信がつく
先取り学習をすることで、学校で習う授業内容の理解度も高くなります。授業の内容が分かる、テストでいい点が取れるといったことが子どもの自信へとつながり、「もっと学びたい！」「もっと知識を増やしたい！」という欲求を刺激することになり、結果、勉強することが好きになります。
「先取り学習」は必ず復習とセットで考えよう
得意を伸ばすためにも好きな教科を先取りして学ぶことは悪いことではありません。その上で、学んだ部分が定着しないまま先に進んでしまい忘れてしまうことは誰しもが必ずあります。
得意で興味のあるものはどんどん先取りしつつも、同時に、今日学校で学習したところは復習しておくなど、現学年で行うべき内容がしっかり定着するように学習を行うようにしましょう。大切なのは、子ども自身が「やりたい」と思え、自主的に動けることです。まずは子どもが好きなことや興味のある事柄から掘り下げ、それが定着するようにフォローしていくといいでしょう。
まとめ
先取り学習について紹介しました。先取り学習がよくないと言われている内容についても、すべて親や周囲の働きかけでプラスに持っていける内容ばかりです。先取り学習を継続的に続けるのは、親も子もとても労力と根性のいる大変なことです。しかし、毎日続けて築いた土台はきっとお子様の人生をより豊かに彩ってくれるはずです。無理せず、楽しく先取り学習をしてくださいね。
親が注意深く見守っていなければ先取り学習は難しいの？とお考えの親御さま
親が気を付けて見守ることで、先取り学習には嬉しいメリットがいっぱいです。
しかし学校での学習態度や、学習内容を理解しているか、油断していないか、プレッシャーになっていないかなど、先取り学習を行う上で親が確認できることは表面上分かりづらいことが多く、取り組む上で悩まれている方も少なくないでしょう。
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