小学校受験のお話作りは「感情理解」で克服!子どもの自信と表現力を育む方法
一枚または複数の絵を提示されて、「この絵に合うお話を作ってください。」と言われたとします。
すぐお話を作ることが出来るでしょうか?大人でも戸惑ってしまう、こういった「お話作り」を小学校の受験問題として出題する学校もあります。もし、志望される小学校で出題傾向がある場合、お子様が問題に慣れるためにも早めの対策が必要です。
今回は、小学校受験でよく出題される「お話作り」の課題について解説します。小学校受験の中でも日頃の対策が重要で、難易度の高い課題となっておりますので、ぜひこちらの記事をご覧ください。
「お話作り」とは?
「お話作り」の課題とは、「一枚または複数の絵が提示されて、そこに書かれている状況をうまくお話として自分で組み立てて話す」というような問題です。
具体的に問題の例を見てみましょう。
「お話作り」問題例と解説
例えば、このように、いくつかの絵が並べて提示されます。この絵を見て、子どもは、自分なりに描かれている内容について考えて、お話を作って話すことになります。
「うさぎさんが、くまさんの持っている赤い風船を見て、『風船をちょうだい』と言いました。優しいくまさんは、風船をあげることにしました。うさぎさんは、とても喜んで、走っていきました。でも、突然からすさんが飛んできて、風船を割ってしまいました。大事なお友達からもらった風船が割れたので、うさぎさんは泣いてしまいました。からすさんは、それを見て、『ごめんね』と言いました」といったように、絵の中にあるものを単に読み上げるだけでなく、話の流れを想像して、連続した文の形で話す必要があります。
日々の訓練が必要な問題
「お話作り」の課題では、受験当日に初めて見せられた絵をもとにして、その場で考えてお話を作ることが求められます。一般的なペーパーテストの内容は、決まった解法を覚えるなどの対策をすることができますが、お話作りの場合はそうはいきません。短い期間で対策を仕上げるのが難しいため、しっかりと日々の訓練を積んでから臨む必要がある問題だといえます。
「お話作り」を出題する学校の意図
「お話作り」の問題は、与えられた絵をもとにして、そこに描かれているもの、そして思ったことや感じたことを、相手に伝えられる状態にまで整えて話をする必要があります。
つまり、学校側はこの問題を通して、子どものコミュニケーション能力を見ようとしているのです。先に挙げた例であれば、絵からうさぎさんの感情を読み取ることができるか、また、自分の考えたお話の流れを伝えるための語彙力や表現力が備わっているかが問われます。
「お話作り」では、どんな力を必要とされるか
「お話作り」の問題で問われることになる能力は、主に以下の五つです。
少し多くて大変ですが、一つずつ詳しく見てみましょう。
語彙力
まずは「語彙力」です。描かれているものの名前を知らなかったり、状況を表す適切な言葉を知らなかったりすると、言葉を使ってお話を表現するのは非常に難しくなってしまいます。
ものの名前だけでなく、様子や感情を表すような、抽象的な言葉も知っている必要があります。
表現力
次は「表現力」です。描かれているものの名前が分かっても、ものの名前を並べるだけではお話の形になりません。きちんと文章にして、言葉で表現することが求められます。つまり、言葉を知っているだけでなく、運用する能力も必要だということです。
ここで求められているのは、必ずしも、面白いストーリーや心を動かす表現を考えるようなクリエイティブな能力というわけではありません。頭の中にあることをしっかりと言葉にできるかどうかが重要です。
想像力
描かれているものが何かわかって、それを言葉にできることも大事ですが、他にも大事なことがあります。それは「想像力」です。
たとえば泣いている子どもの絵を見て「泣いているということは、悲しいんだ」ということが、さらには、「風船が割れてしまったから悲しいんだろう。じゃあ、風船はとても大事なものだったのかもしれない」ということまで感じられる能力が求められます。
この想像力によって、話がより膨らむようになります。自分とは違う立場にある登場人物の気持ちを想像することが、描かれていない部分を補って、話の流れをうまくつないでくれるのです。
コミュニケーション能力
続いては「コミュニケーション能力」です。言葉にしてお話を伝えるためには、相手に「伝える」という意思を持ってお話をしなければなりません。
言葉をうまく運用するだけでなく、試験官を前にした状態で声に出してお話を伝えるという、会話の能力が求められます。知らない人を前にすると緊張してしまいそうですが、そんなときでも、考えや思いを伝えるためには、コミュニケーション能力を必要とします。
自己表現力
最後に「自己表現力」です。先ほど「表現力」が出てきましたが、それとは少し違います。
絵に描かれたものを適切に言葉や文の形にして表現するというだけではなく、自分の考えや、自分が想像した内容について、相手に伝えようとすることが必要になります。これらは自分の頭の中にあることで、きちんと言葉にしなければ相手には伝わりません。
そこで、「私は、こう考えた」を相手に伝えようとする能力が、「自己表現力」といえます。
「コミュニケーション能力」と「自己表現力」は、どちらも「人前で話す」ための能力だといえます。当日の試験も、試験官に対して話すという形で問われるものですから、これらの能力は軽視できません。
「お話作り」を上達させるためのコツ
ここまで、「お話作り」の問題の内容や、問われる能力を説明しました。ここからは、それらの能力をどのようにして伸ばすことができ、どのように対策することができるのかについてご説明します。
普段の会話を通して、表現する機会を増やす
まずは、普段の会話を通して、お子様が表現する機会を増やすことです。 周りとの会話が一番の表現の練習の場になりますから、そこでお子様に、考えや思いを話してもらうようにしましょう。
「いやだ」や「これがいい」といった短い発話ばかりにならないように、何がどんなふうに嫌なのか、一つずつ説明できるように促したり、何をしたいのか表現できるように会話のキャッチボールを意識したりといった工夫が必要です。
最初から全てが自由な状態で表現するのは難しいと感じられるかもしれません。お子様によっては、うまく話せないことを嫌い、黙ってしまうこともあるかと思います。そんなときは保護者様が、「何があったの?」「何がしたいの?」と、話の要素を明確にして聞いてあげることで、お子様も少しずつ言葉で伝えるようになっていきます。
先回りしすぎず、また、うまく話せなくても、否定することなくしっかり聞いてあげることで、お子様も安心して話せるようになります。
登場人物の気持ちを想像させる
次に、昔話などを聞かせる際に、登場人物の気持ちを想像させることです。お話を聞かせながら、「この人はどう考えたと思う?」「○○ちゃんなら、どうしたいと思う?」などと、登場人物の気持ちや、その世界の中で起こっていることについて、お子様自身が想像し、そして話すことによって、自由に考え、表現する力が育ちます。
子どもの話した内容を復唱する
次は、子どもの話した内容の復唱です。また、お子様が自分の話をしているときに、しっかりうなずいたり大きくリアクションをとってあげたりするのも有効です。
これによって、お子様に自分の話を分かってもらえた、話せたという自信を持たせてあげることができます。
子どもは、長い文や、長くて展開のある話などを、成長にともなって少しずつ話すようになっていきます。お子様が話をしてくれたときに、それがつたないものだったとしても、しっかり反応することが大事です。
分かってもらえたと思えれば、今度はもっと話したい、もっと自分の考えや思いを伝えたいと思うようになります。この気持ちをもとにして、お子様はお話がめきめきと上達していきます。
答えに誘導する声かけを行う
最後に、「お話作り」の問題を解いている際、答えに誘導する声掛けを行うことです。
お子様がお話作りの練習をしているとき、次に何を話せば順序だてた話になるのか迷ってしまって、言葉に詰まることがあるかと思います。そんなときには、保護者様の手助けが有効です。
「親から教えて練習になるのか?」と心配になるかもしれませんが、補助輪をつけて自転車に乗る練習をするようなものとお考えください。
手助けのうえで、話の流れを作る感覚をつかめば、あとは一人でもお話ができるようになっていきます。まずは文の形やお話の形に慣れるということを目標にしていただければと思います。このときは、話の続きを「促す」という点に注意して声掛けを行いましょう。
声かけの例
促すような声掛けとは言ったものの、具体的には、どのような声掛けをするとよいのでしょうか。
「どうして、このうさぎさんは泣いているのかな?」「〇〇ちゃんがここにいたら、どう思う?」などと、注目すべき場所や、お話をつなげるために必要な要素を提示してあげるのが有効です。注目すべきところが分かれば、お子様もまた話し始めてくれます。
まとめ
ここまで、小学校受験で問われる「お話作り」の問題の出題形式や問われる能力、そしてご家庭でできる対策方法についてご紹介いたしました。
「お話作り」は、難易度の高い課題です。語彙力はもちろん、文の形を頭の中で組み立てて、自分の思いや考えを相手に伝えられるようになるという目標は、ハードルが高いものと言えるでしょう。しかし、この能力は小学校に入学して以降も、周囲の人たちと協力し、良い関係を築いていく際に要な役割を果たします。
語彙力、表現力、想像力、コミュニケーション能力、そして自己表現力といった能力を育めるように、普段から会話のキャッチボールを意識して、お子様にも自分からお話をしてくれるように誘導することで、「お話作り」の課題に対応できる能力を身につけていきましょう。
「お話作り」の練習のコツはわかったけれど、実際に取り組むのは大変そう・・・と感じられた方へ
「お話作り」をご家庭で練習する際には、
・普段の会話を通して、表現する機会を増やす
・お子様のお話を復唱する
・お話を誘導するための声掛けを行う
といった工夫が大切だとご紹介しました。
とはいえ、実際の受験問題を一緒に、様子を見て声をかけながら取り組んだり、登場人物の気持ちを想像させたりするのは、家事、育児、仕事などをしながらだとなかなか難しいかもしれません。
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そのため、難易度の高い「お話作り」の問題に取り組む力も、無理なく身につけることができます。
読み上げ機能
「お話作り」の問題では、出来上がったお話を読み上げてくれる機能を利用して、整った文章の形に触れることができます。
プロのナレーターによる読み上げを聞きながら、話の流れや起承転結についての感覚を育てていただけます。目で見るだけでなく耳も使って、お話の作り方をつかんでいくことができますので、この読み上げ機能もご活用ください。
練習しやすい形に整えられた問題
「天神」の「お話作り」の問題は、選択問題の形式で出題されます。お話をつなげるために必要な要素が表示されているため、お子様にどの部分に注目してほしいかが分かりやすくなっています。そして、選択肢や前後の絵には文が載っていますので、これらを読むことで、お話というもののつくりを理解していくことが可能です。
先ほど、保護者様の声かけの例として、注目してほしいポイントが分かるように誘導してあげることを紹介しましたが、「天神」の問題自体がこの部分を担うことができるのです。
想像力を育む読み聞かせコンテンツも充実
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