放課後等デイサービスの仕事はなぜ「きつい」と言われるのか、離職率を下げるために経営者ができること

放課後等デイサービスの仕事は体力が必要な仕事であると同時に、トラブルも多く、子どもへの接し方や支援方法も子どもによって異なるので、誰もが出来るわけではない、大変な仕事です。

そのため、現場の職員からは「きつい」といった声が聞かれたり、離職率が高い施設があるのも事実ですので、そうならないためにも経営者の方は職員に対して、辞めないような環境作りを行うことが必須になります。しかし、職員なら誰でもいいというわけではなく、職員に対しては働きに見合った待遇をしてあげたいものですよね。

本記事では、

「放課後等デイサービスでしっかり働ける人を探している」
「現体制から経営者として何をするべきなんだろう」

という悩みを持つ経営者の方に向け、放課後等デイサービスの仕事が「きつい」といわれる理由、また、やりがいを感じる瞬間、職員を辞めさせないためにするべきことを解説します。一読いただくとあなたの放課後等デイサービスの「きつい」と思われる理由を見出し、職員の離職を踏みとどまってもらうための対策が見つかるはずです。

放課後等デイサービスの離職率について

放課後等デイサービスにおける離職率は、福祉業界全体の課題の一つとなっています。職員の定着率が低いと、新しい人材の採用や研修にコストがかかるだけでなく、サービスの質にも影響を及ぼします。まずは離職率の現状と、「きつい」と言われる原因を理解していきましょう。

離職率のデータとして、厚生労働省の「令和2年雇用動向調査結果の概要」によると、放課後等デイサービスが属する医療・福祉業界の離職率は14.2%とされています。

令和2年雇用動向調査結果の概要 産業別の入職と離職

この14.2%という数値は、全業界平均と比べても特別高いものではありません。例えば、宿泊業・飲食サービス業の離職率は26.9%、サービス業は19.3%とさらに高い値を示しています。つまり、放課後等デイサービスは「きつい」と感じる人が一定数いる一方で、他の業界と比べて特に離職率が突出しているわけではないと言えるでしょう。業界全体として課題はあるものの、全ての職員がそう感じているわけではないと考えられます。

放課後等デイサービスの仕事が「きつい」と言われる理由

放課後等デイサービスの仕事は、体力的・精神的な負担、そして職場環境の課題が多いことから「きつい」と言われることがあります。ここでは、8つの具体的な理由を挙げて解説します。

体力の負担が大きい

まず挙げられるのは、体力の負担が大きいという点です。放課後等デイサービスでは、子どもたちと一緒に体を動かすことが多いため、体力を使います。子どもの特性によってはサポートのために常に動き続ける必要があるなど、身体を酷使する場面が多くなります。スタッフの体調管理や、適切な休憩を取ることができる環境づくりなど、体力の負担を軽減することが必要になってくるでしょう。

給料が低い

給与の問題も、放課後等デイサービスのスタッフが感じる「きつさ」の一因です。国税庁の調査、「令和2年分 民間給与実態統計調査」によると平均年収は約433万円とあるため、放課後等デイサービスではこれより年収が低いことがわかります。身体的・精神的負担が高いにもかかわらず、報酬が十分でないと感じるスタッフが多く、その不満が離職に繋がることもあるようです。

給与水準の見直しや、成果に応じた報酬制度の導入など、必要とわかっていても実現が難しい部分もあります。資格取得やスキルアップに対して報酬を上乗せする仕組みを作ることで、スタッフのモチベーションを高めることができるでしょう。

児童や保護者との接し方に悩む

放課後等デイサービスに関わらず子どもに関わる仕事では、児童やその保護者との関係が仕事の大きな部分を占めます。特に、コミュニケーションが苦手な児童と信頼関係を築くことが難しかったり、保護者との連携が一筋縄ではいかなかったりと、児童や保護者との接し方に悩むことが少なくありません。

スタッフ間での情報共有や、定期的な保護者との面談などを実施し、職員が孤立せずチームで支え合う環境を整えることが重要です。

児童を預かる責任に神経を使う

児童を預かるという責任の重さも「きつい」と感じる理由の一つです。特別支援が必要な児童を預かる施設という性質上、その安全や心身のケアには常に気を使わなければなりません。児童同士のトラブルや、事故・ケガなどの予期しない事態に備えて対策を講じたり、保護者に理解を求めるための説明をしたりする場面も多数あります。
施設全体での危機管理体制・安全対策を強化するなど、職員が安心して業務を行えるようなサポートを提供することが大切です。

職員同士の人間関係の問題

職員同士の人間関係の問題も、離職につながりやすい要素です。職員間での意見の食い違いや、仕事の進め方に対する考え方の違いがストレスを生むことがあります。放課後等デイサービスは規模が小さい事業所が多く、ひとたび人間関係のトラブルが発生すると、職員のやる気が大きく損なわれる可能性があります。

定期的に職員同士の意見交換や、コミュニケーションを深める場を設けることが重要です。また、施設の管理者が積極的に介入し、問題がこじれないように早期に対処することが求められます。

人手不足で一人当たりの負担が多い

放課後等デイサービスでは、慢性的な人手不足という現状があります。施設によっては、職員一人あたりが担当する子どもの数が多かったり、清掃や事務作業といった周辺業務もこなさなければならず、体力的にも精神的にも「きつい」と感じる要因になっているようです。

常に安定した人員体制を確保することに加えて、業務の効率化を図り、負担の軽減を目指すことも大切です。

施設の方針が合わず気苦労が多い

施設の運営方針が合わず、ストレスから離職につながるケースもあります。放課後等デイサービスは、近隣の他の事業所と差別化を図るために、独自の特徴や取り組みを持っている場合が多いです。自分のやりたいことと方針が合わなかったり、運動・音楽など職員の苦手な領域に特化した施設であった場合、大きなストレスにつながります。

運営方針について職員との意見交換を定期的に行ったり、研修の場を設けたりすることで、安心して働ける環境を整えていく必要があるでしょう。

児童の個性に沿った多様な対応

放課後等デイサービスでは、児童一人ひとりの個性に応じた支援が求められますが、その対応に困難を感じる職員も少なくありません。特に、発達障害のある子どもたちへの適切な関わり方を見つけるには、時間と労力がかかります。見つけたと思っても、次の日にはうまくいかないということもよくあります。一人で複数名の児童を担当するため、こうした多様な対応に追われ「きつい」と感じることがあるようです。

職員間での情報共有や、専門的な研修を受ける機会を提供し、スタッフが自信を持って業務に取り組めるよう支援することが大切です。

放課後等デイサービスの仕事が「楽しい」と思える瞬間

放課後等デイサービスの業務は、時には大変なこともありますが、やりがいを感じる瞬間も多くあります。ここからは、その「楽しい」と感じる瞬間について紹介します。

社会的意義を感じることが出来る

放課後等デイサービスは、子どもたちの支援だけでなく、地域社会全体で支える仕組み作りを担う重要な役割を果たしています。学校や児童館などと連携し、地域が一体となって子どもたちをサポートする体制を築くことで、福祉事業者としてのやりがいを感じられる仕事です。

また、障害児支援の拠点として、専門知識を活かし、地域と子どもたちをつなぐ「橋渡し役」として貢献することに大きな意義があります。こうした活動を通じて、社会的な使命を実感し、日々の業務の中で仕事の価値を見出すことができるでしょう。

児童の成長を感じることが出来る

放課後等デイサービスの大きな魅力は、子どもたちの成長を間近で感じられることです。苦手なことに挑戦し、成長を遂げた子どもの笑顔や、心を開いてくれた瞬間など、日々の小さな成功体験が職員にとってのやりがいとなります。

さらに、小学1年生から高校3年生まで、最長12年間にわたる長期的な支援を通して、子どもが少しずつ新しいことをできるようになる姿に寄り添えるといった点もやりがいにつながります。就労支援や自立支援を通じて社会に送り出す達成感を味わうこともできるでしょう。

保護者の支援を行うことが出来る

放課後等デイサービスは、子どもの成長を支えるだけでなく、保護者への支援についても大きな役割を担っています。障害のある子どもを育てる保護者は、子どもの行動や関わり方に悩むことが多く、相談に応じたり、家庭でできる療育方法を提案したりすることで、育児の負担を軽減します。

こうした支援を通じて保護者との信頼関係が深まり、「ありがとう」など感謝の言葉をもらえる瞬間は、仕事へのやりがいを感じられる貴重な場面です。子どもが放課後等デイサービスでの経験を楽しそうに話しているという保護者からの報告や、成長を共有できる喜びも、スタッフにとって大きな励みになります。子どもと保護者、双方に寄り添いながら支えることができる点が、この仕事の大きな魅力です。

職員を辞めさせないために経営者がするべきこと

放課後等デイサービスの運営者が職員の離職を防ぐためには、環境や仕事の内容、コミュニケーションの仕方に配慮することが重要です。経営者がどのように職員をサポートし、維持していくとよいのか、具体的な方法について解説します。

職員間でしっかりと療育方針を共有する

放課後等デイサービスでは、職員間でしっかりと療育方針を共有することが大切です。異なる職員が同じ児童に関わったとき、方針が統一されていないと対応がばらつき、混乱を招く恐れがあります。

そのため、経営者は定期的にスタッフミーティングを開き、方針や児童の様子を共有していく必要があります。また、方針にそった療育を実践するため、さまざまな研修も定期的に実施していくとよいでしょう。

仕事の割り振りを常に気に掛ける

放課後等デイサービスの現場では、多くの業務を並行してこなす必要があることから、仕事の負担が一部の職員に偏ることがあります。特に職員が少ない場合、その仕事量が大きな負担となり、ストレスが増える原因になります。経営者は業務を適切に割り振り、常に職員の負担を見守る必要があります。職員が無理なく業務をこなせるような配慮を行うことで、モチベーションの維持や離職の防止につながります。

職員間の人間関係を気に掛ける

職員間の人間関係の悪化は、職場の雰囲気を悪化させ、ストレスや不満が溜まる原因となります。経営者は、職員が安心して仕事をできる環境を提供するために、定期的な面談や意見交換の機会を設けることが大切です。面談を通じて職員の不安や悩みを聞き、問題を早期に解決することで、離職に至る大きなトラブルを回避しやすくなるでしょう。

子どもの成長を職員全員に共有する

職員が日々の仕事にやりがいを感じるためには、子どもたちの成長を実感することが大切です。経営者は、定期的に子どもたちの成長や成果を全員に共有し、職員一人ひとりがその達成感を感じられるようにサポートすることが求められます。成果が認められることで、職員は自信を持って業務に取り組むことができ、離職を防ぐだけでなく、より良いサービスの提供にもつながります。

地域や保護者との関係を構築する

放課後等デイサービスの運営において、地域や保護者との良好な関係を築くことも欠かせないポイントです。保護者との信頼関係がしっかりと築かれていれば、職員は自分の仕事に対する評価を実感しやすくなり、より仕事に誇りを持つことができます。また、地域の理解と支援を得ることも職員が安心して働くためのサポートとなります。経営者は地域社会との交流を積極的に進め、職員にフィードバックしていくことが大切です。

まとめ

放課後等デイサービスの仕事はなぜ「きつい」と言われるのか、そして離職率を下げるために経営者ができることは何か、について解説しました。放課後等デイサービスは、需要も高く地域に欠かせない施設となっています。しかし運営方法を誤ると、職員が「きつい」と感じ、離職・人手不足の原因となってしまいます。

職員の離職を防ぎ、放課後等デイサービスの運営を健全に保つためには、経営者が積極的に職員をサポートし、働きやすい環境を作ることが欠かせません。経営者の細やかな配慮が、離職率を下げ、持続可能な運営を実現します。この記事が放課後等デイサービスを適切に運営する参考となれば幸いです。

放課後等デイサービスの「経営」を成功させるために

 ・職員に適切な環境で働いてもらうこと
 ・ユーザー(保護者)のニーズを理解すること
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特に上記の点を気に掛けて実行する必要があります。

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